春日武彦 2007 文藝春秋
買ったわ良いが,この装丁,なんとなく見たことあるなぁと思っていたのですが,研究室の本棚をざっと見たところ,見当たらない。というのも,私は春日武彦ファンであり(ただし,一時期,御母堂を失くされた後に書かれた本が,ものすご~くジメジメとした筆致で,まさにタイトルは,『鬱屈精神科医,占いにすがる』であり,こんなに切れ味悪かったかなと思って,読むのを止めていた時期がありますが),ファンであるが故に買っているはずだと思ったわけですが,やっぱり見当たらない。
ならば記憶違いかと思っていたのですが,しかし,どうも読んだような記憶があるようなないような。読んだとは言い切れないぐらい曖昧だから,読んでいて面白かったけれど,第十二章「世界の構造」に至って,明らかにこれはかつて読んだことを思い出しました。今から18年前ですか。
そう思ってもう一度丹念に研究室の本棚を探したのですが,やっぱり,ない。小説以外,本を売ることも捨てることも基本的にないんだけどなぁ。でも,これ,前に読んでるぞ絶対。
と,まぁ,ある意味,メタに不思議な読書体験でした。









