若林悠(著)芝健介(監修) 2020 現代書館
ナチスの台頭から第二次世界大戦までを,風刺画とジョークでなぞった本。風刺画は作者から掲載年まで正確に情報が明記されてますが,随所に出てくるジョークについては出所が不明。風刺画はリアルな絵であり現実に存在しているわけですが,ジョークってどこまで本当に当時そう言われていたのか,後世になって(つまり,現代に)作られたネタなのか,区別がつかず,なんとなくリアリティがない。だからむしろ,文頭や文中に挿入されてる「ジョーク」は邪魔でした。同著者の『風刺画が描いたJAPAN』は良かった。この本も,風刺画の解説部分は,ナチスやヒットラーのリアルを知る良い歴史資料になっていて良いと思いました。
プーチン・ロシアによるウクライナ侵攻が始まって間もなく1年ですが,隣国の領土を奪おうとするロシアの今を知る上で,戦前の日本がどうやって戦争に向かっていったか,ドイツがどうやって他国へ侵攻していったか,そのときロシア(ソ連)などのヨーロッパ諸国はどうだったかを垣間見るのは,良い手掛かりになると思いました。
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