2015年12月31日

行く年来る年

今日は2015年の大晦日。
今年も1年,身体を練り,心を練ることを,あれこれと試みてきました。

2016年もまた,あれこれ試みていきたいと思います。

みなさま,良いお年を。

2015年12月25日

アイススケート

最寄りの駅前広場でやっている,特設のアイススケート場で,20~30年振りぐらいに,氷の上を滑りました。最初は足下が覚束なかったけれど,こういう運動記憶はけっこう身体が覚えているもので,次第に思い出し,徐々に馴染むのを感じました。30分で1000円。まぁ,30年振りだから30分がちょうどよい。

ただ,しかし,30年前のようにはいきません。なにせ30年前は中学生ですから,今と体格がまるで違います。骨や筋肉も。自己意識は同一性を保っていても,身体の組成はがらりと変わっています。とにかく,はりきりすぎて怪我をしないよう,慎重に滑りました。

そうして慎重にスケートシューズ(足)が氷に接するところを感じながら,身体のバランスを調整して滑るというのは,普段使わない筋肉やバランス感を味わうことができ,良かったです。

術は,ひたすら同じ動きを繰り返しその動きを身体に馴染ませていきます。やがてその動きそのものになります。それでもひたすらその動きを繰り返していきます。その中で,味わいの違いを感じます。それはそれで術が道となっていく方向なのですが,こうして,あるときまったく異なる動きをするのもまた,身体を感じる良い機会になります。

2015年12月18日

ストレッチングの効果

最近,授業で身体技法をやっているときに,最初にゆっくり時間をかけてストレッチングをしています。すると,その後の技法で,身体が安定していて,感じやすい,という感想をいくつかもらいました。

ストレッチングをするときに,意識をそのストレッチングしている箇所に持っていくと,ストレッチングの効果が高くなる。伸ばしている箇所を意識するわけです。そうすると伸ばしたいところを正しく良く伸ばせるし,その結果,筋肉がよりほぐれ,柔らかくなり,血行もますます良くなる。

こうして,いろんな身体技法をやる前に,伸ばしているところを意識しながらストレッチングをしているわけですが,これを僕は勝手に,マインドフル・ストレッチング,と呼んでいます。マインドフルにストレッチングすることで,身体への意識はより高まるし,結果,ストレッチングそのものの効果も高まる。一石二鳥。

さてそうしてストレッチングした後は,例えば,無極で立つ法だとか,開合だとか,太極気功なんかをしても,身体が安定して,柔らかく動くことができ,結果,じっくりと身体を感じやすくなるようです。結果,坐禅(静坐瞑想)のときも呼吸や身体を感じやすくなる。素晴らしい。ストレッチング万歳。

実際,チベット体操というのがありますが,あれは瞑想する前の体操だそうで,ヨーガのようなストレッチングのような体操ですが,やはり,瞑想する前には身体をほぐす準備体操をしっかり丁寧にしておくのが,良いのでしょう。

2015年12月1日

アートマイムの世界

昨晩,JIDAIさんの公演である「マイミクロスコープ:夜のアートマイム劇場」(第九夜)を,観てきました。

夜9時から(普段9時就寝の僕にとっては深夜!笑),両国シアターXにて,1時間の短い公演。中身は三部構成になっていて,第一部が,JIDAIさんのアートマイム塾の公開レッスン,第二部がJIDAIさんのソロ作品上演,そして第三部がアフターミーティングと称してJIDAIさんとのディスカッションタイムでした。

いろいろ感じるところ思うところあり,全部は書き切れませんが,身体や心を練る,あるいは武術を通して瞑想する,という僕の立場・観点からすると,アートマイムも,まずは技法・技術の習得から始まり,それをやがて解放していって自己表現につなげていく,そういうプロセスなのだということを,そしてそれはあらゆるアートのプロセスなのだということを,改めて実感しました。

それは,松村憲さんのクリパルヨガの話ともつながるし,僕のタイチーの師の師で,先日無くなったT.Y.Pang先生の話ともつながる。

技法は技法で,最初は,師の模倣から始まって,学びます。それは形式であり,形(型)です。芸道・武道(よく「芸道・武道」と言いますが,「道」というと別の意味になるので,ここでは「芸術・武術」が適当かもしれません)は,まずは形式を我が身とするところまで一体化させていきます。そうして徹底的に馴染んだところで,そこから今度は離れていきます。いわゆる「守・破・離」というやつです。

ちょうど,第一部のアートマイム塾の塾生さん達は今「守」のところにあり,一方,第二部のJIDAIさんの作品はアートにおける「離」の部分を見せていただいた,ということになるかと思います。第三部のアフターミーティングでは,他のフロアのみなさん遠慮されて誰も質問されなかったので,図々しくも僕が質問させていただきました。それは,「アートマイム塾でやっていることと作品でやっていることとに隔たりがあるけれども,そこはどうつながっているのか」というものでした。

そこで僕が尋ねたかったことは言うなれば「破」の部分であり,それは守と離との間をつなぐところであり,ただ,「破」そのものが何かというよりは,守・破・離というアートの流れというか段階というか結びつきというかプロセスを,JIDAIさんは,あるいは,アートマイムの世界はどう捉えているのか,という意味でした。いや,実際その場で質問したときはそこまで深く考えていなかったのですが,要するにそういうことを聞きたかったのだなと,一夜明けて,自覚したということです。

会場にお一人,月刊『秘伝』11月号に載った,JIDAIさんと僕との対談記事を読んで,見に来てくれたという方もいて,そういう意味で,その『秘伝』にも書きましたが,武術をはじめ広く身体をやっている人は,JIDAIさんのアートマイム作品(公演)を生で観てみると良いですし,ボディワークの様々なワークショップも開いておられるので,そこに参加してみるのも良いと思いました。

http://jidai9.wix.com/jidai

2015年11月28日

膝痛と坐式瞑想

このところ,坐って(半跏趺坐で),開合で呼吸を合わせたり,太極拳の起勢をしたり,あるいは,開手ナイファンチをしたりしています。

瞑想(あるいは気功)の本質は,呼吸(Breath)と身体運動(Body)と意識(Mind)を一つにしていく作業ですから,こうして安定して坐った状態でシンプルに練ることは,むしろ,本質に見合っている気がしてきました。そして,突き詰めていくと,さらに動きも減らしていって無くしていって,最後には,坐禅になりますね。

もちろん,全身で動くことの良さもありますから,どちらが良いとは言えません。

ただ,こうして1ヶ月ほど坐ってやるようにしていたら,慢性的な膝の痛みは,徐々に和らいできました。膝痛は,膝を曲げてゆっくりと体重移動することが原因であろうと思われます。太極拳や八段錦を練る際,いろいろと試行錯誤をしましたが,姿勢か向きか運動のどこかに気がつかない負担が掛かっているのだと思います。そもそも,慢性的に痛めてしまっているので,何をしても痛いのかもしれません。単に站椿をするだけで(膝を腰を緩めて少しの間じっとしているだけで),やがてミシミシとなり,ピリピリと電気が走るような痛みが感じられるほどです。

このせいもあって,最近はめっきり,坐って練っています。

これまで長くサンチンやナイファンチをしてきましたが,それでこういう痛みになったことはありませんでした。だから,太極拳のあの,膝を曲げてじんわり動く動作が(おそらくやり方がどこか間違っているか,気がつかない動作的な癖のせいで),長い年月重なって,慢性的な膝痛となって出てきた,ということだろうと思います。

以前,太極拳の師であるスティーブが足(つま先)を怪我したとき,怪我したことを悔やむのではなくて,「これは,何かを知る(考える)ためのチャンスだ」(なぜ足を怪我したのかを考えれば,それは自分の身体や心を知る上でのヒントになる)と,明るく笑いながら言っていたのを覚えています。

自分の膝痛も,いろいろなことを学んだり工夫したり考えたりするためのきっかけになっています。

2015年11月13日

ストレッチング

日本ストレッチング協会というところに入会し,その講習会を受けてきました。

http://j-stretching.com/

セルフストレッチングに関する講習会で,講習会後,ストレッチングトレーナーセルフ(CSTS)という資格の検定試験も受けてきました。

これまで自己流の柔軟体操をしたりストレッチングをしてきた中で,たまには専門の本だとか雑誌特集などもチラッと参考にはしてきましたが,文章と写真だけでは実際良く分からないもので,やっぱり,ちゃんと正式に教わると,きちんと伸びるし気持ちいいです。

