(原題:Thelma)(ノルウェー/フランス/デンマーク/スウェーデン,2017)
田舎を出て都会の大学に来たテルマは,入学早々,図書館で癲癇様の発作を起こす。かたや,プールで会ったアンニャに少しずつ惹かれていく。厳格なキリスト教の家庭に育ったテルマは,奔放なアンニャに惹かれるが,お酒やタバコを飲んでしまったり,アンニャとの同性愛に悩む。
とこう書けば,思春期の女子の悩ましきキャンパス生活を淡々と綴ったような,北欧の青春映画のように聞こえますが,そう一筋縄ではいかないのがこの映画。まずその癲癇様の発作はいろいろと検査した結果,心因性のもので(いわゆる「ヒステリー発作」であることが示唆されます),そこから(現実的にはありえませんが,しかし,昔は信じられていた)超自然的な力との関連が暗示されます。そう,これ,あえて分類すればファンタジー・ホラー映画でしょうか。
映画は,仲の良さそうな父娘・・・なのに,父親がその幼い娘を猟銃で後から撃とうとする(が撃てない)場面で始まりますから,いきなり不穏なスタートで,一体これどういう映画なんだ!?と目が離せません。掴みは完璧です。
恋人,葛藤,家族,自立・・・込められたテーマは王道といえば王道です。個人的には,大学で教えている私としては,こういう大学生が主人公でキャンパスが舞台の映画は好きです。
★★
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