2015年11月28日

膝痛と坐式瞑想

このところ,坐って(半跏趺坐で),開合で呼吸を合わせたり,太極拳の起勢をしたり,あるいは,開手ナイファンチをしたりしています。

瞑想(あるいは気功)の本質は,呼吸(Breath)と身体運動(Body)と意識(Mind)を一つにしていく作業ですから,こうして安定して坐った状態でシンプルに練ることは,むしろ,本質に見合っている気がしてきました。そして,突き詰めていくと,さらに動きも減らしていって無くしていって,最後には,坐禅になりますね。

もちろん,全身で動くことの良さもありますから,どちらが良いとは言えません。

ただ,こうして1ヶ月ほど坐ってやるようにしていたら,慢性的な膝の痛みは,徐々に和らいできました。膝痛は,膝を曲げてゆっくりと体重移動することが原因であろうと思われます。太極拳や八段錦を練る際,いろいろと試行錯誤をしましたが,姿勢か向きか運動のどこかに気がつかない負担が掛かっているのだと思います。そもそも,慢性的に痛めてしまっているので,何をしても痛いのかもしれません。単に站椿をするだけで(膝を腰を緩めて少しの間じっとしているだけで),やがてミシミシとなり,ピリピリと電気が走るような痛みが感じられるほどです。

このせいもあって,最近はめっきり,坐って練っています。

これまで長くサンチンやナイファンチをしてきましたが,それでこういう痛みになったことはありませんでした。だから,太極拳のあの,膝を曲げてじんわり動く動作が(おそらくやり方がどこか間違っているか,気がつかない動作的な癖のせいで),長い年月重なって,慢性的な膝痛となって出てきた,ということだろうと思います。

以前,太極拳の師であるスティーブが足(つま先)を怪我したとき,怪我したことを悔やむのではなくて,「これは,何かを知る(考える)ためのチャンスだ」(なぜ足を怪我したのかを考えれば,それは自分の身体や心を知る上でのヒントになる)と,明るく笑いながら言っていたのを覚えています。

自分の膝痛も,いろいろなことを学んだり工夫したり考えたりするためのきっかけになっています。

2015年11月13日

ストレッチング

日本ストレッチング協会というところに入会し,その講習会を受けてきました。

http://j-stretching.com/

セルフストレッチングに関する講習会で,講習会後,ストレッチングトレーナーセルフ(CSTS)という資格の検定試験も受けてきました。

これまで自己流の柔軟体操をしたりストレッチングをしてきた中で,たまには専門の本だとか雑誌特集などもチラッと参考にはしてきましたが,文章と写真だけでは実際良く分からないもので,やっぱり,ちゃんと正式に教わると,きちんと伸びるし気持ちいいです。

身体技法は,どんなものでも,誰か人にちゃんと教わらないと,ダメですね。

この講習会・検定会は,自分のためのストレッチング講習会,ではなくて,一人で行うストレッチングを指導するための講習会・検定会です。まぁしかし,そもそも他人に指導する上で自分が正しくストレッチングできないと話にならないわけで(笑),その意味ではまず,自分のためのストレッチングではあります。

そもそもストレッチングとはどういうことかから,筋肉のこととか関節のこととか,代償動作だとかリスクだとか,いろいろと発見があり,刺激になりました。

ストレッチングは,もちろんケガの防止やリラクセーションなどのためのエクササイズですが,本質的には,身体を感じるエクササイズとしても,優れていると思います。

2015年11月2日

その場で立って太極拳

坐式太極拳も良いですが,その場で肩幅に並行に足を置いたまま,体重移動なども入れながら上半身で練る太極拳も,良いかもしれません。

利点としては,第一に場所を取りませんね。得てして太極拳は套路の移動距離が長くて,気持ちよく途切れずに練るためには結構広い(長い)場所が必要です。そのために僕は,楊家の八式と言われる左右対称の短い套路で太極拳を練っています。これをさらにその場で移動せずに練ると,場所はまったく取りません。

もう一つに,じっくりとそこに立つので,足の裏で大地につながる感覚がより得られる感じがします。もちろん,太極拳そのものがじっくり大地につながる練功なのですが,その場にそのまま足をつなげながら体重移動をじっくり味わうと,よりつながる感じがする,ということです。

こうすると,少し空手に感覚が似てきます。空手と太極拳(楊式)の違いは,空手は比較的両足を同時に地につけている時間が長いのに対して,太極拳は同時に両方足をつけるときがあまりありません(常にどちらかに体重が乗っているか,一方の足は地面から離れている,つまり陰陽になっています)。

足の具合としては,起勢(起式)のままで練る,ということです。

そもそもこうしてみようと思ったのは,相変わらず膝の痛みが引かないせいであり,もちろん,坐式でやればそもそも足を使わないので痛まないのですが,どうにか,立った形でやりたいと思い,こういうやり方でやってみています。

これを命名すれば,Grounded (Grounding) Tai Chiでしょうか。