(原題:The Devil below Shookum Hills)(アメリカ,2021)
地図から消えた炭鉱町。コンセプトは面白そうだったので観ましたが,全体にチープだったなぁ。キャラクター作り,伏線,つじつま,行動の理由,問題の背景,謎の解明,ロケ地,撮影セット,アクション,モンスターの造形など,な~んか全部ぬるくて浅くて中途半端。観なくて良いと思います。
★
(原題:The Devil below Shookum Hills)(アメリカ,2021)
地図から消えた炭鉱町。コンセプトは面白そうだったので観ましたが,全体にチープだったなぁ。キャラクター作り,伏線,つじつま,行動の理由,問題の背景,謎の解明,ロケ地,撮影セット,アクション,モンスターの造形など,な~んか全部ぬるくて浅くて中途半端。観なくて良いと思います。
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六反田豊(監修) 2021 河出書房新社
これは分かりやすかった。韓国・朝鮮の歴史を知りたくて買った一冊。
日本史だって正確にちゃんと分かってるわけじゃないけど,中学高校で習ったことをベースに,まぁ,だいたいの流れは分かってる(つもり)。最近は,NHK大河ドラマ『どうする家康』を観てから,戦国時代が面白くて,時代小説にはまってます。戦国時代とは違うけど,『極楽征夷大将軍』も面白くかつ勉強になりました。まさに「教養としての歴史小説」(今村翔吾)ですね~。最近の高校では「歴史総合」になって,日本も世界もひっくるめたグローバルな歴史理解にシフトしているようで,前に読んだ『教養のグローバル・ヒストリー:大人のための世界史入門』は非常に面白かった。
韓国の映画は面白いし,よくできているから,よく観るわけですが,このとき,テーマとして植民地支配だとか独立だとか民主化だとか南北分断だとかいったことがしばしば出てきます。通り一遍には理解しているつもりでも,分かっているようで分かっていないところもあり,では,もう少し広い(長い)視点で,近現代に至るまでの韓国・朝鮮の歴史を含めて,そもそも韓国・朝鮮ってどんな国なのかを改めて知りたいと思って,何冊か買いました。そのうちの一冊。
この本は,建国神話から現代まで,韓国・朝鮮の歴史を一冊で一挙に読めるのが,たいへん良かった。文章の平易で分かりやすい。しかし,膨大な情報の要点をこうしてコンパクトにまとめるのって,ホントすごいことだよなぁ。韓国・朝鮮史を知りたいと思ったらまず最初に読む一冊として,大正解でした。
(原題:The Thing from another world)(アメリカ,1951)
ジョン・キャンベルの短編小説『影が行く』の映画化。
北極基地の近くに墜落した飛行物体から,氷漬けになった物体を持ち帰るアメリカ隊。やがて氷が解け,その物体(the thing)が逃げ出し,ソリ用の犬や隊員の科学者を襲う。それは植物型宇宙人であり,種子はイヌやヒトの血液で増殖する。
形はほとんどフランケンシュタインで,服も来てます。今観ると,まぁ,あんまり怖くはない。それから,1950年代の白黒映画は,始終セリフで埋まっている。情緒も間もあったもんじゃない。全員がものすごいマシンガントークで,間断なく誰かが必ず何かを早口でしゃべってる。観客を飽きさせないための演劇的な工夫なのかな。あるいは,もしかしたら,ラジオで流しても分かるように作ってるのかな。今度調べてみよう。
しかし,やっぱり,ジョン・カーペンター監督の『遊星からの物体X』(主演:カート・ラッセル)だよね~。幼体が動物や人間に寄生する宇宙生物。成長するまでの間は,その動物や人間を乗っ取って操るから,誰が寄生されているのか分からない疑心暗鬼。変形され破壊される人体のスプラッタ・ホラー,宇宙生物のキモさ,そして,誰が敵なのか分からないサスペンス・スリラー,通信不能の北極基地という閉鎖性が,映画の味わいを極上にしています。
