2020年8月30日

『”老子”の兵法』中国語版

 なんと!拙著『”老子”の兵法』(BABジャパン)ですが,たいへんありがたいことに,台湾にて中国語(繁体字)版に翻訳され,発売されました!



私の力というよりは,BAB編集者の森口敦氏のもと,絶妙な装丁デザイン(やなかひでゆき氏)と各章に添えていただいたイラスト(湯沢としひと氏)が,まずもって台湾の人の目を惹いたのだと思います。どうもありがとうございました。

発売早々に中国語版翻訳の話が舞い込んできていたのですが,まさかそうは言っても,台湾の出版社もとりあえず翻訳権を取っておくだけで結果的には翻訳されることはないかもね,ぐらいに正直思っていました(もちろん,翻訳されれば,そんな嬉しいことはないわけですが,でもねぇ)。

ですので,こうして実物ができあがってくると,嘘が真になったようで,本当に嬉しいです!真的非常感謝!

2020年8月26日

糸東流空手術 稔真門

私の空手の師匠であります小林真一先生の「稔真門」ですが,このコロナ禍の中,徐々に活動を再開しております。世の中仕事も生活もなかなか難しい状況であり,こういう中で新たに空手を始めよう!という人はなかなかいないかもしれませんが,「ウィズコロナ」ということで,できる範囲のところで新しい形での稽古を柔軟に模索しながら続けるのが,「武道的」というものだと日々,感じています。

稔真門 公式サイト → https://www.jinshinmon.jp/

トップページで,小林先生のサンチン,テンショウ,ハウファのダイジェストが見られます。稔真門では,空手「術」の本質である形(型)をひたすら稽古します。形(型)を延々と反復し,身体に染み込ませ,その一方で,形(型)の意味を考え,分解によって理解します。そうしてひたすら術を極めていくことが,翻って,やがて「道」となります。

ですから,最初から空手「道」と名乗るのは,よ~く考えたらおこがましいわけです。「道」と名乗るのなら,「道」とは何かを分かった上で名乗るべきだと思うからです。分からないなら名乗るべきではありません。稔真門では,ですから,空手という沖縄発祥の「術」の稽古をしています。

ずっと巣ごもりを続けることも一つの選択ですし,少しずつでも工夫しながら活動を広げていくのも一つの選択です。選択は色々あって良いと思います。



2020年8月23日

JIDAIさんの新著

 アートマイミスト・JIDAIさんの新著がこの度,出ました。『「動き」の天才になる!』(BABジャパン)です。

ここ数年は,月刊『秘伝』誌上で高い人気を誇っていますので,詳しくは『秘伝』を読んでいただいたり,前著『筋力を超えた張力で動く!』(BABジャパン)を読んでいただければと思いますが,とにかく,JIDAIさんは凄いのです!凄い人なのです!

つまり,この本は,そういう遙か彼方の天空まで突き抜けて凄い人が書いた本,ということです。身体を極めたJIDAIさんが,身体の動かし方の極意を惜しみなく開陳しています。

JIDAI ウェブサイト→ https://jidai9.wixsite.com/jidai

このJDAIさんのサイトでも,数々のJIDAIさんの動きを動画で見ることができます。が,実際に生で見て(体験して)みないとその本当の凄さは伝わりません。凄い凄いと何とも幼稚な形容ばかりですが,筆舌に尽くしがたい圧倒的な動きと表現力なので,言葉も幼稚になります。ですから是非,興味関心のある方はJIDAIさんの公演やワークショップに行かれると良いです。

特には,演劇人・ダンサー・スポーツ選手・ミュージシャン・芸人はじめ,身体パフォーマンスを生業にしている人は,一度はJIDAIさんを体験すべきだし,また,JIDAIさんの提唱する「エモーショナル・ボディワーク」は,心理臨床家ならば一度は体験した方が良いメソッドです(臨床活動・カウンセリング活動において,何かが変わるはずです)。

そのため,数年前には日本感情心理学会の年次大会で講演&ワークショップを開いていただいたり,同学会の機関誌(エモーション・スタディーズ)で論文を書いていただいたりしております。よろしければJIDAIさんの論文も是非ご一読ください。PDFでフリーにダウンロードできます。

JIDAI 2018 アートマイムから見た感情の身体性─その特殊性と普遍性─ エモーション・スタディーズ,4,1,3-12.

何を隠そう(何も隠していないですが:笑),JIDAIさんは,「舞夢踏」のときの先輩でして(詳しくは「経歴」のページ参照),もうかれこれ30年前ですが,最初にJIDAIさんを見たときの衝撃は今でも忘れません。こういう凄い人ってのは,もうすでに若いときから突き抜けて凄いのです。

というわけで是非一度,「アートマイミストJIDAI」を,ご一読・ご体験ください!

