2025年2月15日

遊星よりの物体X

(原題:The Thing from another world)(アメリカ,1951)

ジョン・キャンベルの短編小説『影が行く』の映画化。

北極基地の近くに墜落した飛行物体から,氷漬けになった物体を持ち帰るアメリカ隊。やがて氷が解け,その物体(the thing)が逃げ出し,ソリ用の犬や隊員の科学者を襲う。それは植物型宇宙人であり,種子はイヌやヒトの血液で増殖する。

形はほとんどフランケンシュタインで,服も来てます。今観ると,まぁ,あんまり怖くはない。それから,1950年代の白黒映画は,始終セリフで埋まっている。情緒も間もあったもんじゃない。全員がものすごいマシンガントークで,間断なく誰かが必ず何かを早口でしゃべってる。観客を飽きさせないための演劇的な工夫なのかな。あるいは,もしかしたら,ラジオで流しても分かるように作ってるのかな。今度調べてみよう。

しかし,やっぱり,ジョン・カーペンター監督の『遊星からの物体X』(主演:カート・ラッセル)だよね~。幼体が動物や人間に寄生する宇宙生物。成長するまでの間は,その動物や人間を乗っ取って操るから,誰が寄生されているのか分からない疑心暗鬼。変形され破壊される人体のスプラッタ・ホラー,宇宙生物のキモさ,そして,誰が敵なのか分からないサスペンス・スリラー,通信不能の北極基地という閉鎖性が,映画の味わいを極上にしています。

★★


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