(原題:Candyman)(アメリカ,2021)
製作・脚本はジョーダン・ピール他。
★★★
(原題:Brightburn)(アメリカ,2019)
うひょ~。恐ろしいや~。まさに宇宙から降ってきた恐怖の大王。スーパーマンのブラックパロディホラー。そうだよね,そうなるよね,普通,少年がそんな特別な力を持ってたら,そうなってもおかしくないよね~。
<もしもクラーク少年がサイコパスだったら・・・>。本作の主人公の少年ブランドンは,一見おとなしく知的な少年だが,逆に言えば,感情の発露が薄い。共感性が低く,欲望に対して衝動的で,規範や善悪が分からない。サイコパスである。鬼に金棒を与えてしまいました。
最後に流れるビリー・アイリッシュの「バッド・ガイ」が妙に切なくて怖い。90分間,口をあんぐり開けっ放しで見入ってしまった。残酷大魔王降臨。暗黒超人爆誕。
しかし,副題の『恐怖の拡散者』ってのはイマイチだよなぁ,何だよ「拡散者」って(笑)。別に何にも拡散してないし。主題の『ブライトバーン』は舞台となる街の名前だから,これだけじゃよく分からないので,邦題に副題が付いていて良いんだけど,どうせ副題付けるなら,なんかもっと良いのはなかったのかね。ノストラダムスの予言にちなんでシンプルに「恐怖の大王」じゃダメかね?実際,空から降ってくるわけだし。『ブライトバーン/恐怖の大王』。
★★★★
(原題:Messiah of Evil)(アメリカ,1973)
ロメロの『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』は1968年で,『ゾンビ』(Dawn of the Drad)は1978年。
赤い月が昇るとき,その街の住人は目から血を流し,ゾンビと化す。って話だけど,全体にのったりまったりしてて,全然怖くない。
★
尾久守侑 2022 金原出版
面白かった。尾久氏自身を含む一群の「偽物クラスタ」(造語)に含まれる人々についての考察。尾久氏の論は,前にも書いたけど,自己(の考察)に対して常に(強迫的に)客観性を保ち続けようとするところが,(自己演出的であれ)滑稽でありまた(自己演出的であるがゆえに)知的であり,面白いです。