7月27日(土)に東京武道館で開催された東京都杖道大会で「二段の部」に出場し,準優勝しました!
杖道の試合は,「仕杖」と「打太刀」の二人で行う形(かた)を演武して優劣を競い合います。優劣は主審1名と副審2名が判定します。
武道は,稽古が主で試合は副だと,拙著で何度も繰り返し訴えている通りです。ですから試合はあくまで普段の稽古の成果を披露する場であり,勝ち負けは重要ではありません。一つの区切りであり,稽古の成果を高段者(主に七段・八段の先生)である審判のお三方に見てもらい,対戦している相手とどちらがよく稽古できているかを判定してもらう場と言えるかと思います。
ですから,試合における勝敗は極めて相対的なものであり,絶対的なモノサシではありません。自分たちより稽古している組と当たれば負けるし,そうでなければ勝ちます。これはスポーツと同じですね。だから,よくよく考えてみても,武道にとって,勝敗はやっぱり本質的には重要ではありません。武道は,術を習い,身体を練る,そこに喜びを見出すマインドフルな営みです。ですから,勝敗を競う試合はあくまで副,稽古の一部です。
ただ,それでも単純に,勝てば嬉しく,負ければ悔しい。人間は,同種他個体の他者から高評価を得たいという珍しい種です。特に銭金のような報酬ではない他者からのそうした評価は,その営みへの動機づけを内発的に高める誘因になりえます。この辺りは,最近出しました拙著『武道家の稽古・鍛錬の心理学』(BABジャパン)に書きましたのでご参照ください。
いずれにしても,武道は普段の稽古が主ですから,これを機に,また稽古がより一層楽しくなりそうです。決して試合のために稽古をするのではありません。そこのところを履き違えると,武道は即座にスポーツになってしまって,武道稽古の面白味(味わい)が半減してしまいますから。
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