身体技法は,どんなものでも,誰か人にちゃんと教わらないと,ダメですね。

この講習会・検定会は,自分のためのストレッチング講習会,ではなくて,一人で行うストレッチングを指導するための講習会・検定会です。まぁしかし,そもそも他人に指導する上で自分が正しくストレッチングできないと話にならないわけで(笑),その意味ではまず,自分のためのストレッチングではあります。

そもそもストレッチングとはどういうことかから,筋肉のこととか関節のこととか,代償動作だとかリスクだとか,いろいろと発見があり,刺激になりました。

ストレッチングは,もちろんケガの防止やリラクセーションなどのためのエクササイズですが,本質的には,身体を感じるエクササイズとしても,優れていると思います。

2015年11月2日

その場で立って太極拳

坐式太極拳も良いですが,その場で肩幅に並行に足を置いたまま,体重移動なども入れながら上半身で練る太極拳も,良いかもしれません。

利点としては,第一に場所を取りませんね。得てして太極拳は套路の移動距離が長くて,気持ちよく途切れずに練るためには結構広い(長い)場所が必要です。そのために僕は,楊家の八式と言われる左右対称の短い套路で太極拳を練っています。これをさらにその場で移動せずに練ると,場所はまったく取りません。

もう一つに,じっくりとそこに立つので,足の裏で大地につながる感覚がより得られる感じがします。もちろん,太極拳そのものがじっくり大地につながる練功なのですが,その場にそのまま足をつなげながら体重移動をじっくり味わうと,よりつながる感じがする,ということです。

こうすると,少し空手に感覚が似てきます。空手と太極拳(楊式)の違いは,空手は比較的両足を同時に地につけている時間が長いのに対して,太極拳は同時に両方足をつけるときがあまりありません(常にどちらかに体重が乗っているか,一方の足は地面から離れている,つまり陰陽になっています)。

足の具合としては,起勢(起式)のままで練る,ということです。

そもそもこうしてみようと思ったのは,相変わらず膝の痛みが引かないせいであり,もちろん,坐式でやればそもそも足を使わないので痛まないのですが,どうにか,立った形でやりたいと思い,こういうやり方でやってみています。

これを命名すれば,Grounded (Grounding) Tai Chiでしょうか。

2015年10月22日

武術とマインドフルネス訓練

昨日,改めて,心身技法研究会で思ったことがあります。

研究会の目的はマインドフルネスを練ることであって,それに武術を用いています。マインドフルネスを一緒に練ることが目的なわけで,それには別に,武術である必要はありません。マインドフルネスは,ヨーガでも坐禅でも,茶道でも華道でも書道でも,ジョギングでもジムのバイクでも,練ることができます。

ではなぜ武術なのか。

答えはたぶん,「単なる好み」です。武術でなければならない必然性や理由は,突き詰めれば,特にはありません。武術が好きか嫌いか,武術でアプローチすることが楽しいか楽しくないか,です。

昨日参加してくれた学生の一部は,筑波大学人間学群の「人間フィールドワーク」という科目の一環で,来てくれている人たちです。正直,その人たちがみな,武術を好んでいるのかというと,かなり微妙です。

そうなると,武術的な解説をどれだけするか,マニアックな武術的指導をどれだけ入れるか,難しいと思ったわけです。昨日はたまたま,上記学生以外に,競技空手(スポーツ空手)をしている空手家の人が二人いたので,つい武術的な解説に熱が入ってしまったのですが,しかし,そうなると,一般学生・院生はたぶん,マニアック過ぎて意味不明だし,そもそも興味も関心もないことを聞かされてうんざりだろうなぁと,思ったわけです。

しかし,武術的身体を追求することがすなわち身体の微細な感覚へ意識を向ける一つの手段なので,武術的解説を一切無くす,ということもまたできません。というか,それでは全く面白くありません。

ここのところは,非常に迷います。どういうバランスで,どういうウェイトで,解説・指導するのが良いのか,難しいなぁと,つくづく昨日,思いました。マインドフルネスを練る研究会ですが,実質的には太極拳中心の体操教室のようなものです,とは断っています。が,やっぱり武術への志向性には人それぞれ強弱があります。だから,難しいなぁと,思いました。

2015年10月21日

坐式太極拳

慢性的に膝が痛い理由がだんだん分かってきた。太極拳をするとき,立ち方と腰(股関節,臀部)の開き方が良くなくて,そのせいで膝が内側に折れてしまい,そのまま体重移動していたせいで,膝の内側に過重な負担がかかっていたためだろう。おそらく。

いずれにせよ,けっこう慢性化しているので,稽古で修正が効かず,しかし稽古はしたいので,足(膝)に負担をかけない方法で稽古できないかと考えていたら,先日,ふと思い立ちました。

坐って太極拳をすれば良いんじゃないか?

立式が主流の八段錦ですが,そういえばBobに習ったのは坐式八段錦なわけです。何も坐ってやっちゃダメ(意味がない),という決まりもない。

さてそう思って,坐って(坐禅をするときと同じように,座蒲の上に座って半跏趺坐で坐り),上半身だけで太極拳をやってみたところ,これがぼちぼち,なかなか,良い具合です。

もちろん,下半身が動かないので全身の連動性は感じにくいし,重力も感じにくい面はありますが,気が流れる感じは得られるし,呼吸との絡みも感じられるので,それなりに良いと思いました。

こうすれば,車椅子に乗っている足の不自由な方も,また,足腰に不安のあるお年寄りの方も椅子に座ったままで,できる。

見た目には,道家の人がやっている瞑想のようです。そもそも太極拳は武術ではあるけれども道家瞑想でもあるわけだから,当たり前と言えば当たり前。

膝の痛みが落ち着くまで,続けてみようと思います。

2015年10月6日

有酸素運動

ここ数年特に,摂取量に対して消費量が少ないためか,年相応に,徐々に腹回りが豊かになってきたので,糖質制限をしています。夕飯に炭水化物(糖質)を摂らない。

ただ,それだけではなかなかお腹周りの豊かなタイヤは減らないので,先週から,スポーツジムでバイクをやり始めました。先週は,どの程度やったら良いのか分からず,あまり有酸素運動になりませんでしたが,今週は,友人にやり方を聞いて,心拍数140で30分間,こぎました。

かなりきつかった。けれど,気持ちの良いきつさでした。

普段,空手やタイチーの稽古をしていても,ハアハアと息が切れるほど動くことはありません。だから有酸素運動にはなっていません。ほとんど脂肪燃焼はしないでしょう。だから,そういう類のスポーツをするか(例えばバスケットボールとかサッカーとかスカッシュとか),ランニングやエアロビクスやバイクのような有酸素運動そのものをするかしかないと思ったわけです。

バスケットボールも若い頃やっていたのでやってみたいととても思うのですが,チームというかサークルに入らないと当然できないわけで,それはそれで煩わしい。一人で外をランニングするとなると,ちゃんとしたランニングシューズが必要になる。となれば一人ですぐにできる運動ということで,選択肢はスポーツジム。エアロビクスは,あの運動そのものがあまり趣味に合わない。そもそも50分も60分もインストラクターの指示に従って続けなければならないのは苦痛です。(そうやって集団で一緒に運動すると,一人ではできないような量の運動を続けられる,という効果は分かりますが)

とにかく一人で自分のペースでやりたいので,そうなると,後は「バイク」ぐらいしかありません。

これが意外と面白い。

若い頃は,この単純な運動が苦痛でしたが,年を取ったせいもありますが,ひたすらこぎ続けるというのがとてもマインドフルネスだなと,感じたわけです。マインドフルにこぐと,もちろん運動的には苦しいけれど,全体的には楽しいし,気持ちが良い。まさに「バイク禅」。

当分の間,続けてみようと思います。あまり無理をせず,心拍数140で30分。

2015年10月2日

宣伝

ちょうど今,店頭に並んでいる月刊『秘伝』10月号にて,ヨギーであり臨床心理士の松村憲さんとの,マインドフルネスに関する対談記事が,巻頭カラーで載っています。マインドフルネスのことはもとより,当然マインドフルネスと武術に関する話もしていますので,興味のある方は是非どうぞ。スポーツ雑誌コーナーです。まだ並んでいるところもあると思いますので,お早めに。

それから,今月10月14日に発売される『秘伝』11月号では,パントマイミストであり日本アートマイム協会会長のJIDAIさんと,パントマイムに関する対談記事が載ります。もちろん,パントマイムと武術に関する話ですので,こちらも興味ある方は是非どうぞ。

それから,私の翻訳書である『水のごとくあれ!』も出ましたので,こちらも興味ある方は是非どうぞ。

2015年9月12日

水のごとくあれ!

