2022年9月6日

将棋は面倒くさいゲームである

将棋は面倒くさいゲームである。

とりあえず,将棋を始めて,日本将棋連盟公認の2級まではたどり着きました。初段まではと思って,何冊も定跡書を読んだり,棋譜並べをしたり,詰め将棋をしたりして,それなりに指せるようにはなったと思います。

しかし,将棋は勝負のゲーム。勝ち負けを競うボードゲームなので,勝つときもあれば,必ず負けます。これまで何度もこのブログに書いてきましたが,やっぱり負けると悔しい。勝ち負けよりもいまここの駒のやりとりに集中する(ことを楽しむ)マインドフルネスの良い練習だと思うけれど,結局,負けるとトホホな気分になります(笑)。

特に「トホホ」な気分になるのは,集中しきれずに自らのミスで自滅するとき。そう,将棋は集中力がものすごく必要なゲームなのです。ちょっとしたスキマ時間や仕事の合間の気分転換にぼんやりしたいときなどに,直感的にサクサクやるような反射神経重視のゲームではない,極めて高度な認知的処理を要する,ものすご~くエネルギーを使うゲームなのです。

(これはたぶん,勝ちたい,あるいは,負けるとしてもミスはしたくない,という思いが強いからだと思います)

さて勝負するぞと,気合を入れて盤に(タブレットやスマホに)臨み,一手一手集中して指す。最上手を指そうと思って考えすぎると時間切れになるので,残り時間との(つまり自分との)勝負でもある。これは疲れます。気分転換にと思って,あるいは,合間の時間つぶしにと思ってやるゲームではありません。そうやってぼんやり集中せずにやれば,だいたいミスをして負けます。負けると気分は当然良くない。気分転換に不愉快になるという,最悪の循環。時間を無駄遣いした気分。

ちゃんとやろうとすればエネルギーをかなり必要とし,一方,適当にやればミスを連発して負ける。これじゃ,右に行っても左に行ってもなんだかよろしくない。だから,このところ,将棋は確かに娯楽であり単なるゲームなんだけど,これってあんまり生半可にやるもんじゃないような,そんな気がしてきました。

世の中,将棋愛好家はたくさんいます(600万人ぐらいらしい!)。みなさん,いろんな気分で将棋を指しているんだろうと思いますが,その中でも,高段者(もちろんアマ)の人って,本当にすごいと思います。確かに僕は将棋に不向きで,世の中もっと簡単に昇級昇段していくのかもしれませんが,どうやったら一体,初段になるのか,まったく想像がつきません。なぜなら,相当な集中力を相当な時間注ぐための時間とエネルギーが必要であると,つくづく思うからです。

人間,得意不得意はあるでしょうね。何事も,それなりの努力にそれなりのポジティブなフィードバックがあることで,継続できるし,さらなる工夫や努力を重ねることができます。なかなかフィードバックがなかったり,フィードバックがネガティブであれば,やがてその行為から離れていくのが自然です。なんだってそうだと思います。

このとき,「それなりの努力」として注ぐエネルギーが,現状の様々な活動の中でどのくらいを占めるか,の問題でもあります。必要なエネルギーの分量は個人の力量(得意不得意)と比例関係にあるでしょう。プロでない限り,誰しも仕事やそのほかの活動がある中で,それに注げるエネルギーは限られているわけです。将棋は,その限度を超えるような気がする。少なくとも自分の場合は。

つまり,要するに,最近改めて「将棋って,面白んだけど,面倒くさいゲームだなぁ」と思い始めています。その面倒くささって何だろうなぁと思って,上記の通り,分析してみました。

「だったら,遊びだと思って,適当にやればいいじゃん,ゲームなんだし,単なる暇つぶしでしょ」というご助言があるとすれば,それはまさにその通り。でもね,繰り返しますが,適当にやるとミスをして負けるんですよ(笑)。面白くないんですね,勝敗を競うゲームだけに。負けを見込んでやるゲームって,やる意味ありますかね。


このように,面倒くさいゲームなのですが,ではなぜエネルギーを要するかというと,当然ながら,将棋は盤上の駒の展開がものすごく複雑だからです。だからこそ,様々な囲いや戦型が考案されているのであって,その戦い方もいろいろです。その割に,自分ぐらいのレベルだと,まだまだどうしても固定的な(つまり,得意な)囲いや戦型でしか勝負できず,ついワンパターンになりがちです。ならば,定跡書を読んだり棋譜並べをしてもっと研究すればいいじゃん,新しい戦型を覚えればいいじゃん,となりますが,結局,そういう努力をするために,またさらに時間と労力がかかります。

あと,スポーツと一緒で,数日間やらないだけで勘が鈍ります。それは自分が年を取ったからかもしれないですが,展開や読みは,常日頃(つまり毎日それなりに)やっていないと,それこそ上達は見込めません。ここまでやってきたのだからと思って,なんとなく離れにくいのも(コンコルド効果!),こりゃ面倒くさいゲームだなと思う一因です。

要するに,深すぎるんスよ,将棋って。深すぎ。


ならば,気分転換にちょうど良いゲームってないかなと思って,最近,オセロを始めました。オセロも奥が深いと思いますが,オセロの良さは,マスが埋まれば必ず終わるし(時間が読める),やってみる限り定跡も将棋ほど複雑ではないしょう(きっと)。適当に直感的な打ち方をしてもそれなりに楽しめるし,集中して打てば展開によっては上級者にも勝てる場合もありそう(まぁ,相当にうまい相手にはそんなうまくはいかないと思いますが)。

将棋でうんうん悩むよりも,いっそ,オセロに鞍替えした方が良いんじゃないの?そんな風に感じております。

でも,まぁ,好きこそものの上手なれ,って言いますからね。高段者の人は,やっぱり,心底好きなんでしょうね~,このゲームが。僕ももちろん将棋は好きですが,それほどじゃないってことなのかもしれません。好きであることとエネルギーを注ぐことって,比例してるでしょうからね。

追記:オセロもやっぱり,ある程度のところまで行くとなかなか勝てません。というか,やっぱりオセロも奥が深いわ。



0 件のコメント:

コメントを投稿