2023年5月2日

ウルフマン

(原題:The Wolfman)(アメリカ,2010)

ユニバーサル映画。「狼男」。主演は,ベニチオ・デル・トロ。この濃い顔,どこで見たっけなぁと思って検索してみましたが,『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』のDJぐらいでした。でも,一度観たら忘れられない濃さです。父親役は,アンソニー・ホプキンス。追いかける警部役は,『マトリックス』のヒューゴ・ウィービング。まぁ,話としては凡作。狼男への変身シーンも,結局,CGだから,何とでもなっちゃうし,それだけ何だか嘘くさいというか空々しいというか。ただ,殺戮場面は非常に生々しい。

やっぱり,狼男と言えば,僕らの年代だと,『狼男アメリカン』(アメリカ,1981)でしょう。あの特殊メイクのリアルさには感動しました。最後に流れるMECOの「ブルー・ムーン」は泣かせます。また観たいなぁ。

★★


2023年4月22日

このゲームにはゴールがない:ひとの心の哲学

古田徹也 (2022) 筑摩書房

言語哲学。門外漢なので正しいのか分からないけど,いわゆる「心の哲学」とくに「他我問題」を言語哲学的に考えた感じでしょうか。言っていることは分かるし,なるほどそういう風に見ればそうだよね,というところもあるけれど,そもそも僕はこの本の中でいう懐疑論的な立場というか,その立場をただ面白がってる遊んでいるだけなところはあるので,なんだかその遊びを注意されてる(ふざけないでちゃんと考えなさい!)みたいで,そこんところがちょっと面白くない。懐疑論とか反懐疑論は,理論でもなんでもない(から,不毛だ)と言っているからね。でも,本書の結論も結局,懐疑論の範疇から出ないんじゃないかなぁ。分からんものは分からん,そういうゲームなのだ,ということだし。いや,しかし,そこが僕の哲学的理解の浅さなのかもしれない。よく分かりません。古田先生ゴメンナサイ。こういう,哲学的な詳細が,踏み込んでいくうちにだんだん分からなくなって思考が混乱して曖昧になるところが,徹底的に哲学できない僕の性質いや限界なのであって,たぶんそれが心理学者になった理由のような気がしています。哲学者ってのは,だからいつでも尊敬しています。いずれにせよ,他者の心をどう思うか,という議論や,感情や意思や動機というものをどう扱うか,心とは何か,って話は面白いし,僕自身にとってもずっと本質的な問いです。



2023年4月11日

ブレット・トレイン

(原題:Bullet Train)(アメリカ,2022)

東海道新幹線で殺し屋対決。なんとなくヘンテコな日本は興味深い。ってか,邦題が「ブレット・トレイン」だけど,「弾丸列車」で良いんじゃないかね。

★★



2023年4月6日

2023年3月31日

家へ帰ろう

(原題:The last suit)(スペイン/アルゼンチン,2017)

とても良い映画でした。

アルゼンチンに住む,頑固で偏屈な仕立て屋の老人アブラハム。たくさんの子供と孫に恵まれたが,悪くしていた右足はとうとう切断しなくてはならないほど悪化し,老人ホームに入れられることに。しかしその前に,70年前,ナチスの迫害から守ってくれた親友のいるポーランドに,ある約束を果たすために,一人旅立つ。それは,自分の仕立てたスーツを届けることだった。

★★★★


2023年3月24日

カオス・ウォーキング

(原題:Chaos walking)(アメリカ/カナダ,2021)

これはなかなか面白かった。良かった。

西暦2257年。人類は地球から遠く離れた惑星「ニュー・ワールド」に入植した。しかし,この惑星では,理由は分からないが,男だけ思考が外に漏れ出てしまう。思考は音声化(言語化)されたり映像化(視覚化)されたりする。だから男は昼も夜も騒々しく,頭の周りには常に何か七色の煙のようなものが立ち込めている。

青年トッドの住む村に女は一人もいない。なぜなら,この惑星の先住民スパクルにことごとく殺されたからだ。あるとき,地球から来た宇宙船から出発した偵察船(先発隊)が,大気圏突入時の事故で,トッドの住む村の近くに不時着する。生き残ったのは一人の女性(ヴァイオラ)。トッドが彼女を見つける。

主演は『スパイダーマン:ホームカミング』のトム・ホランド,監督は『オール・ユー・ニード・イズ・キル』のダグ・リーマン。原作は,パトリック・ネスの『心のナイフ(原題:The knife of Never Letting Go)』。

ここで「思考が漏れる」というのは,自分の考えていることが他者に知られてしまい,他者の考えていることが分かってしまう,ということである。まさに統合失調症の症状である「思考化声」や「思考伝播」のような状態であり,これはかなり生きづらい。想像以上に生きづらい。