今月,新しく翻訳書が出ます。

ジョセフ・カルディロ(Joseph Cardillo)という,サイコロジストであり武術家でもあるアメリカ人が書いたロングセラーの一般書『Be Like Water』を,僕が翻訳しました。

このBe Like Waterは,初版は2003年ですが,今でもホノルルの本屋のMartial Artsコーナーに置いてあるぐらいのロングセラーです。著名なジョー・ハイアムス(Joe Hyams)のZen in the Martial Artsとともに,武術家としての心や生き方に関する啓蒙書として,読まれ続けています。

これまで各国語に訳されているようですが,日本語訳はこれが初めてです。

武術によって導かれる実践知を生活に活かす。水のごとくしなやかに調和しながら,仕事に取組み,他者とコミュニケーションする。そういう極意が満載の良書です。

是非お手元に一冊どうぞ!

何かに行き詰まっている方,何となく生きづらい方にとっては,きっとその行き詰まりや生きづらさをほぐすヒントになるでしょう。



2015年9月9日

月刊『秘伝』

今月9月14日に発売予定の月刊『秘伝』(10月号)に,松村憲先生との対談記事が載ります。

武道の「心法」特集ということで,マインドフルネスについて対談しています。松村先生は,臨床心理士・認定プロセスワーカーで,ヨガ(クリパルヨガ)の公認のインストラクターでもあります。さらに,ヴィパッサナー瞑想を長年本格的に修行しておられ,最近,『日本一分かりやすいマインドフルネス瞑想』という著書を記しています。

対談の中身は,マインドフルネスの話から,ヨガ瞑想や武術・武道の話まで,いろいろです。

是非ご笑覧ください。
いやいや,良かったら一冊,買ってください(笑)。

2015年8月31日

マインドフルネス学会2

2日間,マインドフルネス学会に参加しました。

初日は,井上ウィマラ先生の仏教系の瞑想,坂入先生の自律訓練法,二日目の朝はヨーガの瞑想法を体験できました。どれも勉強になりました。

体感的に,なるほどといろいろ思うところあり,少しずつ実践していければと思います。

例えば一つには,先日の松村先生とのセッションで,大地(地面)を押す(push)感じ,というのを教わりましたが,井上ウィマラ先生の教示では,大地で支えられている感じ,と仰ってました。いやもちろん,今までもそれに似たようなインストラクションは読んだこともあるし,言ってみればそういうことだろうというのは色々ありますが,改めてそのところ(支えられている感?)を特に強調されていたので,なるほどそうかと,思った次第です。後はdrop into your body というのを強調されていました。これはおそらくsink consciouness のことだと思いました。

他のセッションでも,いろいろ興味深いことがたくさんあったので,ここに全部を書ききることはできませんが,いずれにしても,武術ばかりでなく,違う分野のワークをやるのは,とても刺激になりました。機会があれば,外でやっている各種セミナー,ワークショップ,講習会等々に出向ければなぁ,とつくづく思いました(でも,出不精だからな~;笑)。

2015年8月29日

マインドフルネス学会

今日明日と,早稲田で日本マインドフルネス学会です。第2回大会。

まず今日,土曜日は午後に,井上ウィマラ先生(高野山大学)の研修会に参加する予定です。研修のタイトルは,「自分を見つめ,他者を見つめ,関係性の中で覚知を高める:マインドフルネスにおける内外の視点」です。なんとも楽しみです。

明日は研究発表やシンポジウムです。こちらも楽しみです。

今年からようやく,会員になりました。

2015年8月21日

空間

歩幅が広いと,Steveによく言われます。僕の歩幅は,karateスタイルだと。

しかし一方で,随分昔ですが,小林先生にも歩幅が広いと言われたことを思い出します。あれから試行錯誤して歩幅はそれでも随分狭くなったと思っていたのですが,Steveからすればもっと狭くて良い,ということでした。

広いとエネルギーを使う。だから体育的には良いかもしれない。しかし,力を使うと言うことは無駄な(必要以上の)力がかかっていることになる。Tai Chiは,そこんところ,つまり,無駄な力は使わないようにする。無論,空手とて,最小のコストで最大のパフォーマンスをもたらすことを求めます。

さてその歩幅だけれども,人間というのは面白くて,普段,形を練っている「場所」の広さに合わせて,微妙に調整しながら動くものだなと,つくづく思いました。というのも,今まで練っていた部屋よりも狭い(面積的に小さい)部屋で練るようにしたら,あれほど歩幅がなかなか狭まらなくて試行錯誤していたのに,容易に狭くなったからです。

その一定の広さの中で動こうとすれば,自然と,調整されるということです。

だからきっと,とても広い体育館だとかで形を練ったら,きっととても歩幅が広がるんじゃないかと思いました。だから,体育館で稽古する大学空手は歩幅が広いのかもしれません。一方で,仮に沖縄の空手が本来,狭い裏庭だとか,狭い部屋の中だとかで密かに稽古されてたりしたら,きっとそのせいで歩幅は狭くなるのかもしれない,とも想像します。

空手は本来,歩幅は狭い。基本は基立ち。いわゆる自然立ち,です。前屈立ちってのはなかったという話もありますし,いわゆる全空連なんかが示す前屈立ちは,広すぎます。体育的には,良いかもしれません。若者が足腰を鍛えるために,歩幅を広く取るのは,訓練としては良いかもしれません。つまり,大学空手・体育空手・部活空手です。

でも,たぶん武術的には,そんなに歩幅を広く取るのは,むしろ不利なんじゃないかと,思われるわけです。その体勢から動き出すのに,無駄にエネルギーを要するからです。体を鍛えるには,負荷をかけなければならないわけで,体育としてなら歩幅は広い方が良い。でも,武術としてなら歩幅は狭い方が良い。

さて話を戻すと,稽古をする空間というのは,動作を規定するわけで,であるならば,それをどう利用するかも含めて,場所の選定というのは重要ですね。

2015年8月12日

松村憲さん

昨日,月刊『秘伝』の企画で,臨床心理士であり認定プロセスワーカーでありクリパルヨガのトレーナーである,松村憲さんと対談しました。(その場では対談でもあり敬意を込めて「先生」と呼ばせていただきましたが,ここでは親しみを込めて「さん」と呼ばせていただきます)

松村さんが最近,『日本一分かりやすいマインドフルネス瞑想』という本をBABジャパンから出版されたことがきっかけの一つとなり,マインドフルネスを中心に,2時間ほどお話しさせていただきました。

いや,いろいろと勉強になりました。非常に有意義でした。ここに全部は書ききれませんし,松村さんの言葉をこれから少しずつ消化していければ良いなと思っていますが,一つ,これは早速試せそうだと思ったものがあります。

クリパルヨガの基本ということで,まず,真っ直ぐに立つこと。そのとき,「足の裏で地面を押す」ように立つと良い,ということ。僕はこれまで,Bob(R.G.サンティ)の教えに沿って,根っこが生えるように,と実践し,また,教えていましたが,なるほど押すように立つと足の裏でさらに地面を感じることができます。

実は先日,Steveも,Flying Eagleという,気功の簡単な動作をしているときに,足の裏で押すように,と言っていたところでした。偶然の一致ですが,まさしくシンクロニシティです。まったく同じ事をこうして前後して同じ時期に二人の先生が僕に教えてくれるということは,きっとそうしなさいという,神の思し召しだろうと(笑),実感しました。

