2020年10月31日

映画評論・入門!:観る,読む,書く

 モルモット吉田 2017 洋泉社

映画評論とは何か,ということを考えるために,映画評論の略史や定義を検討してみたり,戦後の映画評論を振り返ってみたり,映画評論にまつわる論争を紹介したりしながら検証している本です。ただの観賞記録や感想ではなく,評論とするにはどうすれば(どうなっていれば)良いか,ということを,理論的にというよりは実際例を踏まえながら考えていく,そういう構成になっているので,理屈っぽくなくてとても読みやすい。

専門用語なんかが並んでいて,部外者・門外漢・一見さんはお断り,的なオーラを出す本がときどきありますが(専門書に多いね),この本は,読んでみて「映画評論は難しいなぁ」とは絶対に思わないどころか,むしろ「映画評論をしてみよう」と思える良書です。

僕がときどき書いてる映画評は,ほぼほぼ感想に近い他愛のないものですが,本書を読めば,感想だって深めれば評論になる,というようなことも書いてあって,まぁそういう意味では難しく考えず,備忘録がてら自分で楽しく映画評を続けようと思ってます。でも,どうやったら感想が評論になると言えるかも,この本を読めば分かりますから,これからはその辺もちょっとだけ意識しながら,映画評を書いていこうと思いました。


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