2018年11月23日

新刊『”老子”の兵法』

12月に,私の新刊が出ます。12月13日に発売予定です。その前後には書店に並ぶと思います。スポーツ,武術・武道,東洋思想,自己啓発,ビジネス,その辺りの棚に置いていただけるのではないかと。

”老子”の兵法

アマゾンですでに予約受付中です。

「老子」(道徳経)は,どなたもすでにご存じかと思います。この「老子」の各章を読んで思ったことをブログ「Mindful Martial Arts: Zen and Tao」で綴ってきたわけですが,それを一冊の本にまとめました。

なので,「老子」の解説本ではなく,「老子」を読んで思った禅やマインドフルネスや武術や人間関係やライフスタイル(生き方)などを,想像力を膨らませて好き勝手に書いたものです。

各章ごとに1枚,イラストレーターの方に描いていただいたイラスト入りですので,非常に読みやすいです。世の中には,「老子」の現代語訳本や解説本は多数あります。本書は,現代語訳でも解説でもなくて,禅的武術的心理学的にタオを読んだらこういう風に読めますね,という本です。

武術を普段していなくても,「武術的」「武道的」というのはこういうことかというが分かるかと思いますし(ただし,私の「武術」「武道」解釈ですが),そういう武術・武道的な生き方を,生活に応用する,というのはアリかと思います。

「老子」の原本やその専門的な解説はちょっとハードルが高いと言う方や,現代語訳本はこれまでに結構読んだと言う方は,こういう変化球の「老子本」も是非良かったらどうぞ。

我々現代人は,古典から色々と学ぶわけですが,そういう学びの一つの例のようなものです。お読みいただいた読者の方が今度は,湯川はこう言ってるけど自分ならこう解釈する,こう読み取る,こう応用する,というのを想像力を膨らませて,それこそ従来の解説本や現代語訳本に縛られることなく自由にやっていただく,そういうきっかけになればと願っています。

もしよければ一冊,お手元に!

2018年10月29日

稔真門

私が所属する空手道場,「糸東流空手術稔真門」の柏道場(柏豊四季台道場,柏旭町道場)のサイトをリニューアルしました。

糸東流空手術稔真門 柏
https://jinshinmon-kashiwa.blogspot.com/

改めて我が稔真門を説明しますと,小林真一先生を代表(総師範)とする稔真門は,糸東流開祖・摩文仁賢和先生の創始した糸東流空手を継ぐ,二代目宗家・故摩文仁賢榮先生,三代目宗家・摩文仁賢雄先生,そして正修館初代館長・故西田稔先生の教えにこだわりこれを正しく練ることで,宗家糸東流を地道に研究・伝承しています。なお,小林先生の直接の師である故西田稔先生は,二代目宗家・賢榮先生の弟子でもあり,かつては,糸洲安恒先生の弟子である修道館・遠山寛賢先生と東恩納寛量先生の弟子である東恩流・許田重発先生の元でも修行をされました。

この宗家糸東流を練る我が稔真門の空手は,いわゆるオリンピック競技に採用される「スポーツ空手」とは異なり,組手や型の競技は一切行いません。

ただひたすら形(型)を練ることで,開祖・摩文仁賢和先生の空手的身体,さらにはそこに脈打つ沖縄の偉大な武人達の身体をじっくりゆっくり再体験し,いつの日か自らもそこに到達することを目指しています。

開祖・摩文仁賢和先生は,有名な次の歌を残しています。これこそ,武道家の至る究極の境地であり,まさしく禅の境地です。我が稔真門は,ひたすら形を練りながら,これを実践しています。

何事も 打ち忘れたり ひたすらに 武の島さして こぐが楽しき

このような開祖・摩文仁賢和先生の思いを今に伝える故・西田稔先生と小林真一先生の理念を私なりに解釈して書いたものが,拙著『空手と禅』です。「稔真門」の名は,故・西田稔先生と小林真一先生の名前をそれぞれ取って名づけられました。


柏(豊四季台,旭町)以外に,都内にも二箇所(赤羽,上野),道場を開いています。詳しくは下記,「稔真門」ウェブサイトを御覧ください。(私は主に,柏の豊四季台道場で稽古しています)

糸東流空手術稔真門
https://jinshinmon.blogspot.com/

競技(勝敗)にこだわるスポーツ空手はどうも性に合わない,糸東流宗家直系の沖縄伝統空手を自分のペースでじっくりゆっくり練りたい,と言う方は是非,稔真門へ!