2020年8月12日

丁寧にやる

 丁寧にやる,というのはなにも一つ一つをじっくり時間をかけて隅々までやる,という意味ではありません。そういうのを馬鹿丁寧といいます。

そうではなくて,取り組むことの本質を見極め,そこにピンポイントに惜しまず力を注ぐ,ということです。

だから,そもそも自分にとって大切なものは何かを見極めること,そしてその大切なことのどこがポイントかを見極めることが大切です。丁寧に生きるとは,そういうことだと思っています。

なお,そういう見極めは,武術を初めとする身体技法によって養われるような気がします。なぜかというと,身体技法は一般に,自分の身体を見つめ,その状態や変化に気づき,勘所を見極める作業だからです。そういう心的構えが,見極めに役立つような気がしています。

なお,私がすでに見極めている,という意味では決してありません。そういう風に見極めて丁寧に生きたいなと常々思っている,ということです。

2020年8月11日

坐る

 仕事が山積すると,その山を少しでも小さくしたいから,一つ一つがついヤッツケになって,雑になります。でも,雑に仕事をしたところで,それは自分にとって何の糧にもならない。いい加減にやったところでそれは全部偽物な気がします。偽物の人生。嘘臭い人生。ただ早く終わらせて楽になりたいだけだから。

なので一つ一つ丁寧に仕事をしたい。せっかくこの世に短い生を受けて,今まで生きてきて,色々な縁で今それをやっているのだから,その一つ一つの仕事を,心を込めて丁寧にこなしたい。

そのためには,そもそもやるべき仕事を減らせるだけ減らさなければならない。いや,「減らす」というよりも,「厳選する」という方が正しいかな。人間は欲張りだからついあれもこれもと手を出すし,やると褒められたり感謝されたり尊敬されたり得をしたりするからつい調子に乗って,あれもこれもとやってしまいます。逆に,勇気を出して断ったり辞めたりできずに,やりたくないことまであれこれ背負い込んでしまいます。それに,一度手に入れたものは手放したくないものです。そうしているうちに,仕事がどんどん山積します。

生は思ったほどそんなに長いもんじゃないから,山積みの仕事をこなした先に何かきっと良いことがあると思ってひたすら上っ面だけ山を削っていても山は一向に減らず,気がついたら死の床まであと少し,なんてことになりません。そんなのは,偽物の人生じゃないですかね。

人はどうせいつか死にますから,名も益も,墓場まで持っていけません。ならば,生きているうちは丁寧に生きた方が良い。仕事を山積みにしてそれをとにかくたくさんこなすこともまた,人によっては生き甲斐なのかもしれないけれど,そんなに頑張ってどうする。そこにエネルギーを注ぎ込んでどうする。それって,一つ一つの仕事がいい加減になってないか?丁寧にやってるか?真心込めて向き合ってるか?

人間,仕事が多いと,一つ一つがおざなりになるんだよね。そうすると,やってること全部,嘘臭くなる。ヤッツケ仕事で,時間だけが過ぎていく。なんかそれって,偽物臭くないですかね。せっかく生まれてきたんだから,丁寧に生きたい。

だから,どうしてもやることが重なって,ついついヤッツケそうになったら,ともかく,坐ることにしています。

坐ると,落ち着きます。焦ってただこなすだけになっていた自分に気がつきます。気づいたら儲けもんです。

2020年8月9日

 正座で稽古していると書きましたが,痛いのは主に膝。でも正座は平気です。ただ,この膝痛はもうかれこれ6~7年自覚症状がありますが,なかなか治りません。いろいろ通いました。接骨も整形外科も。レントゲンを撮った限りでは問題なし。でもおそらく,レントゲンでは分からない損傷だと思う。たぶん,半月板損傷じゃないかと思っています。例えば,

https://utashima.com/meniscus-symptom/

を読むと,症状はそのままピッタリ。特に内側の痛み。特に左足(右足も少し)。膝バンドをしたりサポーターをしたり,膝に負担の掛かる動作を避けたりして自然回復を待っていながら,もう6~7年経ってしまいました。膝をかばうから,すねやふくらはぎの筋肉もつりやすかったり,股関節(大腿骨と骨盤がくっついている辺り)が痛かったりする。

そろそろちゃんと専門医に行って治療した方が良いのかな~,と思う今日この頃。


2020年8月6日

コロナと猛暑と稽古

長梅雨が過ぎたら急に暑くなりました。35度を超える猛暑が続きそうです。コロナ対応でマスクをして外を出歩くのはなかなか厳しいので,可能な限り家に籠もっていようかと思います。


家の中にずっといると身体がなまるので,春先はよく歩いていましたが,このところは長雨続きで今度は猛暑続き。歩くのには向いていません。家の中,部屋の中での運動となると,最近の流行りは「筋肉体操(筋トレ)」ですが,筋トレって辛いだけで全然つまらないですよね。面白くも何ともない。もともと体力も根性もない。

なので,せっかく動くなら面白い(楽しい)方が良い。私の場合はヨガ(陰ヨガと太陽礼拝)でじっくり緩く練った後に,最近はずっと「坐り稽古」をしています。やはり前々から膝の調子が良くないのと部屋が狭いのと両方の理由から,正座で木刀や杖を振ったり,上半身だけナイファンチやサンチンやテンショウをしたり,ときどきサイを振ったりしています。上半身だけ動かしてそれって空手なのか,という疑問もなくはないですが,空手は毎日やるものだから,足が痛ければ手だけでもやれば良いかな,と自問自答。

中でも「杖」は結構気に入っています。振れば振るほど操作感が増して,身体拡張感を感じられます。この長さ(4尺2寸1分=128cm)が絶妙にちょうど良いんでしょうね,きっと。