2022年10月31日

アンホーリー 忌まわしき聖地

(原題:The Unholy)(アメリカ,2021)

生まれつき聴覚障害だったアリスが,ある日突然,話せるようになった。アリスは,「マリア様」の力だと言う。マリア様の声を伝えるのだと言う。その「奇跡」に,やがて人々が集まってくる。奇跡と認定されれば,そこは「聖地」となる。

★★



2022年10月29日

オセロ

1年ほど取り組んで2級までたどり着いた「将棋」ですが,最近はもうすっかり遠のきました,結局,息抜きやリフレッシュや気分転換のためにやる将棋への取り組みがストレスになっては,まさしく本末転倒です。要は,かなりの集中力とエネルギーを使うことと,勝ち負けへのこだわりが捨てきれないことが原因であり,マインドフルネスの良い訓練だと思っていましたが,いやいやもう全然,凡夫の自分には過酷すぎる修行でした(笑)。

一方,最近はまっているのが「オセロ」です。オセロは,将棋にくらべて展開のバリエーションはそれほど多くありません。しかし,セオリーや技はあるので,奥は深く,上級者は基本的に強い。ただ,上級者にまったく勝てないわけではありません。それは,オセロというゲームのシンプルさにあると思います。

8×8のマス目に交互に石を置いていき,挟んだら裏返す。ただこれだけのルールですが,オーソドックスな攻めや受けのセオリーもあれば,駆け引きもあって,面白い。そして何より,マスが埋まれば必ず終わります。僕がやっているのは「オセロクエスト」ですが,互いに持ち時間5分で,時間切れはほぼなく,ゲーム時間はだいたい5~6分です。

こういうゲームだからなのか,将棋のときのあのストレスが,オセロをするときは,ありません。シンプルだけど,いや,シンプルゆえに奥が深い,というのが良いのだと思っています。たぶん,将棋の場合,いかに先まで読むかが要になってくるので,頭の中で複雑な駒の動きのシミュレーションをかなりしなくてはいけない一方,オセロももちろん読みは必要だけれど,やることは白黒の石の挟み方なので枝分かれの数や読む先の手数は,将棋ほど多くなく,そのときそのときで判断していく感じなのではないかと思うのです。だから,頭がそんなに疲れない。ストレスにならない。

でもって,ゲームの性質上,展開がうまくいくとたまに上級者にも勝つことがあるので(偶然や幸運もありますが),気分が良い。負けたら悔しいし残念だと思いますが,毎回が5分そこそこの勝負なので,すぐ次にチャレンジできます。将棋は,長いゲームや考え抜いたゲームをした果てに,一回のミスで負けると,ほんと悔しい(笑)。

上級者に勝つことがたまにある一方で,自分が逆の立場になることもあるので,オセロってのはそういうものだと納得できます。つまり,たまに予想外に勝ったり負けたりする,そういう性質のゲームなのです。でも,それなりにセオリーがあるから,基本的には上級者が勝つことが多い(実力に差があれば,偶然勝つことは少ないけど)。世の中には運や偶然性の要素の強いゲームもあり,そういうのが好きな人もいますが,オセロは基本的には経験と技術の勝負である一方,展開によっては負けたり勝ったりする,そういうゲームだと思います。

将棋は,個人的には2~1級の壁のようなものがあって,2級以上はほぼ実力通りの結果になってしまうから,棋力を上げないと全く勝てる気がしません。つまり,この先は,1級から初段を狙うためにギアを上げて努力する人と,できない人(努力しないから勝てない人)の分かれ目なんじゃないかと思います。僕は明らかに後者。

というわけで,シンプルゆえに奥の深いオセロに最近はまっています。気分転換,息抜き,リフレッシュに,ちょうどよい。結局,「初段」を狙うとか,そういう「目的性」をもつことが良くないのだろう(それがストレスの原因となる)ということは,マインドフルネス的にも,また,仏教的にも言えるわけですが,なかなか抜けきれませんでした。その点,オセロはあんまりそういう気分(段級位への強いこだわり)にならないのはなぜか。

