杖道は面白い。少なくとも私にとっては非常に面白い。やればやるほど面白い。さらには愛好家2万人という話なので,少なくとも全世界人口のうち2万に上る人間にとっては面白いのである。なぜ面白いのか。他の武道と何が違うのか。なぜ杖道なのか。
まずは「杖道」という武道はどのように稽古されるのか,その稽古方法の特性から,その面白さについて考えてみた。
★二人で演武する形武道である。
・形武道といっても,(居合や空手のように)仮想敵に対して,ひたすら一人で淡々と演武するわけではない。
・したがって,形(技の攻防)にリアリティがある。
・動きが決まっている型武道なので,白樫の固い武具で,ギリギリのところの,非常に緊張感のある攻防の稽古ができる。
★杖と太刀という,異なる武具で演武する。
・杖と杖で演武するわけではない。太刀の攻撃に対して杖で制する技の体系である。
・したがって,杖はもちろんだが,剣(太刀)も稽古できる(しなければならない)。
・杖道なので杖が主だが,杖の演武の質は太刀によって左右されるため,太刀が上手でなければならない。(打太刀が上位)
・したがって,太刀の稽古が(杖の稽古と同じぐらい)重要である。
★相手の力量によって演武の質が変化する。
・相手を感じ,相手とつながり,いかに相手と身体的に対話するかが重要である。
・つまり,合気的な要素が大きい。相手を無視して一人で勝手に動いてしまっては,まったく攻防の体にならない。ちぐはぐになる。
・二人で演武するが,乱取りや地稽古のように,その二人が自由に技を出してお互いの力量を競っているわけではない。
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