2021年1月27日

オー!ラッキーマン

(原題:O Lucky Man!)(イギリス,1973)

ものすごく変な映画でした。『町山智浩のVIDEO SHOP UFO』枠で紹介・放映されていたので,録画して,町山氏の解説を聞いて,観ましたが,とんでもなく変な映画でした。とりあえず,ストーリーは有るようで無い。場面場面のつながりに何の脈絡もない。伏線も何もない。全部ぶつ切れ。なんだこりゃ(笑)。唐突に場面が展開していき,奇想天外で不条理な目にひたすら遭う,という話。

町山氏はしかし,地獄のような体験をし続ける,という前振りでしたので,さぞ可哀想な目に遭うのだろうと思っていましたが,基本的にコメディ映画なので,中学生が考えそうな妄想的事件(事故)に偶発的に巻き込まれていくので,深刻さはあんまりない。実際,主人公のマイケル・トラヴィス(マルコム・マクダウェル)は終始,ニコニコしてるか前向きで,いくら儲かるかばかりを考えている軽い男なのです。そして何故か,物語を通して,女性という女性にモテまくる。そして最後は・・・。

とにかく,町山氏の言うように決して地獄巡りな物語ではなくて,確かにアンラッキーな目に遭いまくるけれども,本人は至って平気であんまり深く考えていない行き当たりばったりな感じだから,結局は難を逃れるわけで,決して「アンラッキー」な男ではなく,むしろやっぱり「ラッキー」なわけです。

なんでこんなに支離滅裂なのかは,町山氏の解説を聞いていたので飲み込めましたが,これ,解説聞かずに観たら,途中で投げ出していたと思います。167分で,長いし。あの特徴的な顔のマルコム・マクダウェルだから成立してるし,もう一つはイギリスのロックバンド「アニマルズ」の曲が場面転換や幕間に挿入されて,それがなんとなく良い感じなもんだから成立してると思いました。とにかく,世相や文化や社会問題や風刺,色んなもののごった煮です。

【追記】ただ,翌日になっても場面や曲が頭から離れず,反すうしています。一つの目安として,反すうする映画って,悪くないです。逆に全然反すうしない映画は,ダメなことが多い。だから最初★1つでしたが,★2つにしました。

★★



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