2015年12月25日

アイススケート

最寄りの駅前広場でやっている,特設のアイススケート場で,20~30年振りぐらいに,氷の上を滑りました。最初は足下が覚束なかったけれど,こういう運動記憶はけっこう身体が覚えているもので,次第に思い出し,徐々に馴染むのを感じました。30分で1000円。まぁ,30年振りだから30分がちょうどよい。

ただ,しかし,30年前のようにはいきません。なにせ30年前は中学生ですから,今と体格がまるで違います。骨や筋肉も。自己意識は同一性を保っていても,身体の組成はがらりと変わっています。とにかく,はりきりすぎて怪我をしないよう,慎重に滑りました。

そうして慎重にスケートシューズ(足)が氷に接するところを感じながら,身体のバランスを調整して滑るというのは,普段使わない筋肉やバランス感を味わうことができ,良かったです。

術は,ひたすら同じ動きを繰り返しその動きを身体に馴染ませていきます。やがてその動きそのものになります。それでもひたすらその動きを繰り返していきます。その中で,味わいの違いを感じます。それはそれで術が道となっていく方向なのですが,こうして,あるときまったく異なる動きをするのもまた,身体を感じる良い機会になります。

2015年12月18日

ストレッチングの効果

最近,授業で身体技法をやっているときに,最初にゆっくり時間をかけてストレッチングをしています。すると,その後の技法で,身体が安定していて,感じやすい,という感想をいくつかもらいました。

ストレッチングをするときに,意識をそのストレッチングしている箇所に持っていくと,ストレッチングの効果が高くなる。伸ばしている箇所を意識するわけです。そうすると伸ばしたいところを正しく良く伸ばせるし,その結果,筋肉がよりほぐれ,柔らかくなり,血行もますます良くなる。

こうして,いろんな身体技法をやる前に,伸ばしているところを意識しながらストレッチングをしているわけですが,これを僕は勝手に,マインドフル・ストレッチング,と呼んでいます。マインドフルにストレッチングすることで,身体への意識はより高まるし,結果,ストレッチングそのものの効果も高まる。一石二鳥。

さてそうしてストレッチングした後は,例えば,無極で立つ法だとか,開合だとか,太極気功なんかをしても,身体が安定して,柔らかく動くことができ,結果,じっくりと身体を感じやすくなるようです。結果,坐禅(静坐瞑想)のときも呼吸や身体を感じやすくなる。素晴らしい。ストレッチング万歳。

実際,チベット体操というのがありますが,あれは瞑想する前の体操だそうで,ヨーガのようなストレッチングのような体操ですが,やはり,瞑想する前には身体をほぐす準備体操をしっかり丁寧にしておくのが,良いのでしょう。

2015年12月1日

アートマイムの世界

昨晩,JIDAIさんの公演である「マイミクロスコープ:夜のアートマイム劇場」(第九夜)を,観てきました。

夜9時から(普段9時就寝の僕にとっては深夜!笑),両国シアターXにて,1時間の短い公演。中身は三部構成になっていて,第一部が,JIDAIさんのアートマイム塾の公開レッスン,第二部がJIDAIさんのソロ作品上演,そして第三部がアフターミーティングと称してJIDAIさんとのディスカッションタイムでした。

いろいろ感じるところ思うところあり,全部は書き切れませんが,身体や心を練る,あるいは武術を通して瞑想する,という僕の立場・観点からすると,アートマイムも,まずは技法・技術の習得から始まり,それをやがて解放していって自己表現につなげていく,そういうプロセスなのだということを,そしてそれはあらゆるアートのプロセスなのだということを,改めて実感しました。

それは,松村憲さんのクリパルヨガの話ともつながるし,僕のタイチーの師の師で,先日無くなったT.Y.Pang先生の話ともつながる。

技法は技法で,最初は,師の模倣から始まって,学びます。それは形式であり,形(型)です。芸道・武道(よく「芸道・武道」と言いますが,「道」というと別の意味になるので,ここでは「芸術・武術」が適当かもしれません)は,まずは形式を我が身とするところまで一体化させていきます。そうして徹底的に馴染んだところで,そこから今度は離れていきます。いわゆる「守・破・離」というやつです。