日本オセロ連盟が認定する段級位制度はあるものの,そもそもその外部的な段級位へのこだわりがあまり喚起されないからかもしれません。なぜ喚起されないのか。そういう級段位制度が一般に知られていないからでしょうか。ただ一方で,単純に,白黒がひっくりかえるそのシンプルなゲーム性そのものの楽しさが全面に出ているからでしょうか。将棋の場合は,戦場の最前線を模していますが,オセロはもう少し俯瞰的な地形的戦略(陣地取り)を模している気がします(囲碁に近い?)。そこも,将棋の方が1対1の勝ち負けにこだわる,つまり,私と他者の上下関係(強弱関係)に強くこだわってしまう一因なのではないかと思われます。この「なぜ」については,またいずれ考察したくなったら考察します。



伊藤真の憲法入門(第七版)

伊藤真 2022 日本評論社

中学高校の社会,それから大学1年生のときに取った「日本国憲法」以来,「憲法」について久しぶりに学んだ。いろいろと目から鱗でした。知っているようでその本当の(?)意味はよく分かっていないことがいかに多いか。表面的に字面を読むだけでは,その意味を自分の既存の知識だけで読むために,いかに中途半端で偏っていて足りていないことが,つまり,憲法が正しく分からないことが,よく分かりました。

最初からきっちりした教科書を読むよりも,まずはこの伊藤真の入門シリーズを選んで正解なような気がしています。このシリーズは,講義を採録(文字化)して読み物として整えている「講義再現版」なので,講義を聴いているようで読みやすい。


2022年10月18日

伊藤真の法学入門[補訂版]

伊藤真 2017 日本評論社

「法学検定」のベーシック(基礎)コースを受検してみようかと思い,まずは分かりやすそうな本から読み始めてみました。勉強になることが多くて,面白いです。

受検を思い立った理由としては,本務校で,公認心理師科目の「司法・犯罪心理学」を担当しているのですが,本校には法学部もありまして,心理の学生に加えて,法学部の学生にもこの科目の受講を開放しています。そのため毎年,受講生の半分ぐらいは法学部の学生です。それで,専門の心理学的なことを話すにしても,基本的な法学的なことをある程度分かっていたり,背景的な知識や関連する知識をある程度知っていたりする方が,説得力が増すだろうと思いまして,それで「法学検定」を受けてみようかと思ったわけです。

しかし,法学検定の一番簡単なコースである「ベーシックコース」は,<法学部1~2年生程度>というのが基準ですから,法学部でもない私からすれば,実際,かなり難易度が高い。それは,毎年発売されている「問題集」を見て思いました。もちろん,常識的に考えれば正解できる問題もあることはありますが,専門的なことはやっぱり,学んでいなければ分からないものばかり。そりゃそうだ。

そこでまずは,読みやすい入門書や教科書を一通り読んでから問題集に取り組もうと思いました。それで見つけたのがこれ。この「伊藤真の●●入門シリーズ」です。アマゾンのレビューでも,高評価(好評価)が多かったので買いましたが,確かに分かりやすい。

法学検定のベーシックコースは,「法学入門」「憲法」「民法」「刑法」の4分野からなります。まったくのド素人の,法学部でも何でもない私が1年間勉強して受かったらすごいだろうと思うので,飽きずに1年間勉強できれば挑戦します。途中で飽きるかもしれませんが(笑)。


2022年10月16日

牛首村

(日本,2021)

清水崇監督の「村」シリーズ第三弾。心霊スポットにまつわる怪。「犬鳴村」「樹海村」に続く「牛首村」。怖いか怖くないかといえば,怖くないかなぁ。でも,たぶん観ないだろうと思っていつつも結局観たのだから,心の奥では期待してたわけで,その期待がなければもしかしたら十分怖いかもしれない。

で,結局,最初の「犬鳴村」が一番怖いような気がする。シリーズの2つ目や3つ目は,難しいね。期待があるからだろうね。

というか,主演のkoki,さん,父親はご存じキムタクですが,もう,キムタクそっくりです。観ている間,それがずっと気になって気になって。

★★



2022年10月10日

機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅰ~Ⅵ

(日本,2015~2018)

全6話。シャアの物語。1年戦争の前まで。漫画の『THE ORIGIN』のたしか中ほどの部分だったかな。

★★★



2022年10月8日

どうしても頑張れない人たち

宮口幸治 2021 新潮新書

「ケーキの切れない非行少年たち」の続編。頑張ろうとしてるけど,どうしても頑張れない人たちを,どう支援していくか。