それから,もう一つ。ヨーガ(ヨガ)については,僕は,そんなに詳しくないくせに生半可な知識でこれまでずっと,「ヨーガ」と表記する種類がマインドフルネスを育てる伝統的な本来のYogaで,「ヨガ」が現代的なフィットネス・エクササイズなYogaだと思っていました。

いやしかし,クリパルヨガは,全然違いました。クリパルヨガは,マインドフルネスを育てるヨガ,そこんところを重視した,言ってみれば,より本質的なところを中心に位置付けたヨガ,ということでした。実際,ごくごく簡単にですが,その実践体系の概要を見せていただいたのですが,無理のない動作と,より内面的な身体感覚への気づきを重視した,気持ちよさそうなヨガでした。

クリパルヨガのことばかり書きましたが,松村さんは,アーノルド・ミンデルのプロセスワーク(プロセス指向心理学)に基づいた臨床心理士であり,実際に何度もタイを訪れるなどヴィパッサナー瞑想の修行をかなりディープに長くされていて,ご自身のセッションやセラピーでマインドフルネス瞑想を取り入れ指導している第一線の臨床家です。

ですので,本当にとても良い勉強になりました。言葉一つ一つに実体験に基づく重みがありました。

これもまた武縁です。
武縁に感謝です。ありがとうございました。

2015年8月8日

ファンソン

タイチ(太極拳)あるいは中国由来の武術や身体技法には,腰と膝を緩めるファンソン(放松,放鬆)というのあります。

空手も中国由来の武術ですので,同じような腰と膝の使い方をします。

このファンソン,それこそ術としての基本中の基本でありつつ,それでいて永遠に体得できないんじゃないかと思えるほど難しい身体操作だということは,タイチをされている方はお分かりかと思います。いや実に難しい。

多くの人が言葉で説明しようとしていますが,結局は体感するしかなく,それは師の教えと動きとを踏まえながら,自分で自分の身体を探りながら(対話しながら),見つけていくしかありません。

主にはやはり腰の操作でしょう。
臍を上に向けるとか,骨盤を立てるとか,言います。

空手では,我が師である小林先生やその師である西田先生は,(尻を)締める(巻き込んで前に絞り込む)と言います。そうすると必然的に骨盤が回転して立ちます。臍が上を向きます。結果,膝も緩みます(緩ませないと,この動作をそもそもできません)。西田先生はしかし,骨盤の立てすぎというか,回転しすぎというか,大げさに立てる必要はない,とも仰っていました。解釈すれば,締めすぎもまた良くない(やり過ぎは良くない),ということでしょうか。

タイチでは,我が師であるSteveは,尾てい骨(tailbone)を巻き込む・挟み込む(tuck),と表現します。そうすることで腰(lower back)が開きます。腰眼のツボが開きます。動作としては,小林先生や西田先生の言っていることと同じになります。

いやしかし,こうじゃないかといろいろ試してやっていますが,これだ!という感覚には,まだまだほど遠い。

2015年7月21日

師の動き

Tai Chiの師であるSteveの動きは,イメージで持っていたものよりも,ずっと柔らかく優しくゆっくりでした。このくらいだと思って稽古していたよりも,ずっとそうでした。

なので,今までよりももっと柔らかく優しくゆっくり動く必要があります。イメージに沿って1年やってきましたが,段々と固く速くなっていたようです。

他にも細かいところでは自己流で動作を埋めているところもたくさんあったので,やはり,武術は定期的に師について稽古しなければいけないなと,思いました。

Steveに,僕のどこそこがいけないとか,これこれが違っていると指摘されるわけではないけれど,Steveの動きを観察して真似る中で,違いを自覚することができます。


ところで,空手でも何でも,武術はだから,師の動きをいかに観察するかが重要だと思います。そういう意味では,そうして観察しようとする意図あるいは動機を持っているか持っていないかで,その人の術の上達は大きく変わります。

観察する力ももちろん大切ですが,そもそもにおいて,まずは師を徹底的に観察して真似ようとするその根本的な意図・動機がない人は,当たり前ですが,まったく上手くなりません。道場や稽古場で見ていると,年齢や性別にかかわらず,そういう人がけっこう多い気がするのは,気のせいでしょうか。

師を見ず真似ないで,何をどう上手くなろうとしているのだろうか。

2015年7月15日

Tai Chi

7月後半には,再びホノルルに赴き,Steveのもとでタイチーを習ってきます。

約1年振りであり,つまり約1年間,タイチーを独習してきたわけですが,果たして,Steveのタイチーにどれだけ近づいたか,あるいは遠ざかったか。

楽しみです。


2015年7月10日

パントマイムセッション

先日,JIDAIさんとのセッションが実現し,実際にお会いして,対談し,加えてマイムの実演もしつつ,身体論について語っていただきました。

20年振りに生で見るJIDAIさんのパフォーマンスは,相変わらず,超絶でした。この動き,JIDAIさんだという懐かしさとともに,やっぱり凄いな,この人は,と感動。いやしかし,動くだけで人に感動を与えるってのは,ある種,神がかり的です。つい魅入ってしまう。20年前もつい魅入ってしまっていたわけですが,今回もやっぱり魅入ってしまいました。

武道・武術を含め,身体動作・身体操作に興味関心のある方は是非一度,JIDAIさんのパフォーマンスを観ると良いと思います。加えてさらに興味の進んだ方は是非,JIDAIさんのワークショップに出ると良いと思います。


JIDAIさんのウェブサイト↓
http://jidai9.wix.com/jidai


このJIDAIさんとのコラボレートセッションは,今のところ,10月中旬発売の月刊『秘伝』11月号に,掲載される予定です。乞うご期待!


月刊『秘伝』のウェブサイト↓
http://webhiden.jp/


2015年6月29日

JIDAIさん

パントマイミストのJIDAIさんとのコラボレートセッションが決まりました。月刊『秘伝』の企画です。

さて,JIDAIさんとお会いするのは,かれこれ20年振り?ぐらいでしょうか。

http://jidai9.wix.com/jidai

JIDAIさんは,日本アートマイム協会会長で,オーガニックマイムを提唱し,自身のアプローチをJIDAIメソッドとして構築・教授しています。その中心となるのは,「エモーショナル・ボディワーク」。

うううむ,心躍ります。今から楽しみです。

2015年6月15日

第3回 身体動作の会

学類生の主催する「身体動作の会」,第3回目を,22日(月)の18:30から行います。

筑波大学関係者(学類生,院生など)で,このブログを読んでいて,興味関心のある方は,湯川まで。詳細お知らせします。

筑波大学・身体動作の会
(代表:的場)
(顧問:湯川)

2015年6月12日

身体の感覚

身体動作の会,二回目,やってきました。

まったく新しい身体感覚(を探るエクササイズ)。理屈では分かるものの,身体感覚として全くといって良いほど分からない。全くではないか。微々たるものだけれど。まったく未知の操作,動作感。

新しいものを学ぶときには,自分のカップの水は空っぽにしておかなければなりません。つい先日,火曜日にも授業で話したばかりですが,昨日の稽古で,いかに自分のカップがすでに水でいっぱいかに,気づきました。

全く新しい形式の稽古方法で全く新しい内容を学ぶとき,未経験ゆえのもどかしさのために,すでに獲得しているアプローチと言語でもって解釈しようと,必死にもがきます。よく分からないことに対して,心と身体が必死で抵抗(拒否)します。このことを痛切に感じました。

カップの水は捨てなければ,スポンジは乾かしておかなければ,いけません。

ただ,僕は僕なりに,昨日も,得るものがありました。ありがとうございます。


次回は,22日(月)の夜です。今後は,月曜日に定期的に開催する,とのことです。このブログを読んでいて,興味関心のある方は,まずは湯川までご一報ください。大学サークルですので,当面は,筑波大学関係者(特には学類生,院生)のみ,ということで進めていくようです。


筑波大学・身体動作の会
(代表:的場)
(顧問:湯川)