2018年10月16日

骨盤の傾き

空手の稽古の際,以前は骨盤を後傾させることを心がけていましたが,最近,それはもしかしたらちょっと違っていたかもしれないと思って,再検討しています。

例えば,尾骨を巻き込む,臍を上に向けるなど,骨盤の位置あるいは動かし方に関する口伝はあります。これは,尻(の穴)を締める,内ももの締める,腹を充実させる,などのような口伝と,基本的には同じことを言っているものと解釈していました。

この解釈でもあながち間違っていないのは,特に那覇手(剛柔流)では,腰(背中の下部)がほぼ平らになるぐらい丸め込む,とされています。私の理解では,太極拳もそうしているように思います(ここのところの理解は微妙で,要検討です)。

しかし,首里手系統ではそういう風には特に言われていない(ように思います)。夢想会・新垣清師範によれば,武術的にはそこは「袴腰」であるとされています。広い意味で言えば,後傾ではなくむしろ前傾であり,逆です。

ただ,あえて無理に(大げさに)前傾することはないでしょう。となれば,間を取って,ちょうど真ん中,つまり,坐禅をするときの坐り方と同様,坐骨が地面と接する際に前にも後ろにも傾かず,ちょうど良いところで立ち,その上に腰椎・胸椎・頸椎が無理のないS字カーブを描いて乗るような感じが良いのではないかと,最近は思っています。その自然なS字カーブが「袴腰」であろうと思います。

この状態で,腹を充実させれば,尻(の穴周辺の筋肉群=骨盤底筋群)も締まります。師である小林先生も先日,骨盤の傾き(を気にする)よりもむしろ腹の充実(の方が大切)だろうと言っていました。

自然にすっと立っている状態から,膝を曲げればそのまま自然に沈み下がる感じです。

なぜまたこういう考えに至っているかと言うと(また変わるかもしれませんが),骨盤を無理に後傾させながら膝を曲げると,膝(の前)に余計な力がかかるような気がしたからです。骨盤を後傾させようとすると膝はむしろ伸びる方が,体感的には自然な気がします。つまり,膝は伸びようとするのにそれを曲げようとするから,膝に無理が来ているのかもしれない,ということです。それが膝痛の原因の一つかもしれないと思ったわけです。

痛い,ということは,どこか間違っているはずです。その間違いがどこかを探るのも,武術の楽しさの一つです。そうすれば,武術的な身体,空手的身体へとまた一歩近づけます。だから武術は深くて面白い。

2018年9月27日

映画

映画は,約2時間ぐらいのコンパクトな枠の中に,監督の思い描く物語と映像,思想やアイディア,皮肉や比喩などを込めるというところが良くて,映画通とまではいきませんが,映画愛好者です。

といってもなかなか時間がないので,仕事や家事のすき間を見つけて,CS放送の映画専門チャンネルで撮りだめした映画をときどき観ている程度です。あとはせいぜい飛行機に乗ったときぐらいでしょうか。なので,月刊『映画秘宝』誌を定期購読して,映画を観た気になっています。温泉誌を読んで温泉に行った気分になるのと近い。あるいは,吉田類の『酒場放浪記』を観て飲みに行った気になるのと近い(ちなみに,『酒場放浪記』のDVDも全巻所有)。

さて,そんな程度の,ちょっと映画好きなわけですが,『映画秘宝』誌やそれに類する映画解説本でときどき見かけていて,町山智浩氏がナビゲートする番組『町山智弘のVIDEO SHOP UFO』でも取り上げられて放送されたので,これは!と思って早速録画して観た映画があります。

泳ぐ人(原題:The Swimmer)(アメリカ,1968)

いや凄い。これは凄い映画です。凄いものを観てしまった。

というわけで,これからは映画を観たらメモしておこうと思って,ブログを立ち上げました。素人愛好家の映画鑑賞記録なんてあんまり興味関心ないかと思いますので,まぁ要するに公開備忘録です。

ブログ「映画と情」
https://movies-and-emotion.blogspot.com/

ちなみに,読書の備忘録もずっとブログにしています。こちらも何の参考にもならないかもしれないですが,良かったらどうぞ。

ブログ「本と知」
http://books-and-wisdom.blogspot.com/


2018年9月13日

求道者

「つくば心身技法研究会」という研究会を,毎週水曜日の夜に続けてきて,丸4年が経ちました。この9月から5年目に入っています。

そもそも最初なぜ立ち上げたかと思い返せば,ハワイから帰国して,一人でマインドフルネス瞑想を実践し続けても良かったのですが,いろいろとあれこれ試したり研究したりしながら実践する場があれば,自分も自ずと実践するし,参加される方も一緒に実践できるし,せっかくハワイでいろいろ教わってきたし,それを何かしらの形で還元しよう,と思ったためです。

