2015年8月31日

マインドフルネス学会2

2日間,マインドフルネス学会に参加しました。

初日は,井上ウィマラ先生の仏教系の瞑想,坂入先生の自律訓練法,二日目の朝はヨーガの瞑想法を体験できました。どれも勉強になりました。

体感的に,なるほどといろいろ思うところあり,少しずつ実践していければと思います。

例えば一つには,先日の松村先生とのセッションで,大地(地面)を押す(push)感じ,というのを教わりましたが,井上ウィマラ先生の教示では,大地で支えられている感じ,と仰ってました。いやもちろん,今までもそれに似たようなインストラクションは読んだこともあるし,言ってみればそういうことだろうというのは色々ありますが,改めてそのところ(支えられている感?)を特に強調されていたので,なるほどそうかと,思った次第です。後はdrop into your body というのを強調されていました。これはおそらくsink consciouness のことだと思いました。

他のセッションでも,いろいろ興味深いことがたくさんあったので,ここに全部を書ききることはできませんが,いずれにしても,武術ばかりでなく,違う分野のワークをやるのは,とても刺激になりました。機会があれば,外でやっている各種セミナー,ワークショップ,講習会等々に出向ければなぁ,とつくづく思いました(でも,出不精だからな~;笑)。

2015年8月29日

マインドフルネス学会

今日明日と,早稲田で日本マインドフルネス学会です。第2回大会。

まず今日,土曜日は午後に,井上ウィマラ先生(高野山大学)の研修会に参加する予定です。研修のタイトルは,「自分を見つめ,他者を見つめ,関係性の中で覚知を高める:マインドフルネスにおける内外の視点」です。なんとも楽しみです。

明日は研究発表やシンポジウムです。こちらも楽しみです。

今年からようやく,会員になりました。

2015年8月21日

空間

歩幅が広いと,Steveによく言われます。僕の歩幅は,karateスタイルだと。

しかし一方で,随分昔ですが,小林先生にも歩幅が広いと言われたことを思い出します。あれから試行錯誤して歩幅はそれでも随分狭くなったと思っていたのですが,Steveからすればもっと狭くて良い,ということでした。

広いとエネルギーを使う。だから体育的には良いかもしれない。しかし,力を使うと言うことは無駄な(必要以上の)力がかかっていることになる。Tai Chiは,そこんところ,つまり,無駄な力は使わないようにする。無論,空手とて,最小のコストで最大のパフォーマンスをもたらすことを求めます。

さてその歩幅だけれども,人間というのは面白くて,普段,形を練っている「場所」の広さに合わせて,微妙に調整しながら動くものだなと,つくづく思いました。というのも,今まで練っていた部屋よりも狭い(面積的に小さい)部屋で練るようにしたら,あれほど歩幅がなかなか狭まらなくて試行錯誤していたのに,容易に狭くなったからです。

その一定の広さの中で動こうとすれば,自然と,調整されるということです。

だからきっと,とても広い体育館だとかで形を練ったら,きっととても歩幅が広がるんじゃないかと思いました。だから,体育館で稽古する大学空手は歩幅が広いのかもしれません。一方で,仮に沖縄の空手が本来,狭い裏庭だとか,狭い部屋の中だとかで密かに稽古されてたりしたら,きっとそのせいで歩幅は狭くなるのかもしれない,とも想像します。

空手は本来,歩幅は狭い。基本は基立ち。いわゆる自然立ち,です。前屈立ちってのはなかったという話もありますし,いわゆる全空連なんかが示す前屈立ちは,広すぎます。体育的には,良いかもしれません。若者が足腰を鍛えるために,歩幅を広く取るのは,訓練としては良いかもしれません。つまり,大学空手・体育空手・部活空手です。

でも,たぶん武術的には,そんなに歩幅を広く取るのは,むしろ不利なんじゃないかと,思われるわけです。その体勢から動き出すのに,無駄にエネルギーを要するからです。体を鍛えるには,負荷をかけなければならないわけで,体育としてなら歩幅は広い方が良い。でも,武術としてなら歩幅は狭い方が良い。

さて話を戻すと,稽古をする空間というのは,動作を規定するわけで,であるならば,それをどう利用するかも含めて,場所の選定というのは重要ですね。

2015年8月12日

松村憲さん

昨日,月刊『秘伝』の企画で,臨床心理士であり認定プロセスワーカーでありクリパルヨガのトレーナーである,松村憲さんと対談しました。(その場では対談でもあり敬意を込めて「先生」と呼ばせていただきましたが,ここでは親しみを込めて「さん」と呼ばせていただきます)