2015年6月4日

身体動作の会・続報

身体動作の会の,2回目の体験会を,来週の木曜日,6月11日の夜に行います。

この記事を読んでいる,筑波大学関係者の方で,興味関心のある方は,湯川までご連絡ください。詳細分かり次第,個別に,お知らせします。

筑波大学・身体動作の会
(代表:的場)
(顧問:湯川)

2015年5月26日

身体動作の会

昨日,その,例の古武術体験会に行き,体験してきました。いや~,なかなかに「なるほどそうか」と思える動き方のコツがあり,感心しました。昨日は体験会と言うことで盛りだくさんだったので,一つ一つ丁寧に稽古したいです。

今回の体験会を受けて,近々,定期的に活動する方向で進めるそうなので,筑波大学関係者(学生・院生,それから教職員含む?かな)で興味ある方は,まずは湯川までご連絡を。

筑波大学 身体動作の会
(代表:的場)(顧問:湯川)

2015年5月19日

古武術の体験会

以前,このブログでも書いた,甲野陽紀先生の弟子である筑波大学1年生の彼が,新しくサークルを起こすに辺り,まずは来週5月25日(月)の夜に,体験会を開くことに相成りました。私は顧問教員ということでバックアップしつつ,同時に,稽古をつけていただくつもりです。

大学のサークルとして立ち上げるので,対象は当面,(筑波大学の)学生・大学院生,ということだったと思います。

もしこのブログの記事を見た筑波大学の学生・大学院生で,興味関心のある人がいましたら,私(湯川)までご連絡ください。別途,詳細お知らせします。

2015年5月18日

膝痛

足先が向いている方向と膝が向いている方向が一致していないと,膝を痛めます。身をもって学習。膝が内側に落ちていると良くない,と空手やタイチーの本なんかでしばしば目にしてきたけれど,このことなのね,と実感しました。

というのも,タイチーをした後にどうも,膝が痛い気がする。タイチーを教えてくれたスティーブも,その先生のPang先生も,後ろの足は90度に開け,と言っていたのでそうしていたのだけれど,もしかしたらそれが原因かしら,ということでもう少し角度を付けてみたら,やはり練習後の感じが違うわけです。

スティーブは,確かに90度近く開けと言っていたけれど,それは股関節(股)をよく開くための方法というか方便だとも言っていました(90度に開けとPang先生は言っていたけれど,実際そのPang先生がそうでなかったりする,とか言って笑っていました)。だから,重要なのは足の向きではなくて,股を良く開くことなのです。こういう教えがあるくらいですから,我々はつい足の張り出しが緩むので,結果,足先は90度のまま,膝が内側に落ちていたわけです。こうなると,足先の向きと膝の向きがずれてきます。どうも,これが痛みの原因だったのではないかと推測しています。

今,調整中。足先は,あまり無理して90度を意識せず,空手と同じように自然に大体60度?45度?ぐらいにして練っています。もちろん,こうして後ろ足に角度をつけると股の角度も狭まる(閉じる)ので,そこは十分に開きながら(アーチ状に張りながら)。

もし武術をやっていて膝の痛みの,特に膝の内側に痛みのある人は,足先の向きと膝の向きがズレていないか,捻れや捻りが加わっていないか,確認してみると良いかもしれません。不自然な捻りが加わったまま稽古を続けていると,膝に無理な力が掛かり続けて,やがて痛んでくるかもしれません。私のように(笑)。

2015年5月7日

卓球

昨日,義兄に卓球をさせてもらいました。義兄の自宅には卓球台があるほどの懲りようで,その義兄と卓球をした,というわけです。もうかれこれ20年振りぐらいにラケットを持って球を打ちました。

いや,まず,今現在,右肩が痛い(笑)。改めて思ったのは,卓球という競技は,片方の腕だけを使うのね。テニスも一緒だろうけれど。ラケットを左右に持ち変える選手ってのは,いないんだろうか。バランス良く運動するために,左手でも同じ量,打ちたい。

それから,素早い足腰のステップは当然ながら,特に腹回りの筋肉を使うのだということが,よく分かりました。振りかぶって打つという動作は捻っているから,これは横腹辺りに効く。打つ瞬間には,下腹を締める。運動として,お腹を締めたい人は,卓球をやると良いかもしれない。

卓球をしている人でも,腹回りの豊かな人はいるだろうけれど,きっとそれは,競技として勝つことを求めてしまう故,コツを覚えてしまい,身体全体を使って動かなくなってしまうんだろうなぁと推察。

全身運動だと思えば,結構,腹回りに効くと思う。ただ,上記の通り,どうしてもラケットを持っている方の腕ばかり使うのはちょっと難だけれど。

見たままの通りだけど,実際にやってみると,反射神経も養えますね。球が帰ってくる距離と時間が,短い。その間に,球筋を見て位置取りをして,自分の腕振りの軌道を決めて,打ちたいところへ球を運ぶために振りの強さとスピードとラケットの面を調整して腕を振る。これを,いちいち考えながらではなく,瞬間的に反射的に行う。

ボールを投げるにしても,スケートやスノボーで滑るにしても,手元を見ていてはいけない。投げる先,滑る先を見ていなければならない。卓球の場合も然り。球を運ぶ先を見ていないと,球はそこにいかない。

気功的にはまさに,「意」を用いて「気」をそこに向けて運ぶのと同じだ。「意」は「目」の向けた先に向かう。従って,気を運びたいそこを見る。

いや,おそらく,卓球も,本格的になれば,球の行く先を見るのではなくて,さらに場全体を見る,相手を含めた場全体に意識を万遍なく向ける,という風になるんだろうなと思います。武術も同じ。気を向けたいところをじっと見ていてはいけない。相手を含む場全体にマインドフルに意識を向ける。

というわけで,卓球は,武術だ。

もしこれが,勝ち負けとかどうでも良くなり,ただひたすらラリーをすることが目的的になったら,それはもう「卓球道」となりますね。そうなると,卓球は武道だ,ということになります。

あの,カコンカコンと打ち合う一定のリズミカルな動きは,有田秀穂先生的に言えば,セロトニンを分泌させます。坐禅と同じです。

というわけで,卓球しているときの幸福感は,非常に良いものでした。運動後のリダクションも,爽快でした。わずか30分程度の運動ですが,かなりの有酸素運動でした。こりゃ,義兄がはまるのも分かる。

2015年5月1日

競歩

最近また,足が痛い。

以前は足の甲と脛の外側だったけれど,これはほぼ理由が分かりました。おそらくホノルルでサンダル履きを4ヶ月間していたせいです。つまり,つま先だけで引っ掛かっている不安定な履き物で,そのつま先をそり上げながら歩き続けると,足の甲と脛の外側が痛くなります。もちろん,靴であってもそういう風に歩けば,同じように痛くなります。このとき,たぶん,僕の場合特に,後ろに体重が乗ってしまう姿勢のため,足だけ前にそり上げるような歩き方になっている。

だから,つま先を上げて踵から降りるという歩き方が悪いわけではない。ウォーキングにおける正しいフォームだとか,正しい歩き方だとか,そういった類の情報を検索してみると,どれも,そう書いてあります。

一方このところ,膝が痛くなってきました。長年履き慣れているコンバースのハイカット28.5cmでも,膝が痛くなる。となれば,理由は歩き方です。たぶん,体重が後ろに乗っている歩き方が良くない。と分かってはいるものの,あれこれ歩き方を変えても,どうも上手く歩けない。でもって,痛みは軽減しない。どころか,ますます痛い。まるで膝がむくんでいるようだ。実際,むくんでるかもしれない。

そこで,最近,世界記録を日本の選手が更新した「競歩」に学んでみようかと思い,調べてみました。競歩の技術は,面白い。もちろん,ただやみくもに歩いてるんじゃなくて,いかにして長い距離を速く歩くかを極めた競技です。必然,疲れない痛めない歩き方を追求しているわけです。これは学ぶに値する。

元陸上長距離の選手で,ウォーキングやランニングに関する著書の多い,金哲彦さんの,ウォーキング(における歩き方)に関して説明しているサイトも参考にしました。情報が多いことと僕自身が素人なのでよく分からないけれど,ウォーキングも競歩も,当然どちらも「歩く」という行為に関することなので,見た目はだいぶ違うけれど,なんとなく原理原則は同じに思えます。

