(原題:Star Wars: The Rise of Skywalker)(アメリカ,2019)
完結編。皇帝パルパティーンはやっぱり生きてました。映像や展開は面白いし,よくできているけれど,なんだろう,この「もう一歩」感。たぶん,期待が大きいからだと思います。Ⅳ~ⅥとⅠ~Ⅲが良すぎたのかもしれません。
Ⅳ~Ⅵは,ベイダー卿の黒いマスクとヘルメットと呼吸音がいきなり異様だし,皇帝パルパティーンの見た目も恐すぎるだし,この人たちの残忍さと冷酷さは徹底しています。その恐怖の象徴であるベイダー卿が,なんであんなに恐ろしい人になっちゃったかを説いたⅠ~Ⅲが,面白くないわけがない。観客は知りたいから。
難しいのは,Ⅵでクライマックスを迎えているわけで,構造からするとここからもう一回持ち上げていくのは至難の業でしょう。走りきったと思ったマラソンが,あと20キロ残ってました,という展開なのだから,さてどうやって走る?
Ⅶ「フォースの覚醒」は,なつかしキャラ再登場映画という点で良かったし,Ⅷ「最後のジェダイ」もそこそこ面白いんだけど,結局,このⅦ~Ⅸの3部作は何がテーマで,Ⅰ~Ⅸを通して何が言いたかったのか(どういう位置づけなのか),そして最終的に着地点は何なのか(別にそんなのはない?),その辺りのピントがよく分からないⅦ~Ⅸだなぁと,思った次第です。SWファンの人からすれば,もっと色々言いたいことが,賛否両論含めてたくさんあるんだろうけれど。
物語の深みは,ストーリーはもちろんだけれど,それを支える世界観の広がりと深みだと思います。それは,サブキャラや建造物,道具,会話,衣服,食事,景色,武器,乗り物,動作など,いろいろ仕掛けられるはずです。今回も色々仕掛けているけど,なんだかどのポイントも小手先な感じがして「もう一歩」感が否めません。Ⅰ~Ⅵでやり尽くしてるから?いや,きっと,期待が大きいのでしょう。
でも,まぁそのうち,じわじわ来るのかもしれません。師から弟子へ,フォースを継ぐ物語として。完結編と言いながら,あと何年もしたら,続編が出るかもね。それはそれで期待して観てしまうと思いますが。
★★
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