2021年3月19日

グッド・ネイバー

(原題:The Good Neighbor)(アメリカ,2016)

胃の辺りというか,お尻の辺りというか,ずっと落ち着かない映画でした。そして,観た後,いろいろと考えてしまう,そういう映画でした。

ストーリーとしては,高校生二人が隣に済む一人暮らしの老人の家に装置や盗撮カメラをしかけて,怖がらせて,それを観察しよう(もちろん録画して),というゲスな「実験」を企てる。これ自体,度を超した悪戯?(いや犯罪です)であって,観ているこっちはいつバレるか,いつ事件になるか,ヒヤヒヤして胃がムカムカする話ですが,実は話はどうもそれだけじゃないことが少しずつ分かります。途中途中,裁判の場面が挟まるからです。何かとんでもないことが起こったのです。

日本の宣伝用チラシが「このジジい,かなりヤバい」というキャッチフレーズなのですが,これはあんまり内容を反映していません。確かに最初は偏屈な老人として,得体が知れないのですが,むしろ,邪魔してるかもしれない。決して単なる暴走老人の話ではなく,もっと深い話です。

高校生は,この老人が異常人物だという理由で,だから「実験」しても良いんだという身勝手な理屈で無茶なことをあれこれやるんですが,実はそれだけが理由じゃないところも少しずつ分かってくる。一体,どういう結末になるのかなかなか読めなくて,話に引き込まれます。

結末はあまり気持ちの良いものではありません。でも,いろいろと考えさせられます。ずっと落ち着かない映画ですが,だからこそ98分で長すぎず,良い映画だと思います。

★★★


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