2015年12月31日

行く年来る年

今日は2015年の大晦日。
今年も1年,身体を練り,心を練ることを,あれこれと試みてきました。

2016年もまた,あれこれ試みていきたいと思います。

みなさま,良いお年を。

2015年12月25日

アイススケート

最寄りの駅前広場でやっている,特設のアイススケート場で,20~30年振りぐらいに,氷の上を滑りました。最初は足下が覚束なかったけれど,こういう運動記憶はけっこう身体が覚えているもので,次第に思い出し,徐々に馴染むのを感じました。30分で1000円。まぁ,30年振りだから30分がちょうどよい。

ただ,しかし,30年前のようにはいきません。なにせ30年前は中学生ですから,今と体格がまるで違います。骨や筋肉も。自己意識は同一性を保っていても,身体の組成はがらりと変わっています。とにかく,はりきりすぎて怪我をしないよう,慎重に滑りました。

そうして慎重にスケートシューズ(足)が氷に接するところを感じながら,身体のバランスを調整して滑るというのは,普段使わない筋肉やバランス感を味わうことができ,良かったです。

術は,ひたすら同じ動きを繰り返しその動きを身体に馴染ませていきます。やがてその動きそのものになります。それでもひたすらその動きを繰り返していきます。その中で,味わいの違いを感じます。それはそれで術が道となっていく方向なのですが,こうして,あるときまったく異なる動きをするのもまた,身体を感じる良い機会になります。

2015年12月18日

ストレッチングの効果

最近,授業で身体技法をやっているときに,最初にゆっくり時間をかけてストレッチングをしています。すると,その後の技法で,身体が安定していて,感じやすい,という感想をいくつかもらいました。

ストレッチングをするときに,意識をそのストレッチングしている箇所に持っていくと,ストレッチングの効果が高くなる。伸ばしている箇所を意識するわけです。そうすると伸ばしたいところを正しく良く伸ばせるし,その結果,筋肉がよりほぐれ,柔らかくなり,血行もますます良くなる。

こうして,いろんな身体技法をやる前に,伸ばしているところを意識しながらストレッチングをしているわけですが,これを僕は勝手に,マインドフル・ストレッチング,と呼んでいます。マインドフルにストレッチングすることで,身体への意識はより高まるし,結果,ストレッチングそのものの効果も高まる。一石二鳥。

さてそうしてストレッチングした後は,例えば,無極で立つ法だとか,開合だとか,太極気功なんかをしても,身体が安定して,柔らかく動くことができ,結果,じっくりと身体を感じやすくなるようです。結果,坐禅(静坐瞑想)のときも呼吸や身体を感じやすくなる。素晴らしい。ストレッチング万歳。

実際,チベット体操というのがありますが,あれは瞑想する前の体操だそうで,ヨーガのようなストレッチングのような体操ですが,やはり,瞑想する前には身体をほぐす準備体操をしっかり丁寧にしておくのが,良いのでしょう。

2015年12月1日

アートマイムの世界

昨晩,JIDAIさんの公演である「マイミクロスコープ:夜のアートマイム劇場」(第九夜)を,観てきました。

夜9時から(普段9時就寝の僕にとっては深夜!笑),両国シアターXにて,1時間の短い公演。中身は三部構成になっていて,第一部が,JIDAIさんのアートマイム塾の公開レッスン,第二部がJIDAIさんのソロ作品上演,そして第三部がアフターミーティングと称してJIDAIさんとのディスカッションタイムでした。

いろいろ感じるところ思うところあり,全部は書き切れませんが,身体や心を練る,あるいは武術を通して瞑想する,という僕の立場・観点からすると,アートマイムも,まずは技法・技術の習得から始まり,それをやがて解放していって自己表現につなげていく,そういうプロセスなのだということを,そしてそれはあらゆるアートのプロセスなのだということを,改めて実感しました。

それは,松村憲さんのクリパルヨガの話ともつながるし,僕のタイチーの師の師で,先日無くなったT.Y.Pang先生の話ともつながる。

技法は技法で,最初は,師の模倣から始まって,学びます。それは形式であり,形(型)です。芸道・武道(よく「芸道・武道」と言いますが,「道」というと別の意味になるので,ここでは「芸術・武術」が適当かもしれません)は,まずは形式を我が身とするところまで一体化させていきます。そうして徹底的に馴染んだところで,そこから今度は離れていきます。いわゆる「守・破・離」というやつです。

ちょうど,第一部のアートマイム塾の塾生さん達は今「守」のところにあり,一方,第二部のJIDAIさんの作品はアートにおける「離」の部分を見せていただいた,ということになるかと思います。第三部のアフターミーティングでは,他のフロアのみなさん遠慮されて誰も質問されなかったので,図々しくも僕が質問させていただきました。それは,「アートマイム塾でやっていることと作品でやっていることとに隔たりがあるけれども,そこはどうつながっているのか」というものでした。

そこで僕が尋ねたかったことは言うなれば「破」の部分であり,それは守と離との間をつなぐところであり,ただ,「破」そのものが何かというよりは,守・破・離というアートの流れというか段階というか結びつきというかプロセスを,JIDAIさんは,あるいは,アートマイムの世界はどう捉えているのか,という意味でした。いや,実際その場で質問したときはそこまで深く考えていなかったのですが,要するにそういうことを聞きたかったのだなと,一夜明けて,自覚したということです。

会場にお一人,月刊『秘伝』11月号に載った,JIDAIさんと僕との対談記事を読んで,見に来てくれたという方もいて,そういう意味で,その『秘伝』にも書きましたが,武術をはじめ広く身体をやっている人は,JIDAIさんのアートマイム作品(公演)を生で観てみると良いですし,ボディワークの様々なワークショップも開いておられるので,そこに参加してみるのも良いと思いました。

http://jidai9.wix.com/jidai