(原題:The Last Serb in Croatia)(クロアチア,2019)
B級ゾンビ映画だと思って,軽い気持ちで観始めました。
原題を直訳すれば,『クロアチア,最後のセルビア人』。今はクロアチアとセルビアは国境を接する独立国家同士ですが,歴史を振り返ると複雑で,クロアチアにセルビア人も住んでるし,セルビアにクロアチア人も住んでますが,両者は仲が悪いらしい。ネットで検索してみると,両方ともスラブ系ですが,クロアチア人はローマ・カトリックを信仰していてラテン文字を使用し,セルビア人はセルビア正教を信仰していてキリル文字を使用するらしい。宗教と文字が違うのは大きい。特に仲が悪くなったのは第一次・第二次世界大戦を経て現代に至るまで,いろいろあったから。うううむ,この辺り,複雑でよく分からん。ごめんなさい,不勉強。
とりあえず,この映画は,その辺りの「クロアチア人とセルビア人は歴史的にものすごく仲が悪い」という話を前提に観る必要あり。クロアチアの映画だからクロアチア寄りの映画なのかと思いきや(もしそうだとしたら,クロアチア人によるクロアチア万歳映画になってしまって,ただのゲス映画だから,あり得ないか),クロアチアという国はもうすでに国家破綻しているところから始まるし,クロアチア人は全員ゾンビ化して,最後はアメリカの企業に殲滅されます。だから,クロアチア人がクロアチアを小ばかにしたブラックジョーク映画,なんだよね,きっと。
邦題は,B級ゾンビ映画として,とりあえず観せようとするための,苦し紛れ。別に国境に向かうことはそれほど重要な要素ではないから,ボーダーランドとか国境地帯とか,この映画の本質的な内容とはあんまり関係ないです。とても仲の悪いクロアチア人とセルビア人を描いたブラックジョーク映画,として正しく観れば,まぁ,面白い。
★★
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