足運びや体幹の持って行き方,後ろ足の蹴り方,腰の使い方,腕の振り方などなど,色々と参考になります。

さて,ということで,当面,僕の中で「競歩」と「ウォーキング」が流行しそうです。

2015年4月27日

年齢と意識

今日,うちの大学の,とある1年生の学生と会いました。4月に入学したばかりの新入生です。なお,学類は心理ではありません。

彼は,古武術研究家の甲野善紀先生のご子息である,甲野陽紀先生に,高校の3年間,古武術の身体操法を学んだそうで,実家を離れて大学に来たので,引き続きどこかで身体的な稽古を続けられないかと,いろいろ模索してきたそうです。

なぜ僕のところに来たかというと,ありがたいことに,高校の時,拙著『空手と禅』を読んでくれたそうで,それを頼りに訪れた,ということです。

こうして身体の微妙な感覚に意識を向ける,そういう術に興味を持つというのは,一般的な傾向としては年齢と比例している,つまり,年齢とともに興味関心が高まるので,若ければそういう武術的身体の,特にその微妙な差異や変化に興味なんて持たないものだとばかり思って半ば諦めていました。しかし今回,彼と会って,若くても分かる人はいるのだということが分かりました。

彼には是非,自ら同好会(サークル,研究会)を立ち上げてもらって,こういう,身体の術への興味関心を潜在的に持つ若い人たちへ,門戸を開くというか,受け皿になるというか,きっかけを与えるというか,そういう存在になってもらいたいと,心より願っています。

僕も是非,同好会が立ち上がったら,習いに行こう。同好会には顧問が必要だから,僕がいつでも顧問になります。

もし興味関心のある方がいれば,とりあえず,湯川までご連絡ください。

2015年4月19日

剛と柔2

たぶんティク・ナット・ハン師が本(『ブッダの幸せの瞑想』サンガ)で書いていたエピソードだと思う(バンテ・グナラタナ師だったかな,失念しました。まぁいいや)。

いつも通る道にある家のご主人,とても気難しい人物らしく,師がそこ(師にとって外国の地)に越してきて数年間,道で会っても無愛想にしかめっ面のまま挨拶さえもしなかったそうです。自分(師)が外国人だからかとも最初は思ったけれど,まぁとにかく,それでも会う度に笑顔で接したそうです。

すると数年後,目配せを返すようになり,こくりとうなずくようになり,笑顔を見せるようになり,やがて挨拶するようになり,とうとう会話をするようになり,身の上話までするようになった,という話。細部は違ったかもしれないけれど,だいたいそういう話です。(どうも,そのご主人,数年前に大病を患って,身体も心もふさいでいた,というのが理由だったような。たしか)

相手が固いからと言って,こちらも固く接してしまえば,もうそれで終わりになってしまいます。もちろん,相手が接したくない風であれば,無理に接することはない。かといって,コミュニケーションの窓口を完全に閉じてしまうのも,関係がギスギスしてしまう。普段接するようであれば尚更です。

相手が固いと,こちらもどうしても固くなってしまいます。ついつい,剛に対して剛で接してしまうのです。ネガティビティにはネガティビティで反応してしまうわけです。

だからといって間を詰めて,無理に相手の窓を開こうとはせず,しかしそれでいてこちらの窓は開いておくのが,良いような気がする。つまり,剛の相手に対して,常にこちらは柔でいること。押すわけでも引くわけでもなく,そこに柔らかくある。

固くあること,剛でいることは,えてして疲れます。きっとエナジーを過度に消費するんだと思います。過度に陽な状態ということです。そうではなく,エナジーを浪費せず,節約すること。save energy。Pang先生がそう言っていたとSteveが言っていました。そのSteveは,conserveって動詞をよく使って説明していました。貯蔵して保存して節約して大事に使え,ってことだと思います。

評価や価値に囚われることなく,そこに柔であることに,そんなにエナジーは必要ありません。ふわりと柔らかく。押すでもなく引くでもなく。

2015年4月9日

板間とカーペット

板間あるいはリノリウムの床に慣れてるせいか,どうも,カーペット(じゅうたん)敷きの床の上で裸足で稽古すると,重心のバランスを保とうと,妙なところに力が入り,足が攣りそうになる。

家のフローリングの床や,柏道場でのリノリウムの床では攣りそうになることはないのに,どうしてカーペット敷きのところだと稽古をしているうちに1時間もすると足の裏が攣りそうになるのか,不思議に思っていたのですが,どうもその足の裏の滑りを微妙に調整しているのがその原因だということが,何となく分かってきました。

カーペットの毛によるわずかな厚みのせいで,足の裏がわずかに「いざる」ので,これを正そうと,あるいはそれ以上いざらないようにしようと,変に踏ん張っているのだということです。必要のないところに力を使っている,ということです。

これはいけない。カーペットや絨毯の上では,靴を履いてやった方がよいかもしれない。

2015年4月2日

剛と柔

昨日,柔らかく,マインドフルに柔らかくを意識して接したら,面倒だ(やりにくい)と評判の人と,非常にスムースにやりとりができました。結果,気持ちよく目標を達成することができました。

柔らかさは,たぶん,伝染する。相手に伝染する。

もちろん,伝染しない人もいるだろうけれど,少なくとも,自分が柔らかくなることで,まずその人の言動を柔らかく捉えることができるようになる。そうすると自分にとっては好都合に事が進むので,ますます柔らかくなる。すると相手もますます柔らかくなる。

逆も真なり。

固くすれば,相手も固くなる。剛の相手に剛で攻めれば,相手が達人でない限り,きっとまた剛で返してくることになる。

相手が剛なら,こちらは柔で。徹底的に柔で。すると相手はそのうち柔になる。かもしれない。

少なくとも,剛に対して柔を貫くことは,状況を悪化させない最低限のアプローチでしょう。相手が剛を放ちたくて,無意識のうちにトラップを仕掛けている可能性もある。意地の悪い人というのはいます。もしそのトラップに引っ掛かってこちらが剛で攻めようのもなら,その相手が剛で返すきっかけを与えてしまうことになる。

だから,とにかく,柔を通すことが,いずれの場合においても,絶対的な正解なのである。

2015年3月21日

ヨーガ

佐保田鶴冶。日本でヨーガと言えば,佐保田先生。その,佐保田先生の著書『ヨーガ入門』を読みました。詳しくは,「書評」のところにも。

さて,ヨーガとは何か,その本質を知りたければ,一にも二にもまず,本書を読むべきでしょう。この佐保田先生というのは,立命館と阪大で教鞭を執り,阪大を定年退官した後にヨーガを始め,そこから極めた人です。もちろん,専門はインド哲学なので,ヨーガを理解するための歴史的理論的素地は膨大に蓄積されているわけですから,実践的な修得もきっと早かったのでしょう。

しかしそれにしても凄い。退官してから天命をまっとうするまで,25年間。その間に,本書を出したのは,ヨーガを始めて13年ぐらいしてから。うううむ,それでこの理論的および実践的な内容の充実振りと奥深さは,なんとも驚嘆に値します。

「書評」にも書きましたが,世の中,いたるところで「ヨガ」教室があって,これは勝手なイメージだけれど,だいたいスポーツクラブとかの巷のヨガなんて,もうただのストレッチングやフィットネス程度としか扱われていないのではないだろうか。有酸素系のヨガフィットとか,パワーヨガとかあるし。まぁそういうのもまた一つの進化形なのかもしれないけれど,しかし,本質的にはそんなのは「ヨーガ」でなない。「ヨガ」ですね。「ヨーガ」ではない。

だから,どうせやるなら「ヨガ」ではなくて「ヨーガ」が良い。もう,厚みや深さがまるで違う。そして,「ヨガ」をやって「ヨーガ」をやった気になってはいけない。英語で言うと,どちらもyogaだから分かりにくいけれど,日本語だとこうやって多少区別できるから(区別していない場合もあるだろうから,絶対ではないけれど),目印にはなるので,良い。