★★
(原題:Dark Skies)(アメリカ,2013)
怖え~。
ある一家を次々と襲う謎の怪奇現象。荒らされる家。謎のオブジェ。消失する写真。動物の異常行動。アレルギー。記憶喪失。失神。身体に残る痣。幾何学模様の火傷跡。謎の人影。物理的には理解も説明もできない。近隣は父親を変人扱い,病院は両親のDVを疑う。家族はどんどん追い込まれていく。その理由は・・・。
★★★
(原題:The Menu)(アメリカ,2022)
いやぁ,変な映画を観てしまった。
孤島にある超高級レストラン。映画俳優と愛人,有名料理評論家と編集者,成金マフィアの幹部たち,金持ち老夫婦,そしてグルメ気取りのウンチク男に誘われてついてきた,すれっからしな女マーゴ。レストランに到着すると,一糸乱れぬ調理人たちを統率する料理長スローヴィクが,謎の料理の長講釈をしながら一品ずつ振る舞い始める。
ホラー映画です。怖いです。皮肉たっぷりのサスペンス・コメディ・ホラーです。
ちなみに,変な映画でパッとすぐ思い出すのは『ロブスター』(2015)ですが,あれも皮肉たっぷりのサスペンス・コメディ・ホラー映画ですね。あれほど変ではなかったけど,この『ザ・メニュー』も良かった。
★★★
(原題:The Happning)(アメリカ,2008)
おお,怖い。これは怖い。
ある朝突然,自殺者が急増。ニューヨークのセントラルパークで人々が次々に自らの命を絶ち始めた。やがてその異変は周辺へと広がっていく。
原因は不明。神経毒を使った化学テロか,原子力発電所の物質が漏れたか,はたまた政府の陰謀か。高校教師のエリオットは,恋人のアルマと,友人のジュリアンとその娘ジェスとともに,フィラデルフィアへと向かう列車に乗るが,途中の田舎駅で止まってしまう。ジュリアンはプリンストンに残した妻を探しに,ジェスをエリオットとアルマに託して行ってしまう。エリオットとアルマとジェスは,親切な夫婦とともに車に乗って逃げることに。
エリオットは,様々な状況から分析するに,おそらく原因は植物ではないか,植物が発する何らかの化学物質が原因で神経がやられて異常行動を始めるのではないか,という説に落ち着く。しかもそれは,人が多く集まるところで反応するようである。とにかく,人のいないところ,いないところへ逃げるべし。だがしかし・・・
脚本・監督は,M・ナイト・シャマラン。この人は,奇想天外な映画作るよね。『ノック 終末の訪問者』(2023),『ヴィジット』(2015),『シックス・センス』(1999)。
★★★
(原題:Apples)(ギリシャ/ポーランド/スロベニア,2020)
なるほど,そういうことね。
ここ最近,突然記憶を失い,救急車で運ばれる患者が急増している。原因は不明。IDなどを携帯していたり,家族親族が捜索願を出していたりする場合は,やがて元の家に戻ることができるが,そうでない場合,「身元不明者」として入院生活を余儀なくされることになる。そこで政府は,「『新しい自分』プログラム」なる治療プログラムを目下,2つの病院に開設し,「身元不明者」に治療を試みることにした。
主人公の男は,バスに乗っているときに記憶を失って入院。「記憶喪失」の「身元不明」者ということで,アパートの一室を与えられ,この『新しい自分』プログラムを受けることに。このプログラムでは,定期的に送られてくるカセットテープに吹き込まれた医師からの指示(ミッション)に従って行動し,それをポラロイド写真に撮ってアルバムにしていく,という作業をひたすら行う。
男の好物は林檎。だから,邦題は「林檎とポラロイド」。