ちょうど,第一部のアートマイム塾の塾生さん達は今「守」のところにあり,一方,第二部のJIDAIさんの作品はアートにおける「離」の部分を見せていただいた,ということになるかと思います。第三部のアフターミーティングでは,他のフロアのみなさん遠慮されて誰も質問されなかったので,図々しくも僕が質問させていただきました。それは,「アートマイム塾でやっていることと作品でやっていることとに隔たりがあるけれども,そこはどうつながっているのか」というものでした。

そこで僕が尋ねたかったことは言うなれば「破」の部分であり,それは守と離との間をつなぐところであり,ただ,「破」そのものが何かというよりは,守・破・離というアートの流れというか段階というか結びつきというかプロセスを,JIDAIさんは,あるいは,アートマイムの世界はどう捉えているのか,という意味でした。いや,実際その場で質問したときはそこまで深く考えていなかったのですが,要するにそういうことを聞きたかったのだなと,一夜明けて,自覚したということです。

会場にお一人,月刊『秘伝』11月号に載った,JIDAIさんと僕との対談記事を読んで,見に来てくれたという方もいて,そういう意味で,その『秘伝』にも書きましたが,武術をはじめ広く身体をやっている人は,JIDAIさんのアートマイム作品(公演)を生で観てみると良いですし,ボディワークの様々なワークショップも開いておられるので,そこに参加してみるのも良いと思いました。

http://jidai9.wix.com/jidai

2015年11月28日

膝痛と坐式瞑想

このところ,坐って(半跏趺坐で),開合で呼吸を合わせたり,太極拳の起勢をしたり,あるいは,開手ナイファンチをしたりしています。

瞑想(あるいは気功)の本質は,呼吸(Breath)と身体運動(Body)と意識(Mind)を一つにしていく作業ですから,こうして安定して坐った状態でシンプルに練ることは,むしろ,本質に見合っている気がしてきました。そして,突き詰めていくと,さらに動きも減らしていって無くしていって,最後には,坐禅になりますね。

もちろん,全身で動くことの良さもありますから,どちらが良いとは言えません。

ただ,こうして1ヶ月ほど坐ってやるようにしていたら,慢性的な膝の痛みは,徐々に和らいできました。膝痛は,膝を曲げてゆっくりと体重移動することが原因であろうと思われます。太極拳や八段錦を練る際,いろいろと試行錯誤をしましたが,姿勢か向きか運動のどこかに気がつかない負担が掛かっているのだと思います。そもそも,慢性的に痛めてしまっているので,何をしても痛いのかもしれません。単に站椿をするだけで(膝を腰を緩めて少しの間じっとしているだけで),やがてミシミシとなり,ピリピリと電気が走るような痛みが感じられるほどです。

このせいもあって,最近はめっきり,坐って練っています。

これまで長くサンチンやナイファンチをしてきましたが,それでこういう痛みになったことはありませんでした。だから,太極拳のあの,膝を曲げてじんわり動く動作が(おそらくやり方がどこか間違っているか,気がつかない動作的な癖のせいで),長い年月重なって,慢性的な膝痛となって出てきた,ということだろうと思います。

以前,太極拳の師であるスティーブが足(つま先)を怪我したとき,怪我したことを悔やむのではなくて,「これは,何かを知る(考える)ためのチャンスだ」(なぜ足を怪我したのかを考えれば,それは自分の身体や心を知る上でのヒントになる)と,明るく笑いながら言っていたのを覚えています。

自分の膝痛も,いろいろなことを学んだり工夫したり考えたりするためのきっかけになっています。

2015年11月13日

ストレッチング

日本ストレッチング協会というところに入会し,その講習会を受けてきました。

http://j-stretching.com/

セルフストレッチングに関する講習会で,講習会後,ストレッチングトレーナーセルフ(CSTS)という資格の検定試験も受けてきました。

これまで自己流の柔軟体操をしたりストレッチングをしてきた中で,たまには専門の本だとか雑誌特集などもチラッと参考にはしてきましたが,文章と写真だけでは実際良く分からないもので,やっぱり,ちゃんと正式に教わると,きちんと伸びるし気持ちいいです。

身体技法は,どんなものでも,誰か人にちゃんと教わらないと,ダメですね。

この講習会・検定会は,自分のためのストレッチング講習会,ではなくて,一人で行うストレッチングを指導するための講習会・検定会です。まぁしかし,そもそも他人に指導する上で自分が正しくストレッチングできないと話にならないわけで(笑),その意味ではまず,自分のためのストレッチングではあります。