Never Letting Goという原作のタイトルも,思考(心)とは「手放せないもの」という意味もあるかと思います(それを手放していこうとするのが,マインドフルネス瞑想であり,仏道修行ですね)。

先住民スパクルとの関係も考えさせられるものがあります。映画も,単なる異形の野蛮な怪物ではなく,入植者である人類との関係を考えさせるように描いています。

★★★★


統合失調症

村井俊哉 2019 岩波新書

統合失調症の実際を,非常に分かりやすく解説した良書。統合失調症という疾患(症候群)を,治療する医師の立場から丁寧に説明しています。統合失調症に対して持っている思い込みやあいまいな認識が解消されて,かなりクリアになりました。良い本です。

奇しくも,今から59年前(1964年)の今日,「ライシャワー事件」が起きたと,NHKラジオ『マイあさ!』の「今日は何の日」で言ってました。


2023年3月21日

サイバー・ゴースト・セキュリティ

(原題:Nekrotoronic)(オーストラリア,2018)

邦題はイマイチ。原題の「ネクロトロニック」のままでも良いと思う。ちゃちいタイトルほど内容は薄くない。まぁまぁ良い映画。アクションも,悪魔や幽霊の造形や演出も,物語の設定も悪くない。

人間の魂を吸い取る悪魔(デーモン)と,それを退治するネクロマンサー(魔術師,悪魔ハンター)との戦い。現代の悪魔はネットに入って人間の魂を吸い取る。だから戦いの舞台はときどきネットを経由するわけだけど,実際は魂が移動するときにネット経由するぐらいで,バトルはリアル。だから,サイバー・ゴースト・セキュリティなんて,ちゃちい邦題つけずに,どうせ横文字にするならそのまんま「ネクロトロニック」(ネクロマンサーとエレクトロニックの合成語だろうね)で良いのに。その方が,「何これ?」って思うしね。「サイバー・・・」じゃ,ねぇ。

一番良いのは,主人公に憑りつく悪霊。主人公の親友(仕事の相棒)が殺されちゃうんだけど,主人公の魔術力でもって,不可抗力で悪霊になって主人公に憑りつくわけなんですが,これがなかなか良い味出してます。

★★★


シン・仮面ライダー

(日本,2023)

映画館で観ました。観客の9割は,50~60代でした。

★★★


2023年3月16日

2067

(原題:2067)(オーストラリア,2020)

やたらピンチや葛藤にさいなまれる主人公とその周りの登場人物の行動や態度の理由がいろいろとよく分からないところがたくさんあって,映画的ご都合主義のオンパレードかと思いきや,見終わった後にいろいろと反芻するに,まぁそれなりに辻褄は合っているような気がします。よく分からないところは,そこそこ解決されます。

しかし,なんで主人公のイーサンが大人になるまで(だいたい20年間ぐらい?)計画が実行されなかったのか,そこんところがやっぱりよく分からん。大人じゃないと操作できないとか,9歳の子供じゃ転送に耐えられないとか,人間を転送する技術に至るまで20年の時間を要したとか,何か一つ理由があればいいんだけど・・・途中で見逃したかな?(「技術を完成させるのに20年を要した」のかもしれません。もう一度観たら分かるかも)

タイムトラベルものです。壊滅的な環境破壊によって,人口酸素によって生き延びている近未来の地球。2067年。万策尽きたところで,407年後の未来から一つのメッセージが届いた。それは,「イーサン・ホワイトを転送しろ」であった。407年後に生き延びた未来人が,何か根本的な解決を与えてくれるのかもしれない・・・。

もう一つ分からない(引っ掛かっている)のは,イーサンの妻の態度と言動。なぜ未来へ行くことをそんなに奨めるのか。夫を愛する奥さんであれば,「あなた,そんな危険なところへ行かないで!離れ離れになるのは嫌!二度と戻ってこれない(会えない)かもしれないじゃない!」なんて言って別れを惜しむ(=イーサンを止める)どころか,むしろ行く方を推す,ってのはちょっとどうなんだろう?(何か裏があるんじゃないの?と勘繰るも,結局,裏はない)ここは,何かの使命感に駆り立てられて,危険を冒してまでも行こうとするイーサンを引き留める方が良くて,その引き留める妻を説得して,涙の別れ,って方が自然なんじゃないかね。葛藤を演出するにはその方が良いわけだけど,行きたがらないイーサンを行くように説得する妻の,行動原理が良く分からん。

もう一つ分からないのは,なぜ母親と9歳のイーサンは,父親の指示で「夜の散歩」に出かけるのか(実際,そのために,母親は殺されるのだが)。もう一つ決定的に分からないのが,・・・ああ,こう書き始めると,いろいろ分からないところがやっぱりたくさんあります。

★★