2021年3月1日

感情史とは何か

バーバラ・ローゼンワイン/リッカルド・グリスティアーニ(著) 伊東剛史・森田直子・小田原琳・舘葉月(訳) 2021 岩波書店

日本感情心理学会で2017年に開かれたセミナーと機関誌『エモーション・スタディーズ』の第5巻の特集のご縁で,学会に書評依頼が来まして,これまたあれこれ経緯がありまして,私が書評を書かせていただくことになりました。3月発行の感情心理学会のニューズレターに掲載していただきます。

なので,詳しいことはそちらに書いたので,その書評はここで後々再掲するならするとして,以下,そこでは書かなかったことを書きます。

まず,この本を読んで,この「感情史」というのは,面白い研究領域だということが改めて分かりました。門外漢なので上手に説明できないですが,歴史学の一領域で,感情というテーマで特定の時代の特徴を,あるいはある程度の幅を持った時代的変遷の特徴を描き出す,という感じの学問です。例えば,政治史とか経済史とか科学史とか教育史とかあると思いますが,そういう意味で「感情史」です(たぶん)。これは,感情を研究する人からすれば,興味深くないわけがない。

ただ,やっぱり歴史学ですから,読み解き方だとか分析の仕方だとかは心理学の自分から見れば独特です。そうか~,歴史学って,こういう風にやるのか~,と感心しました。最近は言語学が面白くて色々読み漁っていますが,それでもやっぱり血肉となるにはもっと専門的な訓練を受けないと分からないところは大きいです(なので,そのうち,大学院に入って,ちゃんと言語学をやりたい)。ましてや,歴史学は今回初めて読んでみたので,なかなかつかみどころが分からない面はあります。

ただ,この本はそういう意味で「入門書」ですから,とりあえず,最初にちゃんと読んだ本としては正解だったかと思います。感情の歴史学,ぼちぼち追いかけてみようかと思います。


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