2016年2月29日

月刊『秘伝』2016年4月号(3月中旬発売)

武術・武道の専門誌,月刊『秘伝』(BABジャパン)に連載していたコラムが,2月半ばに発売された3月号にて,終了しました。全15回でした。お読み頂いていた読者のみなさま,どうもありがとうございました。

さて,コラム連載終了後の,3月半ば発売の4月号にて,西田先生の特集記事が掲載されます。文章は私が書きました。技術解説は,小林先生と私で演じています。

糸東流正修館の西田稔館長が「なぜ凄いのか」の理由の一端として,その特異な空手人生を,稚拙ながら文章にしてみました。西田先生に会って直接稽古をつけてもらえば,体感としてその「凄み」を実感できるわけですが,その凄みの下支えとなっている希有な空手家人生は,空手史に残すべきだと考え,『秘伝』誌上に,こうして記事にしていただきました。

正修館関係者の方はもとより,流派問わず多くの空手家諸氏に,是非手にとって読んでいただければ幸いです。

空手とは沖縄の武術です。あえて「沖縄」というタームは使っても使わなくても良いですが,しかし,そもそも沖縄の武術であることを決して忘れることなく,本土であろうと海外だろうと,その術の本質を伝えるべきだと,僕は思います。この記事で,そんなことも伝わればと,思っています。

2016年2月18日

気感

気の感じ。

気感というのは,あります。「気」は,物理的に測定できないので,存在するわけではありませんが,しかし,それがある「感じ」というのは,します。つまり,ないのだけれど,あるような感覚を得ることはできます。

特に,太極拳のエクササイズで,開合なんかをしていると,よく感じられます。あるいは起勢や按掌なんかを繰り返ししていると,感じるようになってきます。

個人的には,動かしている手の平を中心とする身体感覚の,ある種の錯覚だと思っていますが,しかし,気を回す,気を練る,その感じは,やればやるほどだんだんと,確かなものになっていきます。

道教系の瞑想は,イメージが大切です。気を回す,気を練る,丹を練る,そういうイメージ。身体の中を気が巡るイメージ。そうして,身体が活性化する。そういうイメージ。道家の,こういう風にイメージを重視した瞑想法は,「存思法」というらしい。

人は,意外と,単純にできていて,そうして気が巡って活性化するイメージは,やがて,心身の健康につながる。ような気がする。この「気がする」というのは,とても大切です。いわゆるプラシーボ効果ですが,これが結構,自浄作用というか自己治癒力として,よい働きをします。

エナジーが,巡る。気が,満ち満ちる。

じゃそのエナジーって何?気って何?という話ですが,物理的に測定できるような実体ではなく,あくまで実践して初めて分かる感覚,そういう身体の状態の知覚感です。たぶん正体はイメージによる錯覚みたいなものだと思いますが,まぁしかし,体験的には,確かに,ありますね。

だから身体は面白い。