小松正 2019 フォレスト出版
進化論的なアプローチについて紹介している本。特に何か一貫した著者の主張のようなものがあるのではなくて,行動,宗教,経済,医学,教育などの分野で進化論的な観点が取り入れられています,ということを順番に紹介している本です。ときに,ほとんど他書の紹介(ブックガイド?)のような章もあります。
タイトルが「社会はヒトの感情で進化する」とありますが,「感情」の話はほとんど全く出てきませんし,「感情で進化する」ところも伝わってきません。副題に「人間行動進化学」と「行動デザイン」とありますが,これも一部のことであって全体を表すものではありません。タイトルは,本の内容を的確に表現する顔だを思うので,本書のタイトルと内容の解離はちょっと問題があるなぁ。全く関係ないわけじゃないけど,的確に捉えているとは思えない。あと,相関係数の解釈の仕方が間違ってます。相関係数は説明率ではありません。
進化論的なアプローチがどういう分野でどういう風に用いられているかをざっと知るには良いと思います。紹介している他書は比較的新しいですが,内容的にはそんなに目新しいことは書いていません。
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