(原題:10 Cloverfield Lane)(アメリカ,2016)
2008年に『クローバーフィールド』という映画がありました。これは,エイリアン・パニック映画ですが,いわゆるモキュメンタリー映画でして,斬新で面白かった。今回のこの『10 クローバーフィールド・レーン』はその続編・・・なのかと思いきや,別の映画です。実際のところ,「全く」別の映画ではないのですが,99%別の映画です。どちらも,『スター・ウォーズ』新三部作エピソードⅦとⅨを監督したJ・J・エイブラムスが製作。
運転中,追突されて事故を起こしたミシェルは,気がつくとそこは地下の部屋。足を骨折しているようで,しかも錠でつながれている。これは明らかにおかしな状況であり,誘拐されたと焦っているところに,太った壮年の髭男が現れる。男は,ここは自分の農場にある地下シェルターだ,外に生存者はいない,おとなしくしろ,生きていただけ感謝しろ,俺の言うことを聞け,とミシェルに迫る。
普通,この状況なら誰でもパニックになります。頭のおかしな男に誘拐されたと思うのは当然です。ちなみに,もう一人,この地下シェルターに逃げ込んできた男がいます。一体,外では何が起こっているのか。それは本当なのか嘘なのか,この先どうなるのか,という具合に謎だらけなわけですが,話はここから二転三転します。
個人的には,実は,『クローバーフィールド』の続編だと思って昔,ちょっと冒頭だけ見たのですが,全然違う話なので「何じゃこりゃ!?エイリアン・パニック映画じゃなくて,誘拐・監禁映画なの?」と思って,すぐに観るのを止めてしまったのです。今回,たまたま,また観る機会があって,さて,ちゃんと観てみようかと思って観直してみた,というわけです。
そうやって改めて観直してみると,これはこれでなるほど,面白い設定だと思いました。でも何だろう,けっこう面白い設定なのに,その面白さが爆発するかしないかのところで中途半端にしぼんでしまうような感じがあります。なんかもっとあれこれ,小さなエピソードを盛り込んで,地下シェルターの謎を,つまり,どこまで本当なのか嘘なのか,どんどん分からなくしていけばいいのに。また,最後はバッドエンドにしても良かったと思います。タイトルは一応,最後に分かります。
しかし,出演している役者はたった3人(+途中でちょっとだけ1人),ほぼ全編通して地下シェルターのセット撮影のみでこれだけの映画を作ってしまうんだから,それはすごいと思いました。
★★
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