松村さんが最近,『日本一分かりやすいマインドフルネス瞑想』という本をBABジャパンから出版されたことがきっかけの一つとなり,マインドフルネスを中心に,2時間ほどお話しさせていただきました。

いや,いろいろと勉強になりました。非常に有意義でした。ここに全部は書ききれませんし,松村さんの言葉をこれから少しずつ消化していければ良いなと思っていますが,一つ,これは早速試せそうだと思ったものがあります。

クリパルヨガの基本ということで,まず,真っ直ぐに立つこと。そのとき,「足の裏で地面を押す」ように立つと良い,ということ。僕はこれまで,Bob(R.G.サンティ)の教えに沿って,根っこが生えるように,と実践し,また,教えていましたが,なるほど押すように立つと足の裏でさらに地面を感じることができます。

実は先日,Steveも,Flying Eagleという,気功の簡単な動作をしているときに,足の裏で押すように,と言っていたところでした。偶然の一致ですが,まさしくシンクロニシティです。まったく同じ事をこうして前後して同じ時期に二人の先生が僕に教えてくれるということは,きっとそうしなさいという,神の思し召しだろうと(笑),実感しました。

それから,もう一つ。ヨーガ(ヨガ)については,僕は,そんなに詳しくないくせに生半可な知識でこれまでずっと,「ヨーガ」と表記する種類がマインドフルネスを育てる伝統的な本来のYogaで,「ヨガ」が現代的なフィットネス・エクササイズなYogaだと思っていました。

いやしかし,クリパルヨガは,全然違いました。クリパルヨガは,マインドフルネスを育てるヨガ,そこんところを重視した,言ってみれば,より本質的なところを中心に位置付けたヨガ,ということでした。実際,ごくごく簡単にですが,その実践体系の概要を見せていただいたのですが,無理のない動作と,より内面的な身体感覚への気づきを重視した,気持ちよさそうなヨガでした。

クリパルヨガのことばかり書きましたが,松村さんは,アーノルド・ミンデルのプロセスワーク(プロセス指向心理学)に基づいた臨床心理士であり,実際に何度もタイを訪れるなどヴィパッサナー瞑想の修行をかなりディープに長くされていて,ご自身のセッションやセラピーでマインドフルネス瞑想を取り入れ指導している第一線の臨床家です。

ですので,本当にとても良い勉強になりました。言葉一つ一つに実体験に基づく重みがありました。

これもまた武縁です。
武縁に感謝です。ありがとうございました。

2015年8月8日

ファンソン

タイチ(太極拳)あるいは中国由来の武術や身体技法には,腰と膝を緩めるファンソン(放松,放鬆)というのあります。

空手も中国由来の武術ですので,同じような腰と膝の使い方をします。

このファンソン,それこそ術としての基本中の基本でありつつ,それでいて永遠に体得できないんじゃないかと思えるほど難しい身体操作だということは,タイチをされている方はお分かりかと思います。いや実に難しい。

多くの人が言葉で説明しようとしていますが,結局は体感するしかなく,それは師の教えと動きとを踏まえながら,自分で自分の身体を探りながら(対話しながら),見つけていくしかありません。

主にはやはり腰の操作でしょう。
臍を上に向けるとか,骨盤を立てるとか,言います。

空手では,我が師である小林先生やその師である西田先生は,(尻を)締める(巻き込んで前に絞り込む)と言います。そうすると必然的に骨盤が回転して立ちます。臍が上を向きます。結果,膝も緩みます(緩ませないと,この動作をそもそもできません)。西田先生はしかし,骨盤の立てすぎというか,回転しすぎというか,大げさに立てる必要はない,とも仰っていました。解釈すれば,締めすぎもまた良くない(やり過ぎは良くない),ということでしょうか。

タイチでは,我が師であるSteveは,尾てい骨(tailbone)を巻き込む・挟み込む(tuck),と表現します。そうすることで腰(lower back)が開きます。腰眼のツボが開きます。動作としては,小林先生や西田先生の言っていることと同じになります。

いやしかし,こうじゃないかといろいろ試してやっていますが,これだ!という感覚には,まだまだほど遠い。