2026年3月11日

ディック・ロングはなぜ死んだのか?

(原題:The Death of Dick Long)(アメリカ,2019)

バカだね~(笑)。A24映画。

人には言えないある理由で,バンド仲間のディックが瀕死の状態に。一緒にいたジークとアールは,ディックを救急病院の前に置き去りにして事なきを得ようとするが,やがてディックは死に,警察が捜査を開始する。必死で証拠隠滅をしようとするけれど,何から何までその場しのぎの短絡的な対処と嘘で,どんどん窮地に追い込まれていくジークとアール。

人間,正直が一番です。

★★★


韓国映画から見る,激動の韓国近現代史:歴史のダイナミズム,その光と影

崔盛旭 2025 書肆侃々房

韓国映画から紐解く,韓国の近現代史。観たことのない映画なら観たくなるし,観たことのある映画ならその背景が分かるし,さらには,韓国の近現代史も知ることができて,一石二鳥,一挙両得,一粒で二度おいしい,そんな本です。

全部で44本の映画が紹介されていて,一つ一つについての簡単なあらすじを紹介して,映画としての評論をしつつ,その時代的な背景について解説しています。お隣の国韓国の映画が好きな方,韓国の近現代史に興味がある方には,絶対オススメです。


2026年3月8日

希望の灯り

(原題:In  the Aisles)(ドイツ,2018)

アウトバーン沿いの巨大スーパーマーケットで働く,東西統一後の旧東ドイツの人たち。新人の若者クリスティアン(フランツ・ロゴフスキ)は寡黙で真面目な男。しかし,袖と襟から覗くタトゥーは,それまでの彼の人生を物語っている。ちょっと訳ありそうな同僚のマリオン(ザンドラ・ヒュラー)に心を寄せつつ,懸命に働くクリスティアンは,同僚から少しずつ信頼を得ていく。

東西の格差。あからさまな貧富の差。旧東ドイツの人たちの厳しく貧しい暮らしぶり。日々暮らしていくために,思い通りにいかない人生,耐え忍ぶ人生。酒とたばこで紛らわす日々。マーケットで廃棄される高級な食べ物をこっそり漁る。寒空のクリスマスイヴでも,仲間と集まって喜びを分かち合う。刹那的な快楽に逃避する人。人生に絶望する人。それでも生きていかねばならない。リフトを降ろす音が,波の音に聞こえる。

マリオン役のザンドラ・ヒュラーは,『アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド』に出てた,アンドロイド会社の案内役の人だね。『関心領域』(←未見)のヘートヴィヒ・ヘス役。

★★★


MaXXXine マキシーン

(原題:Maxxxine)(アメリカ,2024)

『X エックス』『Pearl パール』に続く三部作完結。ホラー・サスペンス。6年前の田舎の一軒家での惨劇を命からがら逃れたマキシーン。ポルノ女優として身を立てているが,ハリウッドでの成功を夢見てホラー映画のオーディションを受け,見事合格。一方,ロサンジェルスでは連続殺人犯・通称「ナイトストーカー」による事件が続発。マキシーンの周辺も次々に殺されていく。時を同じくして,なぜかマキシーンの過去を知る者から付け狙われることに。犯人は誰だ?

まぁしかし,一番怖かったのは『Pearl パール』だなぁ。あの最後のミア・ゴスの作り笑顔はトラウマ級です。

★★★


2026年3月5日

MEN 同じ顔の男たち

(原題:Men)(イギリス,2022)