そもそもストレッチングとはどういうことかから,筋肉のこととか関節のこととか,代償動作だとかリスクだとか,いろいろと発見があり,刺激になりました。

ストレッチングは,もちろんケガの防止やリラクセーションなどのためのエクササイズですが,本質的には,身体を感じるエクササイズとしても,優れていると思います。

2015年11月2日

その場で立って太極拳

坐式太極拳も良いですが,その場で肩幅に並行に足を置いたまま,体重移動なども入れながら上半身で練る太極拳も,良いかもしれません。

利点としては,第一に場所を取りませんね。得てして太極拳は套路の移動距離が長くて,気持ちよく途切れずに練るためには結構広い(長い)場所が必要です。そのために僕は,楊家の八式と言われる左右対称の短い套路で太極拳を練っています。これをさらにその場で移動せずに練ると,場所はまったく取りません。

もう一つに,じっくりとそこに立つので,足の裏で大地につながる感覚がより得られる感じがします。もちろん,太極拳そのものがじっくり大地につながる練功なのですが,その場にそのまま足をつなげながら体重移動をじっくり味わうと,よりつながる感じがする,ということです。

こうすると,少し空手に感覚が似てきます。空手と太極拳(楊式)の違いは,空手は比較的両足を同時に地につけている時間が長いのに対して,太極拳は同時に両方足をつけるときがあまりありません(常にどちらかに体重が乗っているか,一方の足は地面から離れている,つまり陰陽になっています)。

足の具合としては,起勢(起式)のままで練る,ということです。

そもそもこうしてみようと思ったのは,相変わらず膝の痛みが引かないせいであり,もちろん,坐式でやればそもそも足を使わないので痛まないのですが,どうにか,立った形でやりたいと思い,こういうやり方でやってみています。

これを命名すれば,Grounded (Grounding) Tai Chiでしょうか。

2015年10月22日

武術とマインドフルネス訓練

昨日,改めて,心身技法研究会で思ったことがあります。

研究会の目的はマインドフルネスを練ることであって,それに武術を用いています。マインドフルネスを一緒に練ることが目的なわけで,それには別に,武術である必要はありません。マインドフルネスは,ヨーガでも坐禅でも,茶道でも華道でも書道でも,ジョギングでもジムのバイクでも,練ることができます。

ではなぜ武術なのか。

答えはたぶん,「単なる好み」です。武術でなければならない必然性や理由は,突き詰めれば,特にはありません。武術が好きか嫌いか,武術でアプローチすることが楽しいか楽しくないか,です。

昨日参加してくれた学生の一部は,筑波大学人間学群の「人間フィールドワーク」という科目の一環で,来てくれている人たちです。正直,その人たちがみな,武術を好んでいるのかというと,かなり微妙です。

そうなると,武術的な解説をどれだけするか,マニアックな武術的指導をどれだけ入れるか,難しいと思ったわけです。昨日はたまたま,上記学生以外に,競技空手(スポーツ空手)をしている空手家の人が二人いたので,つい武術的な解説に熱が入ってしまったのですが,しかし,そうなると,一般学生・院生はたぶん,マニアック過ぎて意味不明だし,そもそも興味も関心もないことを聞かされてうんざりだろうなぁと,思ったわけです。

しかし,武術的身体を追求することがすなわち身体の微細な感覚へ意識を向ける一つの手段なので,武術的解説を一切無くす,ということもまたできません。というか,それでは全く面白くありません。

ここのところは,非常に迷います。どういうバランスで,どういうウェイトで,解説・指導するのが良いのか,難しいなぁと,つくづく昨日,思いました。マインドフルネスを練る研究会ですが,実質的には太極拳中心の体操教室のようなものです,とは断っています。が,やっぱり武術への志向性には人それぞれ強弱があります。だから,難しいなぁと,思いました。

2015年10月21日

坐式太極拳

慢性的に膝が痛い理由がだんだん分かってきた。太極拳をするとき,立ち方と腰(股関節,臀部)の開き方が良くなくて,そのせいで膝が内側に折れてしまい,そのまま体重移動していたせいで,膝の内側に過重な負担がかかっていたためだろう。おそらく。

いずれにせよ,けっこう慢性化しているので,稽古で修正が効かず,しかし稽古はしたいので,足(膝)に負担をかけない方法で稽古できないかと考えていたら,先日,ふと思い立ちました。

坐って太極拳をすれば良いんじゃないか?

