2018年10月16日

骨盤の傾き

空手の稽古の際,以前は骨盤を後傾させることを心がけていましたが,最近,それはもしかしたらちょっと違っていたかもしれないと思って,再検討しています。

例えば,尾骨を巻き込む,臍を上に向けるなど,骨盤の位置あるいは動かし方に関する口伝はあります。これは,尻(の穴)を締める,内ももの締める,腹を充実させる,などのような口伝と,基本的には同じことを言っているものと解釈していました。

この解釈でもあながち間違っていないのは,特に那覇手(剛柔流)では,腰(背中の下部)がほぼ平らになるぐらい丸め込む,とされています。私の理解では,太極拳もそうしているように思います(ここのところの理解は微妙で,要検討です)。

しかし,首里手系統ではそういう風には特に言われていない(ように思います)。夢想会・新垣清師範によれば,武術的にはそこは「袴腰」であるとされています。広い意味で言えば,後傾ではなくむしろ前傾であり,逆です。

ただ,あえて無理に(大げさに)前傾することはないでしょう。となれば,間を取って,ちょうど真ん中,つまり,坐禅をするときの坐り方と同様,坐骨が地面と接する際に前にも後ろにも傾かず,ちょうど良いところで立ち,その上に腰椎・胸椎・頸椎が無理のないS字カーブを描いて乗るような感じが良いのではないかと,最近は思っています。その自然なS字カーブが「袴腰」であろうと思います。

この状態で,腹を充実させれば,尻(の穴周辺の筋肉群=骨盤底筋群)も締まります。師である小林先生も先日,骨盤の傾き(を気にする)よりもむしろ腹の充実(の方が大切)だろうと言っていました。

自然にすっと立っている状態から,膝を曲げればそのまま自然に沈み下がる感じです。

なぜまたこういう考えに至っているかと言うと(また変わるかもしれませんが),骨盤を無理に後傾させながら膝を曲げると,膝(の前)に余計な力がかかるような気がしたからです。骨盤を後傾させようとすると膝はむしろ伸びる方が,体感的には自然な気がします。つまり,膝は伸びようとするのにそれを曲げようとするから,膝に無理が来ているのかもしれない,ということです。それが膝痛の原因の一つかもしれないと思ったわけです。

痛い,ということは,どこか間違っているはずです。その間違いがどこかを探るのも,武術の楽しさの一つです。そうすれば,武術的な身体,空手的身体へとまた一歩近づけます。だから武術は深くて面白い。

3 件のコメント:

  1. 骨盤が前傾しています。いわゆる反り腰というやつです。顔も自分では真っすぐ前を向いているつもりで、実は顎が上がっていて、最近は意識して顎を引くようにしていますが、これも反り腰のせいだと思います。一日中座っているのも拍車をかけていると思います。何を意識するといいでしょうか?

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  2. 前傾していることが意識できているなら,尾てい骨を巻き込む(臍を上に向ける)ように,後傾を意識してみては?坐ってみて坐骨を意識して骨盤の感じを掴むと良いのではないでしょうか。

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    1. PCに「尾てい骨を巻き込む」と書いた付箋貼って意識してみようと思います。ありがとうございます。

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