ジル・ヴェルヴィッシュ(著)永田千奈(訳) 2019 かんき出版
別に『スカイウォーカーの夜明け』を観たから読んだわけではなく,読むために積んである本の順番がたまたまこれでした。
スター・ウォーズⅠ~Ⅵを題材に(なので,Ⅶ~Ⅸは出てきませんから,Ⅶ~Ⅸのネタバレは心配無用),哲学の古典的な問題から,政治的あるいは社会的な問題まで,主には倫理的な観点から扱っています。
著者はフランスの高校の哲学の先生。普段,スター・ウォーズをネタに授業してると想像すると,さぞ人気の面白い授業してるんだろうなぁと思います。フランスの高校生がうらやましい。きっと日本にも似たような先生がいると思うけど,高校で倫理って,受験科目としてメインじゃないから,あんまりいなさそう。うちの高校(愛知県立旭丘高校)は,今から30年前ですが,あったかなぁ。たしか記憶では政経って授業があって,その先生が破格で面白かったけど(3年生のとき,毎週の授業で,教科書なんて読まずに,リアルでディープな政治問題を生討論してた気がします),倫理の授業って,選択肢になかったような気がします。
ただ,各問題はそんなに掘り下げられることなく,サラッと表面をなぞる程度で,読んでいて深まることはありません。こういう議論もあるし,こういう意見もあるよね,っていう賛否両論・総論各論まぜこぜに並んでいる感じです。なので,スター・ウォーズを題材にして,世の中の倫理的な問題に触れる,そういう糸口にはなると思いました。だから,大学1年生の教養科目か,高校の授業として,ベストな内容だと思います。
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