2022年7月29日

将棋とマインドフルネス

将棋は,マインドフルネスを練習する良い材料になるなぁと,このところつくづく感じています。いや,マインドフルネスを練習する手段ではなく,マインドフルに将棋をすると楽しい,という方が正しいですね。

将棋の対局前,対局中,対局後というのは,いろんなことを思ったり感じたりします。そして,その思考や感情に揺れまくります。引っ張られまくります。これといかに距離を保ちながら対局に臨めるか。思考や感情に囚われずに,次に何を指すかを考えて実行する。

勝ちたい(負けたくない)と思った瞬間に,焦ってミスをする。ミスをしたら腐ってますます悪手を指してしまう。だから,勝ち負けに囚われずに,いかに今その瞬間において自分が考えられうる最善手を選択できるか。

ミスして負けた時は心底悔しいけれど,最善手を尽くして負けた時は案外悔しくない。それは明らかに相手が自分を上回っていたから。そういう場合は,「そうか,そう来るか」「そうか,そういうときはそう受けるのか」「そうか,そういう手があったか」「そうか,そういうときはそうすると良いのか」という気づきがある。だから,負けても悔しくない(いや,多少は悔しいけど:笑)。

なので,いかにマインドフルに指すかが,将棋というゲームを楽しめるかどうかを左右する重要なポイントだと言えます。そんな風に最近思っています。

「負けたらくやしい」ので「負けたくないから対局したくない」と思う時期がありました。ネット将棋の場合,負けたらレーティングや勝率・達成率も下がります。だから,どうしても負けたくない。勝たないといつまでも昇級しないし。だからつい,「勝ちたい」という思いが強くなりすぎてしまいます。

でも,そもそも,お前は昇級することが目的なのか,それとも将棋をする(楽しむ)ことが目的なのか,どっちなんだ!?ああん?まぁ,確かに将棋を楽しむことが目的なんだけれどもさ,やっぱり昇級昇段もしたいじゃないですか・・・。

しかし,あるとき思いました。「負けてもともと」だと。すると,対局前に「負けるかも」というネガティブな予測(心配)が湧かなくなりました。「負けたくない」のならあえて「負けてもともと」だと思って対局することが,バランスとしてちょうどよいのかもしれません。その方が流れに背いていないからでしょうか。

流れに抵抗せず,流れのままに。そういう,中立的な,ニュートラルな気持ちで臨めば,おのずと集中し,盤面全体を観察することができ,ミスも減り,現状の棋力でもって最善手を指せる,そんな気がしています。


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