2015年8月21日

空間

歩幅が広いと,Steveによく言われます。僕の歩幅は,karateスタイルだと。

しかし一方で,随分昔ですが,小林先生にも歩幅が広いと言われたことを思い出します。あれから試行錯誤して歩幅はそれでも随分狭くなったと思っていたのですが,Steveからすればもっと狭くて良い,ということでした。

広いとエネルギーを使う。だから体育的には良いかもしれない。しかし,力を使うと言うことは無駄な(必要以上の)力がかかっていることになる。Tai Chiは,そこんところ,つまり,無駄な力は使わないようにする。無論,空手とて,最小のコストで最大のパフォーマンスをもたらすことを求めます。

さてその歩幅だけれども,人間というのは面白くて,普段,形を練っている「場所」の広さに合わせて,微妙に調整しながら動くものだなと,つくづく思いました。というのも,今まで練っていた部屋よりも狭い(面積的に小さい)部屋で練るようにしたら,あれほど歩幅がなかなか狭まらなくて試行錯誤していたのに,容易に狭くなったからです。

その一定の広さの中で動こうとすれば,自然と,調整されるということです。

だからきっと,とても広い体育館だとかで形を練ったら,きっととても歩幅が広がるんじゃないかと思いました。だから,体育館で稽古する大学空手は歩幅が広いのかもしれません。一方で,仮に沖縄の空手が本来,狭い裏庭だとか,狭い部屋の中だとかで密かに稽古されてたりしたら,きっとそのせいで歩幅は狭くなるのかもしれない,とも想像します。

空手は本来,歩幅は狭い。基本は基立ち。いわゆる自然立ち,です。前屈立ちってのはなかったという話もありますし,いわゆる全空連なんかが示す前屈立ちは,広すぎます。体育的には,良いかもしれません。若者が足腰を鍛えるために,歩幅を広く取るのは,訓練としては良いかもしれません。つまり,大学空手・体育空手・部活空手です。

でも,たぶん武術的には,そんなに歩幅を広く取るのは,むしろ不利なんじゃないかと,思われるわけです。その体勢から動き出すのに,無駄にエネルギーを要するからです。体を鍛えるには,負荷をかけなければならないわけで,体育としてなら歩幅は広い方が良い。でも,武術としてなら歩幅は狭い方が良い。

さて話を戻すと,稽古をする空間というのは,動作を規定するわけで,であるならば,それをどう利用するかも含めて,場所の選定というのは重要ですね。

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