2020年2月18日

湯に浸かる

湯に浸かると、湯の気が皮膚から染み込んできます。温泉成分は事実何かが染み込むのだとしても、単なる真水でもそう感じます。科学的には何も染み込んでなくても(科学的には温まって単に血流が良くなるだけかもしれないのですが)、主観的には湯の気が入ってくる。湯には、そういう力があります。

2020年2月15日

耳を澄ます

南直哉という禅のお坊さんの書いた「刺さる言葉」という本を読みました。この本は,恐山菩提寺院代の南師のブログの再編集本なので,これはこれでとても面白いことがいろいろと書いてあって読んでいて飽きないのですが,この中で,南師自身の座禅について,書いてありました。

そこには,まず,南師は,座ったら耳を澄ます(聴覚を鋭敏にする)というようなことが書いてありました。座禅の様子,マインドフルネスの方法論・手順として,呼吸に意識を向けるとは良く(誰でも)書いていることですが,まず耳を澄ませというのは初めて読んだ気がします。

早速最近,試していますが,これがなかなか良い。耳を澄ますと,静かな部屋だと思っていても,部屋の内外から色々と聞こえてきます。ますこうして感覚を鋭くする,これを身体全体に広げていく,という具合です。なので,是非とも試してみることをお奨めします。

南師は,ときどき何時間も座禅するよりも,毎日5分でも良いから座禅をする,すなわち座禅を習慣化することこそ只管打坐だとも書いてました。私は禅僧ではないですが,普段そう思って実践しているし,人にもそう話しているので,本物の禅僧である南師の言に勇気を得ました。

2020年2月13日

色々ありまして

今年度(2019年度)は,個人的に,色々と人生におけるイベントがありまして(というとちょっと大げさかもしれないですが),転換期だな~と思っていましたら,今年(2020年)に入ってからものすごく大きな出来事があり(間違いなく人生で最大級の一つ),ここ数日,心があちこち揺れる落ち着かない日々を送っています。

そういうときこそ身体であると改めて思い直し,日々,まっすぐ「無極」に立っています。Wuji Standing(無極で立つ法)の話は,ハワイの師(いや,研究仲間?ボブは私をcolleagueと称してくれている)であるボブ・サンティ(シャミナード大学)に教わりました(サンティ著・湯川訳『タオ・ストレス低減法』北大路書房をご参照ください)。

最近はこれ,ヨーガで言う,タダーサナ(山のポーズ)だよなと思っていたら,この夏に出るボブの新刊にも,やっぱりそう書いてありました。ボブもここ数年はヨーガをやっていると言っていたので,なるほどこういう形に結実してるのか~と思いました。ボブはもう,たぶん御年70近いんじゃないかと思うんですが,勉強熱心,老いて益々盛んです。

なぜまだ世に出ていない新刊が読めるかというと,ボブから,この新刊のblurb(endorsement)を書くよう頼まれたからです。洋書のソフトカバーなんかだと裏表紙にときどき,宣伝文・推薦文が印刷されていますが,あれのことだと思います(依頼されて書いただけで,まだ実物を見ていないので,よく分からないのですが,おそらくそういうことだと思います)。日本で言うところの「帯文」(本の帯の推薦文)ですね。

というわけで,無極から太陽礼拝,そしてナイファンチ。座して開合や起勢をして,最後は座禅。ゆっくりやれば小一時間。いろんなものに気がついて,それでもってそれらを削いで(端に置いておいて),筋肉と骨を確認しながら,ただの身体に帰り,空っぽになる時間です。