(原題:Oblivion)(アメリカ,2013)
時は2077年。60年前に突如現れた侵略者(異星人スカヴ)との戦争にかろうじて勝った地球人は,しかし,戦争のために荒廃した地球を捨てて,土星の衛星「タイタン」へ移住した。地球では,海水を吸い上げてエネルギーを作るためのプラントがあり,これをスカヴの残党から守らなければならない。主人公ジャックとヴェカは,タイタンへの移住中継所としての宇宙ステーション「テット」の司令官サリーと通信をしながら,5年間の任務に就いている。その任務もあと2週間で終わり,ようやくタイタンに戻ることができる。
地球では,スカヴからプラントを守るために,ドローン(球形の兵器)が飛んでいて,ジャックはプラントの監視とドローンの修理が任務であり,ヴェカは住居兼基地のタワーでテットとの通信とジャックのフォローをしている。ただ,二人は,任務遂行のために5年前の記憶は消去されている。敵のスカヴに記憶が盗まれるとマズいからだ。
ここまでで,かなり作り込まれた世界観であり,並の映画ならこの設定だけで異星人とドンパチやるところだが,この話はもちろんこれで終わらない。なぜならジャックには,どういうわけか侵略戦争前の記憶,つまり,60年前の2017年のスーパーボールの記憶があるのだ。そして,見知らぬ女性と侵略戦争前のニューヨークでエンパイヤステートビルに昇る夢を何度も観る。その頃に生きていたはずはないのに。
つまり,この映画は単なるエイリアンパニック映画ではありません。いわゆるSFサスペンス映画ですね。映像も全体にクリアで,出てくる建物や乗物やガジェットもスタイリッシュです。ドローンのメカニカルな動きも不気味さや冷酷さをよく出してるし,荒廃した地球の様子も随所に挿入されていて壮大です。思わず2度観てしまいました。それぐらい,面白くて,よくできています。
ちなみに,タイトルの「オブリビオン」とは,忘却とか忘我という意味です。
★★★
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