2026年2月9日

聴くということ:精神分析に関する最後のセミナー講義録

エーリッヒ・フロム(著)堀江宗正・松宮克昌(訳) 2012 第三文明社

フロム死後に出版された晩年の講義録集。これはたいへん勉強になりました。私は臨床はやりませんが,心理臨床家は当然,これ,読んでるんだろうね。読んでないなら,読むべきだね。

精神分析と禅,あるいはマインドフルネス,そして武術。まさかフロムが太極拳をやっていたとは知らなかった(笑)。身体への気づき,リアリティ,being,今ここに在ること。ナルシシズムへの気づき。まさに我執,私へのこだわりへの気づき。非常に仏教的です。

精神分析とはどうあるべきかに関してフロムが至った最晩年の思想がここに書いてある。これはそのまま,カウンセリングとはどうあるべきかと読み替えても良いのではないだろうか。無論,ロジャース的なアプローチには異を唱えていますが,純フロイト派の精神分析にも異を唱えていて,カウンセラーという立場の人間が,クライアントにどう向き合い,クライアントと何を話すべきなのか,何に注意すべきなのか,そんなこんなが,講義録特有の話し言葉で書かれています。名著です。私は臨床はやりませんが。


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