「ああ~なるほど,そういうことね」って具合にそれまでのシーンや展開がパッとひっくり返る(あるいは意味合いが変わる,意味が分かる)のがあると,とっても<映画らしい>と,個人的には思うわけだが,だからこれ,とっても映画らしい映画。全体のトーンも落ち着いていてセンスが良い。オススメ。
★★★★
(原題:The last journey / Last Journey of Paul W.R.)(フランス,2020)
フランスSF。近未来,資源が枯渇した地球に赤い月が接近し,人類はその月から「ルミナ」というエネルギーを得てしのいでいたが,やがてその月が軌道を変えて地球に向かってきた。赤い月を破壊できるのは人類でただ一人。なぜなら,その男は唯一,赤い月を覆う磁場の影響を受けないから。男の名はポール。しかし,ポールは破壊計画から抜け出して,追われる身に。
原題は,「最後の旅」か「ポールの最後の旅」。そっちの方が良いんじゃないかなぁ。「レッド・グラビティ」って,「赤い重力」って意味だけど,この話,「重力」関係ないんだよね(笑)。関係あるのは「磁場」。ポールは,訳あって,赤い月を壊したくなくて,それを証明するために,昔見た「イメージ」の森が現実に存在することを確かめようとする(自分は狂っていないことを証明するため)。って話なんだけど,ラストの意味も含めて,ところどころ意味がよく分からなかったぞ(笑)。まぁ,「イメージ」は予言(未来予知)ってことなんだろうけど,どういう理屈で雨?まさか,カルト映画と化すか!?
途中途中の追っかけっこや,一緒に逃げる少女も怪しい兄貴も良かったけど,ストーリーやシーンでなんで?どうして?どういう意味?ってのが結構あって,よく分からん,というのが観てすぐの感想。ただ,反すうしてると少しずつ分かるところもあるから,それなりに良い映画なのだと思う。「ルミナ」開発と赤い月破壊計画のボスは,ポールの父親で,ジャン・レノでした。ここでもやっぱり丸メガネ。
★★★
(原題:Soft & Quiet)(アメリカ,2022)
ああ,胸糞悪い映画を観てしまった~。途中,何度も観るのを止めようと思ったけど,結局,どうなるかを観たくて観てしまった~。あああ,気分が悪い。全然救われない。観るんじゃなかったかもしれない。
90分,全編ワンカット。分断・格差・差別という現代のアメリカ社会の現実を描いているという意味で意義深い映画だと思うけど,吐き気がするほどものすごく気分が悪いので,閲覧注意。そのくらい,よくできてると言えばよくできてる。リアリティと緊張感がえげつないほど出てるのは,ワンカット撮影の効果だね。
映画としては星3つでも良いと思うんだけど,えげつな過ぎて二度と観たくないから星2つ。でも,まぁ,世に出していくべきだよね,こういう映画。
★★
ジョージ・オーウェル(文)ベルナルディ・オディール(編・絵)田内志文(訳) 2024 いそっぷ社
『動物農場』そのものは読んだことがなく,しかし,『1984』と同様に有名な作品なので,漫画ならすぐ読めそうだと思って読みました。『1984』は映画になってるので,こちらは映画で観ましたし,このシリーズの漫画も読みました。この『動物農場』の方は,1954年にアニメで映画化されてるようです。
梨・株式会社闇 2023 太田出版
『行方不明展』の前の展覧会を書籍化したもの。「怪文書」というから,何かしら政敵を貶めたり,特定人物を誹謗中傷したりするような文書で,関係者に出回ったもの,だと思ったら,ほぼすべて,個人宅や町中の張り紙やネット掲示板などで表明された,(おそらく)統合失調症の人の妄想に基づく訴え(例えば,監視されている,嫌がらせを受けているなど)や,同じ考えや悩みを持つ人を募る文章でした。これは,「怪文書」というより,「了解が困難な内容の文書」ということですね。
なお,これも『行方不明展』と同様にすべてフィクションだそうです。そういう意味では,非常によくできていると思いました。