究極的にはヨーガは瞑想であり坐禅と等しいですが,佐保田先生の言葉で言えば,「ヨーガは宗教」です。その意味で,究極的には武道も瞑想です。空手やタイチーは,武術ですが,瞑想です。武の術を通した瞑想です。

2015年3月18日

漢方薬

東洋の身体技法は,漢方薬のようなもので,飲めば(やれば)すぐ効く,というものではない。やはり,長年飲み続ける(やり続ける)ことで,じわりじわりと効いてくる。

それが「修行」の「修行」たる要件でもあるような気がします。

毎日5分でも10分でも良いから繰り返し練ることが,週に1回60分集中してやるよりも,格段に効果がある。という実感があるし,どの人もどの本も,やっている人はだいたいそう言う。

だからこれはたぶん間違いない。

2015年3月9日

研究会のご案内

春から心機一転,身体を練りたいという方,お近くの方も遠方の方も,是非とも研究会にお越し下さい。どなたでも参加可能です。

一般の方,研究者の方,臨床や教育現場に関わっている方,幼稚園小学校中学校高校の先生方,福祉や看護といった対人援助職の方など,仕事や家庭や人生にプラスになる何かを始めてみたい,という方,一度,参加してみて下さい。

漢方薬のようなものなので,継続的定期的に続けないと本当の効果はなかなか現れませんが,少しでも体験してみれば,そこに何か発見があるかもしれません。

お代はいただきません(参加費無料)。

いつどこでどんなことをするのか。詳しくは,「心身技法研究会」のサイトへ!

http://mindfulness-meditation-martialarts.blogspot.jp/


2015年2月27日

武術と健康

しかし,最初から「これは武術です,哲学です」と言ったところで,人は集まってこない。だから最初は健康の維持・増進を志向した人たちが集まればそれだけでもありがたい。そうしてそのうち,その中で,太極拳の本当の意味,本来的な良さ,本質的な奥深さが分かれば,場合によってはそれがある人の稽古へのモチベーションとなり,徐々に志向が変化していく。

ただ,こういう変化は一部の人でしょう。基本的には最初の動機(健康の維持・増進)のまま続けることが多いのだろうと思います。

なかなか「武術です」と言っても,いまどきあまり人は集まってきません。空手なんていうと,普通の人にとっては抵抗があるのでしょう。武道をやりたい,武術をやりたい,という動機のある限られた人しか門を叩きません。ハードルは高い。

その点,太極拳や気功というと,まずは健康志向だから,人は集まります。実際,以前に「空手」の研究会を大学でやったことがありますが,ほとんど人は集まらず,早々に解散しました。しかし,今やっている気功や太極拳中心の研究会は,ぼちぼち続いています。

だから,陳師の「陳氏太極拳協会」の会員の多くの方が健康体操目的であっても,その中で陳師の本当の意図を理解して稽古する人がわずかにでもいれば,それでよい,ということなのだろうと思いました。だから,全員が『太極拳「超」入門』に書いてあることを理解して欲しいとは決して望んでいないのだろうと思いました。

空手も,こういうアプローチでやれないものかなと,思ったりします。

2015年2月26日

陳氏太極拳

陳沛山師の,『太極拳超入門』を読みました。太極拳をする人なら流派を問わず,また,他の武術をされている人も,太極拳の目指しているところを分かりやすく知るためには,とても良い本です。

この中で陳師は何度も,太極拳は単なる健康体操ではない,太極拳は単なる表演競技ではない,と書いています。ところどころ,書き方に配慮していますが,そうした競技の太極拳(制定の套路で競い合う太極拳)や健康目的の体操太極拳とはっきり区別したい,それらと一緒にしたくない,という思いが滲み出ています。

まさにその通り。

太極拳は動きの綺麗さ・正確さを競うものでも,単なる健康維持・増進のためのものでもない。本書にもあるように,太極拳は,武術であり哲学です。

陳師は,日本で,「陳氏太極拳協会」という団体を主催されています。とても大きな団体で,かなり多くの教室と会員がいます。でも,この陳師の思いの本質や,本書に記されているレベルでの身体操作の意味が果たしてどれだけ会員一人一人に浸透しているかは,なんとも微妙な気がします。

というのも,おそらく会員の多くはご年配の方々で,失礼ながら多くは単に健康体操として,多くは意味も分からず表面的な動きをなぞっているだけ,なのではないかなぁ。まぁしかし,人それぞれ目的が違っていても良いですからね。仕方ないです(でももったいないですが)。

この本は非常に良い本です。会員の人たちはここに書いていることをみなさん実践しているとすれば,それは本当にすごいことだし,素晴らしいことです。

2015年2月24日

拳と掌

手を握ると,自然に力が入る。手を開くと,自然に力が抜ける。

空手は握ることが多い。外の筋力を使って闘う外家拳だからだろう。一方,太極拳はほとんど握ることはない。内的な感覚を重んじる内家拳だから。

ただ,空手にも手を開いて練る形はあります。珍しいところでは,横山雅彦先生と摩文仁賢雄先生に教えていただいた,宗家に伝わる「開手ナイファンチ」というのがあります。

「気を練る」には,ほどよい緊張とほどよいリラックスが必要かな。外側(の筋肉)はリラックス。そうなると手は握らない方が良い。内側からの感覚。でも,外側もsensitiveにattentiveにalertに。

力を入れずに握る。これもまた必要か。締めながら緩める。西田先生はそう言っていました。

2015年2月20日

スワイショウと站椿

スワイショウをやると,軸が決まります。

日常生活では,体重の偏りに癖があります。右足に偏っている人もいれば左に偏っている人もいます。それは,Wuji Standing(無極で立つ法)というのをやると分かります。(ただまっすぐ立つだけなんですが,立つときにもいろいろポイントがありまして,詳しくは拙訳書『タオ・ストレス低減法』をご参照ください)

無極で立って,足の裏に意識を向けて感じてみますと,自分が右に重心が偏っているかそれとも左かが,分かります。

スワイショウをすると,この偏りがなくなり,両足でバランス良く(centered)しっかりと(rooted)立つことができます。

スワイショウをした後に再び無極で立ち,足の裏を感じてみれば分かります。站椿を1分でも2分でもやれば,同じように,足の裏で立つ感じが増します。站椿をした後に,無極で立ってみれば分かります。

CenteringとRooting。Feel centered and rootedですね。

2015年2月11日

書評掲載

『タオ・ストレス低減法』の書評が,雑誌『臨床心理学』(金剛出版)に掲載されます。

http://kongoshuppan.co.jp/rinshin/rinshin.html

掲載は次号辺りでしょうか。書評は,琉球大学の伊藤義徳先生に書いていただきました。ありがとうございます。本書の帯の推薦文は春木豊先生に書いていただき,書評は伊藤先生に書いていただきと,日本におけるマインドフルネスの大御所と第一人者お二人からのお言葉,何ともありがたい限りです。

発行は隔月(奇数月の始め)なので,3月の始め辺りではないかと思います。ご興味ご関心のあるかたは,『臨床心理学』誌ともども,是非,一度お手に取っていただければと思います。(『臨床心理学』誌は,毎巻のシリーズ特集,毎号のテーマ特集,実証研究,事例研究,連載記事等々満載で,非常に勉強になります)

2015年2月6日

心身技法研究会

昨年の9月から,心身技法研究会というのを,毎週水曜日の夜にやっています。

おかげさまで半年続けてこられたので,参加者のみなさんには感謝感謝。ありがとうございます。そこでというわけではありませんが,ウェブサイトを独立させました。ご興味ご関心のある方,お暇なときにご覧くださいませ。

http://mindfulness-meditation-martialarts.blogspot.jp/

今は主に学部生・院生中心に,同僚の先生にも来ていただきながら,1時間の練習をゆるくやっています。

それで,特に筑波大学関係者のみに限定しているクローズドな研究会ではありませんので,ご興味のある方はメールでご一報ください。学外の方,一般の方,病院や学校等で臨床や教育に携わっている方など,興味関心があり,やってみたいという方,どなたでも歓迎です。

マインドフルネス実践の研究会ですので,マインドフルネスを養うことが目的ですが,単に運動不足解消,リラクセーション,ストレッチングとしても効果的ですので,それだけのためでも全くOKです。

ぜひどうぞ。お待ちしております。


2015年2月2日

こける

昨日,子どもと甥っ子とサッカーをしたら,早々に二度,こけました。つるりと二度。

先日の雪のせいで足下がぬかるんでいたとか,手に子どもの上着やら荷物やらを抱えていたとか,靴がコンバースで滑りやすかっただとか,言い訳はいくらでもありますが,こけたことは事実。それも二度(笑)。うううむ,まだまだ修行が足りません。バランスをもっと練らないと。Feel rooted and centered.

