2024年10月25日

マインドフル・ボディ

エレン・J・ランガー(著) 高橋由紀子(訳) 2023 徳間書店

盛沢山。ここで書かれている数多くの知見は,本当にあれこれいろいろあって,一言では言い表せないぐらいたくさんの興味深い研究知見が盛り込まれてます。もちろん,その中にはよく知られているものもたくさん含まれますが,(私も知らなかった,特にランガーらの)新奇で面白い着想の(未公刊も含む)研究がいくつも紹介されてます。あえて一言でいえば,「健康や幸福は心によって作られる」「健康や幸福は考え方次第でいかようにもなる」というところでしょうか。一応,私も感情制御や健康増進をテーマにしてきて,マインドフルネスもやっている端くれとして前からそう思ってますが,このランガーの一連の研究を見通すと,その効果は想像以上に大きい,ということを感じました。たまに「おいおい,これ,ホントかよ(ホントに有意差が出たのかよ)」というような(にわかには信じられないような)研究もいくつか出てきますが,いずれにせよ,ランガーの自由な発想による奔放な研究の数々に驚嘆します。

2024年10月17日

シャーロック・ホームズの護身術バリツ:英国紳士がたしなむ幻の武術

エドワード・W・バートン=ライト(著) 田内志文(訳) 2024 平凡社

『大槻ケンヂさん大推薦!!』


こういうのがあるのは知ってましたが,実際に写真と解説をちゃんと見たのは初めてでした。

SFマンガで倫理学:何が善くて何が悪いのか

萬屋博喜 2024 さくら舎

これは面白い!読んでいてすごく楽しい。SFマンガを題材にして話を進めていくのもそうだし,この先生の文章は分かりやすいので,とっても読みやすい。


2024年10月15日

全日本杖道大会「二段の部」ベスト4

先日の10月13日(日),かの有名な「武徳殿」(日本で最古の演武場)の横にある京都市武道センター主競技場にて,第51回全日本杖道大会が開催されました。「二段の部」に出場しまして,おかげさまでなんとかベスト4に入りました。優秀賞(全日本は,三段までは決勝戦を行わない)まであと一歩でした。

順位的にはあと一歩ですが,まだまだ全く修業は足りません。足りないところだらけです。たぶん,勝ってしまっては増長して稽古もおそろかになりましょうが,負けてますので,足したいところが満載です。課題はたくさんありますから,これでまた,稽古が一段と楽しくなりそうです。早く稽古をしたくてたまりません。

今回ペアを組んだ白谷さん(日本武道館・武道学園)と,試合後に記念撮影。白谷さんとは20歳以上?年が離れてますので,五十路過ぎのオジサンとしては,若者の足を引っ張らないよう,なんとか頑張りました(笑)。しかし,相変わらず,緒戦は緊張します。緊張しすぎてガチガチの引落打。白谷さんの太刀の先にガチンと当たって,危うく空振りするところでした。いやぁ危ない危ない。

大会の様子です。京都市武道センターは,今回初めて行きました。東京武道館よりも狭かったですね。けっこう古い昭和な建物でした。

試合(大会)は,飽くまで,日々良い稽古をするための単なるキッカケに過ぎません。せっかく出るわけですから無論,勝つように稽古します。ここでいう「勝つ」というのは,単に対戦相手との優劣を競って,少しでも相対的に優れることを求める,ということではなく,杖道として正しい動作や正しい理合を体現するという武道的な理想へと少しでも近づく,ということを意味します。ですので,勝とうが負けようが本質的にはどうでもよく,試合まで,そして試合後に,いかに良い稽古,充実した稽古を日々送れるかが重要です。なので,都大会に続き,今回の全日本大会も,とても良いキッカケになりました。

来年は埼玉だそうです。是非また出たいと思います。

2024年10月8日

うつ病になってマンガが描けなくなりました 退院編

相原コージ 2024 双葉社

「発病編」「入院編」に続く「退院編」。完結。うつ病の人が感じている自分や世界を知る上で貴重な資料だと思います。


2024年10月1日

八本目の槍

今村翔吾 2022 新潮文庫

吉川英治文学新人賞受賞。「賤ケ岳七本槍」一人一人の物語から紡ぐ,石田三成の物語。豊臣秀吉の小姓組だった,才気と個性あふれる七人の登場人物たちが語る,八人目の男・石田三成という男の生き様。