2020年12月8日

沖縄スパイ戦史

(日本,2018)

第二次大戦末期,アメリカ軍が沖縄に上陸し,日本軍との激しい戦闘がなされる。このとき,日本軍は沖縄に「陸軍中野学校」の青年将校を送り込み,部隊を組織し,遊撃戦(スパイ戦,ゲリラ戦)を展開した。

沖縄のことを知ることができると思って観ました。タイトルからはすぐに分かりませんが,この戦争末期の沖縄戦で駆り出されるのは,10代半ばの少年達。少年兵です。圧倒的な戦力のアメリカ軍に対して,完全に負け戦にもかかわらず,最後の抵抗とばかりにゲリラ戦を展開しようと少年達を招集し,山の中に潜みます。ただ,抵抗はほんのわずかで,敗走の一途。過酷な戦場を体験した少年達は戦後,PTSDに苦しみます。

波照間島から強制的に疎開させられて,多くのマラリアに罹って死んだり(戦争マラリア),敗戦後もしばらくは敗残兵が潜み,疑心暗鬼の中で民間人が殺されたり(スパイリストによる虐殺),心が痛む話が続きます。多くの沖縄の人が死んだ一方で,部隊を率いたり,強制疎開させたりした中野学校の将校たちは戦後,生き残っていることを思うと,なおさら心が痛みます。沖縄のことが少し分かりました。


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