お義母さんには「運動不足だ」と言われ,奥さんには「有酸素運動が足りない」と言われてしまいました(笑)。ははは・・・。反論はいたしません。

これを理由に,ますます修行に励もう。

ちょうど先日,Steveからもらったメールに,まさにこのgroundedの話がありました。推手(Push Hand)は,やった方が良いかと思うんだけどどうか(SteveはPang先生に習ったか),という僕のメールへの答えとして。

結論を簡潔に言えば,やって損はないけど(武術的には少しはプラスだろうけれど),本質的には必要ない,ということでした。推手競技なんかはgroundedしてるかどうかで勝負が決まるけれど,それは套路をどれだけ練っているかによるということです。逆に言えば,推手競技をすれば,いかに自分がgroundedしてるか知るくらいはできる,と。他にもいろいろなエピソードを教えてくれました。納得。

一にも二にも,套路(形)を,練ることですね。こけないためにも(笑)。

2015年1月28日

ピラティス2

スポーツジムのピラティスに再び行ってきました。ピラティスは,良い。

特に最近,腹回りにタイヤがつき始めたので,ピラティスで行う運動はこれに効いているように思えます。効いているかどうか目に見えてはっきりは分からないけれど,腹回りを意識してここを中心にエクササイズするので,良いのではないかと思います。

気が済むまで当面続けてみようかなと思っています。前回はよく分からなかった動きも,二度目となれば少しできるようになりました(やっぱり,正しく動かないと効果はないだろうから)。

2015年1月19日

ヨガとヨーガ

先日のピラティスに続き,スポーツジム(フィットネスクラブ)の「ヨガ」クラスに出てみた。ヨーガではなくヨガである。

いやぁ,きつかったです。スポーツジムのスタジオプログラムでこんなにきついポーズをするとは予想もしてなかった。無茶なポーズを持続させるので,筋肉痛になりそうだし,攣りそうだった。ほぼすべてのポーズが,不可能でした。素人は無理。絶対に無理。

たぶん,このクラスを担当してるこの先生が,レベルを上げすぎてるのだと思う。こりゃスポーツジム向きではない。本格的過ぎる。ま,しかし,本格的と言っても,ヨーガではなくヨガである。あくまで身体的なバランスと柔軟性を高めるエクササイズ(フィットネス)として,先生本人もそのように自覚して(いるように見え),また参加者にもそのような意識を持たせて,やっている。

とってつけたように,最後に,シャヴァアーサナ(死体のポーズ)をやりましたが,うううむ,しかし,一体この各種の身体エクササイズを何のために(どういう意識で)やっているかで,意味が全然違うんだけどなと思いながら,徹底的にフィットネスとして構成されている(アメリカ産?)「ヨガ」というのはこういうものかと,とりあえず体験できて良かったです。

と言いつつ,白状すれば,本当の意味での「ヨーガ」も体験したことなんだから(かれこれ25年ほど前に,ハッピィさんの元でマイムの練習の前にやった程度),何が本当で本格的なのか,分かりませんが,いずれにせよ,今日やった「ヨガ」は,概念的に理解している「ヨーガ」とはほど遠かったです。フィットネス・ヨガ(ヨガ・フィット?)。

なぜ身体をああして難しいポーズに持って行くかは,その操作している身体へと意識を向けるためだと思うんだけど,そういうインストラクションは一切なし。ストレッチングと体幹トレが合体した感じ。ま,「ヨガ」だから良いか別に。

ヨーガ(ヨガ)の歴史や効果や危険性について詳しく知りたい方は,『ヨガを科学する』(ウィリアム・J・ブロード,晶文社)がお勧め。

2015年1月16日

ピラティス

昨日,スポーツジム(フィットネスクラブ)のスタジオプログラムで,ピラティスをやってきました。平日の午前中だったので,だいたい40人ぐらいの参加者で男性は私ともう二人の,三人だけでした。その他のみなさんは,主にはやや年配の女性中心でしたが,若い方もいました。

ピラティスも,調べてみると奥が深そう。昨日ジムでやったエクササイズは,そのほんの一部だろうから,全体が分かったわけではないけれど,なかなか良かった。

というのも,思った以上に,身体各所への能動的に意識を向ける,というのを重視していました。やる前は,もっと,体幹トレーニング(インナーマッスルのトレーニング)のようなイメージでしたが,そうではなく,腹式呼吸を中心に,骨格と筋肉を意識しながら,身体を動かす,というトレーニングでした。なかなか良いです。

インストラクターの先生も言っていましたが,本来ピラティスはこうして身体の細かい感覚を求めていくので,マンツーマンでの指導の方が良いらしい。その通りだと思いました。集団だと,先生の指示(教示)を頭で理解しながら,それを体現しなければならないので,どうやってやるんだと身体と相談している内に次の指示に行ってしまって,あたふたしてしまいます。もちろん,慣れてくればその辺もうまくクリアできるんだろうけれど,微妙な感覚を追っていくので,やはり,マンツーマンで教えてもらった方が,効果もきちんと得られるだろうと思いました。

というわけで,ただの筋トレではないことが分かりました。いや,もちろん,だからこそ「ピラティス・メソッド」として独立したエクササイズとして成立しているわけだから,ただの筋トレではないことは分かっていたのですが,どう違うのかはやっぱり,読んだり見たりするだけでは分からないわけで,昨日,体験してみてその一端が少し分かった気がしました。

これは当面,続けてみたいです。ピラティス,良いです。(ピラティスの後のヨガに出ようと思ったら,超満員で参加できず。ホノルルでも人気でしたが,ヨガは日本でも人気です)

先週は,試しにエアロビクス的なクラス(超初心者用)に参加したのですが,それはそれで久しぶりに有酸素運動をしたぞ,という感じで良かったです。汗もかいたし,筋肉も普段使わないような使い方をしたので,速攻,攣りました。エアロビは,運動そのものは大して面白くないですが,元気よく動いて,動いた後のリフレッシュ感が良いですね。あれはあれで癖になりそうです。

2015年1月13日

身体心理学実践講座

あけましておめでとうございます。

本日13日(火)より5週,茨城県南生涯学習センター主催の市民講座(ローズ学園)で,身体心理学の実践講座を開きます。1週空くので,連続ではないですが,毎週火曜日の午前中,藤代公民館で,各種身体技法を実践しながら,身体心理学を体験していただく,という内容です。

去年は身体心理学に関する講義を,同じく生涯学習センター主催の市民講座でさせてもらいました。そこでは講義9割,身体的な技法実践1割,といったところだったので,今度は身体技法(実技)中心で是非,というお話をいただき,今回の講座として実現しました。

お話をいただいた1年半前は,ここまで身体技法をまとめて集中的にやれるのかどうか(5週も実技の講座ができるのか)不安でしたが,今回の講座をするという思いが一つのきっかけというか目標というか動機づけとなり,それまで個人的に実践していた気功(八段錦)に,ホノルルで学んだ各種の気功や太極拳の技法なども加わり,身体技法の研究会も毎週できるようになりました。

つまり,不安ながらもこのお話を受けておいたからこそ,結果的にホノルルでの滞在も(具体的な目標ができて)より充実したものとなったと言えます。

講座では,毎週の研究会や,この秋学期の授業でも実施した内容でやろうと思っています。この県南生涯学習センターの市民講座に参加される方は,人生の諸先輩の方々(ご年配の方々)が多く,20歳前後の若い学生ともまた違った熱意や意欲を持ってこられるので,今から楽しみです。