2026年3月8日

希望の灯り

(原題:In  the Aisles)(ドイツ,2018)

アウトバーン沿いの巨大スーパーマーケットで働く,東西統一後の旧東ドイツの人たち。新人の若者クリスティアン(フランツ・ロゴフスキ)は寡黙で真面目な男。しかし,袖と襟から覗くタトゥーは,それまでの彼の人生を物語っている。ちょっと訳ありそうな同僚のマリオン(ザンドラ・ヒュラー)に心を寄せつつ,懸命に働くクリスティアンは,同僚から少しずつ信頼を得ていく。

東西の格差。あからさまな貧富の差。旧東ドイツの人たちの厳しく貧しい暮らしぶり。日々暮らしていくために,思い通りにいかない人生,耐え忍ぶ人生。酒とたばこで紛らわす日々。マーケットで廃棄される高級な食べ物をこっそり漁る。寒空のクリスマスイヴでも,仲間と集まって喜びを分かち合う。刹那的な快楽に逃避する人。人生に絶望する人。それでも生きていかねばならない。リフトを降ろす音が,波の音に聞こえる。

マリオン役のザンドラ・ヒュラーは,『アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド』に出てた,アンドロイド会社の案内役の人だね。『関心領域』(←未見)のヘートヴィヒ・ヘス役。

★★★


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