立式が主流の八段錦ですが,そういえばBobに習ったのは坐式八段錦なわけです。何も坐ってやっちゃダメ(意味がない),という決まりもない。

さてそう思って,坐って(坐禅をするときと同じように,座蒲の上に座って半跏趺坐で坐り),上半身だけで太極拳をやってみたところ,これがぼちぼち,なかなか,良い具合です。

もちろん,下半身が動かないので全身の連動性は感じにくいし,重力も感じにくい面はありますが,気が流れる感じは得られるし,呼吸との絡みも感じられるので,それなりに良いと思いました。

こうすれば,車椅子に乗っている足の不自由な方も,また,足腰に不安のあるお年寄りの方も椅子に座ったままで,できる。

見た目には,道家の人がやっている瞑想のようです。そもそも太極拳は武術ではあるけれども道家瞑想でもあるわけだから,当たり前と言えば当たり前。

膝の痛みが落ち着くまで,続けてみようと思います。

2015年10月6日

有酸素運動

ここ数年特に,摂取量に対して消費量が少ないためか,年相応に,徐々に腹回りが豊かになってきたので,糖質制限をしています。夕飯に炭水化物(糖質)を摂らない。

ただ,それだけではなかなかお腹周りの豊かなタイヤは減らないので,先週から,スポーツジムでバイクをやり始めました。先週は,どの程度やったら良いのか分からず,あまり有酸素運動になりませんでしたが,今週は,友人にやり方を聞いて,心拍数140で30分間,こぎました。

かなりきつかった。けれど,気持ちの良いきつさでした。

普段,空手やタイチーの稽古をしていても,ハアハアと息が切れるほど動くことはありません。だから有酸素運動にはなっていません。ほとんど脂肪燃焼はしないでしょう。だから,そういう類のスポーツをするか(例えばバスケットボールとかサッカーとかスカッシュとか),ランニングやエアロビクスやバイクのような有酸素運動そのものをするかしかないと思ったわけです。

バスケットボールも若い頃やっていたのでやってみたいととても思うのですが,チームというかサークルに入らないと当然できないわけで,それはそれで煩わしい。一人で外をランニングするとなると,ちゃんとしたランニングシューズが必要になる。となれば一人ですぐにできる運動ということで,選択肢はスポーツジム。エアロビクスは,あの運動そのものがあまり趣味に合わない。そもそも50分も60分もインストラクターの指示に従って続けなければならないのは苦痛です。(そうやって集団で一緒に運動すると,一人ではできないような量の運動を続けられる,という効果は分かりますが)

とにかく一人で自分のペースでやりたいので,そうなると,後は「バイク」ぐらいしかありません。

これが意外と面白い。

若い頃は,この単純な運動が苦痛でしたが,年を取ったせいもありますが,ひたすらこぎ続けるというのがとてもマインドフルネスだなと,感じたわけです。マインドフルにこぐと,もちろん運動的には苦しいけれど,全体的には楽しいし,気持ちが良い。まさに「バイク禅」。

当分の間,続けてみようと思います。あまり無理をせず,心拍数140で30分。

2015年10月2日

宣伝

ちょうど今,店頭に並んでいる月刊『秘伝』10月号にて,ヨギーであり臨床心理士の松村憲さんとの,マインドフルネスに関する対談記事が,巻頭カラーで載っています。マインドフルネスのことはもとより,当然マインドフルネスと武術に関する話もしていますので,興味のある方は是非どうぞ。スポーツ雑誌コーナーです。まだ並んでいるところもあると思いますので,お早めに。

それから,今月10月14日に発売される『秘伝』11月号では,パントマイミストであり日本アートマイム協会会長のJIDAIさんと,パントマイムに関する対談記事が載ります。もちろん,パントマイムと武術に関する話ですので,こちらも興味ある方は是非どうぞ。

それから,私の翻訳書である『水のごとくあれ!』も出ましたので,こちらも興味ある方は是非どうぞ。