2014年11月19日

推手

太極拳には,推手,pushing hands (push hands) という稽古がある。

中国にはその競技もあるらしいけれど,何でも競技にすれば良いってもんじゃない。確かに競技にすればそれをする人が増えて,普及には役立つだろうけれど,youtubeを見る限り,手を掴まないルールの単なる相撲にしか見えない。

ああして,実際に他人とやりあって,何かしらの手応えを感じたいのだろうけれど,まずもってルールが微妙な気がしてならない。どこがどう推手稽古の成果なのか,あるいはどの辺りが推手の威力なのかが,見た目では全く分からない。なのに審判がいて勝ち負けの判定をしたりしているということは,何かしらルールがあるのだろう。そしてそのルールは,推手の技術の高低をきちんと判断できる基準なんだろう。そうでなければならない。しかし,そうなっているようには,どうしても「見た目には」思えない。

あと,推手の表演競技(二人で行う演武競技)というのもあるらしく,これもyoutubeで見ました。まぁこれは,こうして人に見せるために日々稽古するのが稽古になっていて,それはそれで良いと思う。だけれど,その善し悪しを試合(大会)で「競う」という発想が,何とも違和感を覚える。何でもかんでも競技にすれば良いってもんじゃない。どうして人はそんなに他人に見せたり,競い合ったりしたいのだろうか。勝ち負けなんてどうでも良い気がするのだけれど。やっぱり,何かしら手応えというか手がかりというか,明確な評価のような,そういうものを感じたいのだろう。

そういう,競技どうこうではなく,本来の稽古法として,推手は良い。ように思う。というか必須な気がする。ホノルルにいるとき,スティーブやロバートには習わなかったから,ちゃんと習ってみたい。

ただ,空手にはカキエという稽古法があり,これは英語でpushing handsとかhooking handsとか訳されたりしています。おそらく,やろうとしていること,目指していることは同じです。詠春拳にも,チーサオとかありますね。

二人で行う稽古だから,相手がいないとできないけれど,お互いの気(力具合と意思)を感じる,優れたエクササイズな気がするから,推手でもカキエでもチーサオでも良いから何かしらの形で,やりやすい方法で,取り入れていきたい。

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