(日本,2017)
桜井画門の漫画『亜人』が原作のアクション映画。もともとの漫画がヒットしているから,亜人というアイディア自体が魅力的だし,亜人が出す黒い幽霊(IBM)の映像化もよくできてます。だから観ていて端的に面白い。
漫画の単行本の表紙はほとんどこのIBMなので,亜人の特徴は死なないことよりもむしろこっちなのかな。まず,このIBMの造形が良いです。それから,負傷しても自ら命を絶ってリセットするという戦闘スタイルもオリジナリティが高い。他にもこういうアイディアの物語は(僕が知らないだけでたくさん)あるのかもしれませんが,そう言えばトム・クルーズ主演の『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(原作は桜坂洋の小説)も,あえて死んでリセットする話でした。
漫画をちゃんと読んだわけではないですが,漫画の方は本来ならもっと深みのある世界観だと思うので,映画はそれをコンパクトにまとめらている分,やや惜しい気もしますが,2時間ぐらいにまとめる上では(盛り込みすぎるのも話がうるさくなるので)仕方がないですね。
綾野剛演じる「佐藤」ですが,原作漫画だともう少し初老の男な感じに描かれているので,綾野剛だとちょっと若すぎるかなぁ。なにせ20年間人体実験されてきたというエピソードがありますから,せめて40代の俳優が良かったと思います。ちなみに,主人公の永井(佐藤健)も佐藤も,細マッチョぶりを見せつけるかのように裸シーンが何度も出ます。
漫画の「永井」は高校生ですが,映画では研修医でした。2時間枠で「佐藤」と対決して決着をつけるためにはそのぐらいの知力と体力がある方が良い,という判断ではないかと推察します。『亜人』は,漫画もアニメもあって,世界観も深そうなので,いずれ漫画の方もちゃんと読んでみようと思いました。
★★
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