2025年2月1日

その怪文書を読みましたか

梨・株式会社闇 2023 太田出版

『行方不明展』の前の展覧会を書籍化したもの。「怪文書」というから,何かしら政敵を貶めたり,特定人物を誹謗中傷したりするような文書で,関係者に出回ったもの,だと思ったら,ほぼすべて,個人宅や町中の張り紙やネット掲示板などで表明された,(おそらく)統合失調症の人の妄想に基づく訴え(例えば,監視されている,嫌がらせを受けているなど)や,同じ考えや悩みを持つ人を募る文章でした。これは,「怪文書」というより,「了解が困難な内容の文書」ということですね。

なお,これも『行方不明展』と同様にすべてフィクションだそうです。そういう意味では,非常によくできていると思いました。


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