なので,こちら(私)が一方的に教えるような形の「教室」や「クラス」や「瞑想会」ではなくて,あくまで「研究会」としました。まぁ,教えるほど自分も分かっていない,というのもありますし,とりあえず大学内での私的な会だから「研究会」と称しておく方が無難かなと思った節もあります。

しかし,そうは言っても,結果的には,主催して主導していくので,私が考えたやり方や試したいことをほぼ一方的にやっていることに変わりはありません。カルチャーセンターやフィットネスクラブのクラスと,見た目には同じです。となると,カルチャーセンターで私が開講している有料の「マインドフルネス教室」と,毎週水曜日にやっている無料の「心身技法研究会」は一体何がどう違うのだろうかと,ときどき思っていたりもしました。

そんな風に思っていたのですが,昨日,研究会の帰り際,ハタと気がつきました。

「心身技法研究会」に来られて,しかも,長く継続的に来られている方は,いずれも,自己への探究(探求)をされている方だと思ったわけです。まさに,私がこの研究会を立ち上げた意図に沿った形で,一緒に(私の考案したルーティンに従って)瞑想していますが,あくまで自己の問題として,自分自身の心身の研究をその場でされているわけです。つまり,一緒にやりながらも独立した研究者,ということです。

一方で,一回きりで来なくなったりする方も,この4年間で何十人と数え切れないほどいました。数回は来たけれどもその後来なくなった方もおられます。もちろん,通うのが難しい,時間的に都合が悪くなった,自分の考えや趣味趣向と合わない,そもそも湯川と合わない,などなどいろいろ理由はあろうかと思います。ですので,一概には言えませんが,長く続かない方は,自分自身で主体的に自己を探求する場としてではなく,カルチャーセンターやフィットネスクラブの「教室」や「クラス」のように,私が何かを与えてくれる,施してくれる場だと思って来られたのかもしれないなぁと思いました。

カルチャーセンターやフィットネスクラブは,有料ですから,お金を支払って,クラスを受講するわけです。となれば,その支払いに見合ったものをいただく,と考えるのは当然です。ですのでどうしても,与えてもらう,施してもらう(さて,このクラスではどんなものがもらえるのだろうか),という意識になりやすいですし,そもそも,そういう意識で意図的に受けておられる方もいると思います。それは間違いではありません。マッサージを受けるのと同じ感覚です。

加えて,その場合,どうしても即時的な効果効用を求める意識にもなりやすいかもしれません。お金を支払っているわけですから,その場で何らかの効果を実感したいとなります。それは極めて真っ当な感覚だと思います。スーパー銭湯と同じです。


ですが,マインドフルネス瞑想というのは,本質的には,そういうものではありません。


もちろん,私のカルチャーセンターでの教室に来られている方が全員そうだというわけではありません。自己探求の方法を学びに来ている意識の方もおられます。また,「参加して気持ちが良かったです」という感想をいただくのは非常にうれしいですし,やった甲斐があります。しかし,マインドフルネス瞑想は本来,そういう短期的直接的な気持ちよさ(を他者から施されること)を求めるのとは違うところをやろうとしている営みです。それは,自分による自分の探求です。自己を習ふ,ということです。

自己を探求することは,必ずしも常に気持ちの良いものではありません。単に心身ともにスッキリしたいだけであれば,他のスポーツやフィットネス的なヨガや健康体操的な太極拳でも良いわけです。そうではなく,瞑想しようということですから,本来的には,自己存在についての果てしない研究,私とは何か,心とは何か,世界とは何かの探求です。ただ,副次的効果として,意図せずスッキリ感やリラックス感が得られることがあります。それもまた瞑想という営みの一側面です。

この辺りが(意識的にも無意識的にも)分かっていて,根本的なところで自己を探求している人が,「心身技法研究会」で長く続けて来られている方なのだと,そう思いました。私(他人)から与えられる施してくれることを期待するのではなく,瞑想を通じて自分で自分を探求している人です。つまり,<求道者>ということです。

昨日,そう思いました。

2018年8月28日

靴は大事

3ヶ月前に,膝が痛かったり肩が凝ったりして,なかなか治らないのは,靴のせいではないかということを書きました。

あれからちょうど3ヶ月。

いろいろなタイプの靴や履き物を試しました。そうして結果的に辿り着いたのは,やはり,最初にピンと来た,つまり,この靴実験を開始するきっかけとなった,夏仕様のマリンシューズ的なタイプの靴が,足に吸い付く感じでフィットして一番良い,ということでした。

