(原題:Everything Everywhere All at Once)(アメリカ,2022)
コインランドリー店の平凡な妻エヴリン。ちょっとボケかかった父親ゴンゴン,優しいだけで頼りない夫ウェイモンド,多感な年ごろで反抗的な娘ジョイといった家族とともに,店の経営と納税にあえぎながら汲々と暮らしている。そんなとき,別の並行世界(アルファ・バース)から跳んできて夫に乗り移った”アルファ・ウェイモンド”が,エヴリンに,すべての並行世界に危機が迫っている,その危機を救うのは君だ!!と強引に導こうとする。さっぱり意味が分からないエブリン,さあ,どうする?どうなる?
ってな話で,下ネタも含めたギャグ満載で,人生のあらゆる可能世界(分岐する無数の並行世界)を跳び回りながら,母親と娘の葛藤をテーマに,たぶん時間的にはたったの1日半ぐらいの間に繰り広げられる,壮大な宇宙的戦いを描いた冒険SFカンフー活劇。
母娘の葛藤と夫婦愛・家族愛がテーマですが,まぁ,それはそれとして,いろいろと分かりやすいオマージュ満載で,下ネタが露骨で下品で,ギャグもバカバカしいところはいかにもアメリカB級映画っぽさを出しながら,しかし一方で,映像的には綺麗で,カンフーアクションもキレがあって上質です。そういうギャップもあえてメタに狙っていて,単なる低予算B級おバカ映画ではない,面白い映画でした。が,葛藤と愛のテーマについては,あんまり感動しなかったなぁ。ミッシェル・ヨー主演。
★★★
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