(原題:Apples)(ギリシャ/ポーランド/スロベニア,2020)
なるほど,そういうことね。
ここ最近,突然記憶を失い,救急車で運ばれる患者が急増している。原因は不明。IDなどを携帯していたり,家族親族が捜索願を出していたりする場合は,やがて元の家に戻ることができるが,そうでない場合,「身元不明者」として入院生活を余儀なくされることになる。そこで政府は,「『新しい自分』プログラム」なる治療プログラムを目下,2つの病院に開設し,「身元不明者」に治療を試みることにした。
主人公の男は,バスに乗っているときに記憶を失って入院。「記憶喪失」の「身元不明」者ということで,アパートの一室を与えられ,この『新しい自分』プログラムを受けることに。このプログラムでは,定期的に送られてくるカセットテープに吹き込まれた医師からの指示(ミッション)に従って行動し,それをポラロイド写真に撮ってアルバムにしていく,という作業をひたすら行う。
男の好物は林檎。だから,邦題は「林檎とポラロイド」。
「ああ~なるほど,そういうことね」って具合にそれまでのシーンや展開がパッとひっくり返る(あるいは意味合いが変わる,意味が分かる)のがあると,とっても<映画らしい>と,個人的には思うわけだが,だからこれ,とっても映画らしい映画。全体のトーンも落ち着いていてセンスが良い。オススメ。
★★★★
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