2015年2月26日

陳氏太極拳

陳沛山師の,『太極拳超入門』を読みました。太極拳をする人なら流派を問わず,また,他の武術をされている人も,太極拳の目指しているところを分かりやすく知るためには,とても良い本です。

この中で陳師は何度も,太極拳は単なる健康体操ではない,太極拳は単なる表演競技ではない,と書いています。ところどころ,書き方に配慮していますが,そうした競技の太極拳(制定の套路で競い合う太極拳)や健康目的の体操太極拳とはっきり区別したい,それらと一緒にしたくない,という思いが滲み出ています。

まさにその通り。

太極拳は動きの綺麗さ・正確さを競うものでも,単なる健康維持・増進のためのものでもない。本書にもあるように,太極拳は,武術であり哲学です。

陳師は,日本で,「陳氏太極拳協会」という団体を主催されています。とても大きな団体で,かなり多くの教室と会員がいます。でも,この陳師の思いの本質や,本書に記されているレベルでの身体操作の意味が果たしてどれだけ会員一人一人に浸透しているかは,なんとも微妙な気がします。

というのも,おそらく会員の多くはご年配の方々で,失礼ながら多くは単に健康体操として,多くは意味も分からず表面的な動きをなぞっているだけ,なのではないかなぁ。まぁしかし,人それぞれ目的が違っていても良いですからね。仕方ないです(でももったいないですが)。

この本は非常に良い本です。会員の人たちはここに書いていることをみなさん実践しているとすれば,それは本当にすごいことだし,素晴らしいことです。

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