2015年10月22日

武術とマインドフルネス訓練

昨日,改めて,心身技法研究会で思ったことがあります。

研究会の目的はマインドフルネスを練ることであって,それに武術を用いています。マインドフルネスを一緒に練ることが目的なわけで,それには別に,武術である必要はありません。マインドフルネスは,ヨーガでも坐禅でも,茶道でも華道でも書道でも,ジョギングでもジムのバイクでも,練ることができます。

ではなぜ武術なのか。

答えはたぶん,「単なる好み」です。武術でなければならない必然性や理由は,突き詰めれば,特にはありません。武術が好きか嫌いか,武術でアプローチすることが楽しいか楽しくないか,です。

昨日参加してくれた学生の一部は,筑波大学人間学群の「人間フィールドワーク」という科目の一環で,来てくれている人たちです。正直,その人たちがみな,武術を好んでいるのかというと,かなり微妙です。

そうなると,武術的な解説をどれだけするか,マニアックな武術的指導をどれだけ入れるか,難しいと思ったわけです。昨日はたまたま,上記学生以外に,競技空手(スポーツ空手)をしている空手家の人が二人いたので,つい武術的な解説に熱が入ってしまったのですが,しかし,そうなると,一般学生・院生はたぶん,マニアック過ぎて意味不明だし,そもそも興味も関心もないことを聞かされてうんざりだろうなぁと,思ったわけです。

しかし,武術的身体を追求することがすなわち身体の微細な感覚へ意識を向ける一つの手段なので,武術的解説を一切無くす,ということもまたできません。というか,それでは全く面白くありません。

ここのところは,非常に迷います。どういうバランスで,どういうウェイトで,解説・指導するのが良いのか,難しいなぁと,つくづく昨日,思いました。マインドフルネスを練る研究会ですが,実質的には太極拳中心の体操教室のようなものです,とは断っています。が,やっぱり武術への志向性には人それぞれ強弱があります。だから,難しいなぁと,思いました。

2015年10月21日

坐式太極拳

慢性的に膝が痛い理由がだんだん分かってきた。太極拳をするとき,立ち方と腰(股関節,臀部)の開き方が良くなくて,そのせいで膝が内側に折れてしまい,そのまま体重移動していたせいで,膝の内側に過重な負担がかかっていたためだろう。おそらく。

いずれにせよ,けっこう慢性化しているので,稽古で修正が効かず,しかし稽古はしたいので,足(膝)に負担をかけない方法で稽古できないかと考えていたら,先日,ふと思い立ちました。

坐って太極拳をすれば良いんじゃないか?

立式が主流の八段錦ですが,そういえばBobに習ったのは坐式八段錦なわけです。何も坐ってやっちゃダメ(意味がない),という決まりもない。

さてそう思って,坐って(坐禅をするときと同じように,座蒲の上に座って半跏趺坐で坐り),上半身だけで太極拳をやってみたところ,これがぼちぼち,なかなか,良い具合です。

もちろん,下半身が動かないので全身の連動性は感じにくいし,重力も感じにくい面はありますが,気が流れる感じは得られるし,呼吸との絡みも感じられるので,それなりに良いと思いました。

こうすれば,車椅子に乗っている足の不自由な方も,また,足腰に不安のあるお年寄りの方も椅子に座ったままで,できる。

見た目には,道家の人がやっている瞑想のようです。そもそも太極拳は武術ではあるけれども道家瞑想でもあるわけだから,当たり前と言えば当たり前。

膝の痛みが落ち着くまで,続けてみようと思います。

2015年10月6日

有酸素運動

ここ数年特に,摂取量に対して消費量が少ないためか,年相応に,徐々に腹回りが豊かになってきたので,糖質制限をしています。夕飯に炭水化物(糖質)を摂らない。

ただ,それだけではなかなかお腹周りの豊かなタイヤは減らないので,先週から,スポーツジムでバイクをやり始めました。先週は,どの程度やったら良いのか分からず,あまり有酸素運動になりませんでしたが,今週は,友人にやり方を聞いて,心拍数140で30分間,こぎました。

かなりきつかった。けれど,気持ちの良いきつさでした。

普段,空手やタイチーの稽古をしていても,ハアハアと息が切れるほど動くことはありません。だから有酸素運動にはなっていません。ほとんど脂肪燃焼はしないでしょう。だから,そういう類のスポーツをするか(例えばバスケットボールとかサッカーとかスカッシュとか),ランニングやエアロビクスやバイクのような有酸素運動そのものをするかしかないと思ったわけです。

バスケットボールも若い頃やっていたのでやってみたいととても思うのですが,チームというかサークルに入らないと当然できないわけで,それはそれで煩わしい。一人で外をランニングするとなると,ちゃんとしたランニングシューズが必要になる。となれば一人ですぐにできる運動ということで,選択肢はスポーツジム。エアロビクスは,あの運動そのものがあまり趣味に合わない。そもそも50分も60分もインストラクターの指示に従って続けなければならないのは苦痛です。(そうやって集団で一緒に運動すると,一人ではできないような量の運動を続けられる,という効果は分かりますが)

とにかく一人で自分のペースでやりたいので,そうなると,後は「バイク」ぐらいしかありません。

これが意外と面白い。

若い頃は,この単純な運動が苦痛でしたが,年を取ったせいもありますが,ひたすらこぎ続けるというのがとてもマインドフルネスだなと,感じたわけです。マインドフルにこぐと,もちろん運動的には苦しいけれど,全体的には楽しいし,気持ちが良い。まさに「バイク禅」。

当分の間,続けてみようと思います。あまり無理をせず,心拍数140で30分。

2015年10月2日

宣伝

ちょうど今,店頭に並んでいる月刊『秘伝』10月号にて,ヨギーであり臨床心理士の松村憲さんとの,マインドフルネスに関する対談記事が,巻頭カラーで載っています。マインドフルネスのことはもとより,当然マインドフルネスと武術に関する話もしていますので,興味のある方は是非どうぞ。スポーツ雑誌コーナーです。まだ並んでいるところもあると思いますので,お早めに。

それから,今月10月14日に発売される『秘伝』11月号では,パントマイミストであり日本アートマイム協会会長のJIDAIさんと,パントマイムに関する対談記事が載ります。もちろん,パントマイムと武術に関する話ですので,こちらも興味ある方は是非どうぞ。

それから,私の翻訳書である『水のごとくあれ!』も出ましたので,こちらも興味ある方は是非どうぞ。