2023年9月29日

動物に「心」は必要か 増補改訂版:擬人主義に立ち向かう

渡辺茂 (2023) 東京大学出版会

我々は自律的に動く対象に心を知覚するけれども(これは同種他個体の行動を予測するため),動物に人と同じような「心」を想定する(擬人主義)必要はないし間違ってるよね,という慶応の渡辺先生の本。行動主義の隆盛と衰退,認知科学の勃興,比較認知科学の展開など,心理学史としても勉強になりました。

いろんな動物がいるけれど,人はどの類どの種まで心の知覚をするのかとか,植物は,機械は,という辺りに僕は興味があるのですが,渡辺先生の主旨としてはそういうことを書こうとしている本ではちょっと違うのかもしれないのだけれど,その辺の興味も満たされました。

東京大学出版会の広報誌「UP」連載の評論を書籍化し,かつ,書き下ろしを加えた増補改訂版。こういうのを載せてるUPって,すごいなぁ。




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