うーん。つまり何が言いたいんだろう。いろいろと考えが湧いてくる,謎のホラー映画です。

男の身勝手な価値観と欲望(欲求)を女に押し付ける(求める)ことの醜悪さ。しかし,「同じ顔」の男であることの意味は?男は皆同じ,ということか。でも,村中全員同じ顔なのかと思ったら,そうでもない。古い伝統的な(男性中心的な)価値観に縛られている時代遅れの田舎。しかし,素朴だからでは済まない。それから,なぜ変態男(=すっぱだか)は森(自然)からやってくる?段々と植物化してるし。古い鉄道のトンネルの意味は?トンネルの向こうから変態男がやってくるだけど,要するに,トンネルは産道ってことか?最後に,男からひたすら男が出てくる,ってのは,男性(男系)社会のメタファーか。夫も男。男は皆同じ。男は女の愛が欲しいという。遊んで欲しいという。許して欲しいという。・・・アホか。最後にはもう,トホホなため息をつく主人公のハーパー。男は女を支配しようとするけれども,そうはさせない。映画のラスト,駆け付ける女友達は妊娠してる様子(それまで,画面越しだったので妊娠していることは分からない仕掛け)。最後には女が残る。そして,子は女が生むことの再確認か。

・・・とまぁ,考えが色々浮かんできます。A24の謎映画。

★★★


2026年3月4日

アイアンクロー

(原題:The Iron Claw)(アメリカ,2023)

フォン・エリック一家の,実話に基づく話。「アイアン・クロー」のフリッツ・フォン・エリックの息子たちは,みな,父の期待に応えてレスラーになるが,病気や自殺で,次々に死んでいく。最後に一人残ったケビンの目から見た,「呪われた一家」の物語。

父,フリッツの夢は,自分が叶えられなかったNWA世界チャンピオン。その夢を息子たちに託し,息子たちもその気持ちに答えようと懸命に努力する。フォン・エリック家の,家族の絆,兄弟の絆,親子の絆は固く強い。がしかし,それは裏を返せば,計り知れないプレッシャーでもある。

ケビンとケリーのタッグで新日本に来てたよね。懐かしい。映画には,ブルーザー・ブロディとかリック・フレアーも出てきます。

★★★


2026年3月1日

JUNK WORLD

(日本,2025)

長編ストップモーションアニメ映画『JUNK HEAD』の前日譚。といっても1042年前の話。

しかし,すごいよなぁ,模型作って,ストップモーションでこんだけ作り込むんだから。なお,今回はCGも駆使してます。

★★★★



2026年2月22日

ウルフマン

(原題:Wolf Man)(ニュージーランド,2025)

最愛の娘ジンジャーとジャーナリストの妻シャーロットと暮らすブレイクのもとに,数か月前に行方不明になった,オレゴンの田舎に暮らす父親の,死亡宣告書が届いた。最近夫婦仲がギクシャクしてきたと感じているブレイクは妻に,娘とともに三人で,実家の整理ついでにオレゴンの雄大な景色を見に行こうと誘う。しかし,トラックで向かう途中,まもなく家に着く直前で,獣らしきものに襲われる。その獣は確かに,二本足で立っていた。

感染によって発症する,徐々に獣のような顔と身体になっていく病気。先住民たちはそれを「マインガン・オデングワン」(狼顔)と呼んでいる。

タイトル通り,狼男です。あんまり美しくない,グロテスクな狼男です。月夜の晩とは関係ない(つまり呪いでも神罰でもなんでもない),まぎれもない感染症なので,徐々に症状が「悪化」していくところが痛々しい。嗅覚・聴覚・視覚などが段々おかしくなっていく様子や,うまく話せなくなっていくところや,たぶん,脳にも影響が生じていくようで,突然自分の腕を喰っちゃうし(狂っていってるんでしょうね),自分で足もかみちぎっちゃうし,もう大変なことになってます。

「狼男アメリカン」をまた観たくなりました。

★★★



2026年2月19日

カッコウ

(原題:Cuckoo)(ドイツ/アメリカ,2024)

うーん,分かったような分からんような。

変な映画。これはいずれカルト映画になるな,たぶん。

★★


死の瞬間:人はなぜ好奇心を抱くのか

春日武彦 2024 朝日新書

改めて,春日武彦の文学や漫画や映画に関する造詣の深さに驚嘆。