(原題:Kingdom of the Planet of the Apes)(アメリカ,2024)
シーザーが死んでから数世代後(300年後?)の世界。
そもそも,ウィルスにやられていない一部の人間はいったいどうやって何百年も生き延びているのか。食料は?エネルギーは?道具やら機械やら,その文化的水準をどうやって維持できているのか。錆びるだろうし,劣化するだろうし,故障するだろうし。精密な機械なんて,普通,何百年も経ったら正常には動かんでしょう。ウィルス蔓延直後じゃないよ。300年も後だぞ。例えば,今から300年前って,1700年代前半だぞ。暴れん坊将軍だぞ。パソコンだって数年放っておいたらすぐ壊れるぞ。それに,そんなに長く生き延びてる人間たちはなんであんなに(今風の格好のまま)身綺麗なんだ?風呂入ってるのか?誰が着る物を作ってるんだ?ユニクロはないぞ。肌艶も良くて健康的だし。おかしいだろ。
一方,人間の作ったビルやら船やら天文台やら,数多くの建造物や遺物を見て,エイプたちは何も思わないのか。自分たちだって木で大きな建造物を作ってるわけで,建造物か自然物かは区別できるでしょう。自分たちが作ったものじゃなきゃ,一体どうやってできたものだと思ってるのか。なおかつ,数世代なら語り継いでたっておかしくないから,やっぱり,人間が作ったものとしか考えられないでしょう。
建造物が遺跡並みに崩壊しているのに,ウィルスにやられていない人間たちの服や道具や機械はそのままの状態で保存・維持・管理されていて,かつ,正常に作動する,っておかしくないか。帳尻が合わない。なんか,もう,ここまでくると,いろいろご都合主義すぎて,すんなり飲み込めません(笑)。
エイプたちの造形や動き,生活の描写,廃墟となった世界の様子なんかは見事だけど,そこんところにばかりリアリティを追求していて,人間の方のリアリティがおろそか。ちぐはぐ。
★★
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