若林悠 2021 国書刊行会
幕末・明治維新から第二次世界大戦(太平洋戦争)終結まで,世界各国で描かれた風刺画に登場する日本を追いつつ,当時の日本と世界の情勢(特に,日本が植民地化されることを恐れて,世界の列強に並ぼうと極端に軍事国家化していくのと,それを取り巻く諸外国の見方)がつぶさに解説されていて,読みごたえがあります。
特に,著者の若林氏は風刺画の研究家なので,歴史家・歴史学者が書くような専門的な文章ではなく,ときに皮肉のこもったユーモアも込められていて,読んでいて分かりやすかったです。
ちょうど今,ロシアがウクライナを侵略していますが,本書を読めば,日本も歩んできた侵略と戦争のリアリティを多少なりとも感じられます。
でも最近,また日本も敵基地攻撃能力とか反撃能力とか言いながら防衛費という名の軍事費を大幅に増やす算段を政府がしていますが,せっかくの憲法9条が泣いています。また嗤われるぞ。ヤメトケ,ヤメトケ。戦争反対。老子を読め。
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