回り回って最初に戻る。

あれこれ探して,cciluというブランドの靴が自分の足にはじんわり馴染む感じがして,気に入っています。最初にピンときたのはノンブランドの靴だったので,たとえそれがフィットしても次に買える保証がありませんでしたから,何かしらどこかのブランドの品が良いと思って,いろいろ探したわけです。ブランドなら,今後も同系統の靴は発売されるだろうから。

ただしかし,これから冬になるので,いつまでもマリンシューズな靴では寒いだろうから,はて,どうしたものか。空手の師である小林先生や故・西田先生は,冬場でも雪駄や下駄を履いている(いた)ので,マリンシューズぐらいどうということもないですが(笑),私は軟弱ですから,同ブランドの夏仕様以外の靴もいろいろあるようなので,それを試してみようかと,とりあえずは思っています。

2018年8月25日

ちょこっと探究クラブ

8月27日(月)に,筑波大学東京キャンパス(丸ノ内線茗荷谷駅徒歩1分)にて,「ちょこっと探究クラブ」という大学の企画でマインドフルネス体験を実施します。

対象は,基本的に小学校高学年から中学生,ということらしいです。11:00~12:00と15:00~16:00の2回,行います。中学生なら自分一人で来るだろうけど,小学校高学年の場合は親御さん付き添いなのかな(付き添いの大人の方は,付き添ってうしろでただ見ているぐらいなら,一緒にやれば良いので,一緒にやりましょう~)。とにかく参加料無料・事前申込不要ですので,お時間あれば是非どうぞ。他にも何人か筑波の先生が来て,実験やら体験やら講義やらをしているようです。夏休みの宿題の参考になるかも?



2018年8月2日

ワークショップ

暑い日が続いています。

さて,先の5月に,高村マサ先生のお誘いで,酒々井にあるルーラルヨガスタジオにてマインドフルネスのワークショップを開催させていただきましたが,その第二段の日程が決まりました。

9月17日(月・祝)

今回のテーマは,私の専門であります「怒り」と「マインドフルネス」です。怒りとは何か,マインドフルネスが怒りとどう関わってくるのか,ヨガ実践がどうマインドフルネスを高めるのか。3時間の長いワークショップですが,前半は理論的な話をし,後半はマインドフルネスの実践を行います。


お時間ございましたら,是非お越し下さいませ!

詳しくは下記HPをご参照ください。

【ルーラルヨガスタジオ】
http://ruraru-yoga.com/


2018年7月23日

大暑

今日は,暦の上では「大暑」だそうで,一年で一番暑い日,ということらしいです。

今年はまさにその通りになっていて,連日の酷暑続きの中で最高になりそうな気配。朝から30度越えしていて,ちょっと尋常ではありません。

暑いと,改めて,人間は身体で生きていることを実感します。暑いと気分が悪いし,思考も働かない。怒りっぽくなるし,ネガティブになる。だから身体が快適な状態でないと心も快適でいられない。逆も然り。心が軋むと体も軋む。

心と身体は不可分で一体です。暑くてそのことを改めて思いました。

2018年7月12日

ワールドカップ

いよいよワールドカップロシア大会もあと少し,決勝を残すのみ。フランス対クロアチア。ベルギーに惜敗した日本としては,是非ベルギーに決勝まで行って欲しかったですが,残念でした。

しかし,オリンピックやワールドカップなどの世界大会を観戦していると,勝負を賭けるスポーツは実にわくわくするし,人間の限界に挑戦する姿は感動するし,その躍動する身体は見ていて惚れ惚れします。

自分もああいう風になりたい,自在に動けるシャープな身体を獲得したい,という思いについつい駆られますが,しかし,当たり前ですが自分のような素人・凡人には,あそこに到達することは無理なことは百も承知しています。

ただ,素人なり凡人なりに可能な範囲で,自己の身体を知り,調え,鍛えていくという営みは,誰でもできるものですし,そもそも武術とは凡人向けの修練システムだと思うので,私のような者は,頑張らない程度に,日々武術稽古に励むわけです。

そういう稽古であれば,動物として気持ちが良いですし,何より,身体的存在として,生きている感じがします。ワールドカップを見て刺激を受け,日々,無理のない程度に,緩~く,修行を積み重ねる毎日です。