2021年3月10日

丹田呼吸健康法:調和息入門

村木弘昌 1971 創元社

1971年12月15日に公刊された書籍です。私の誕生日が1971年11月26日ですから,生まれて20日後ぐらいの本です。そのちょうど自分が生まれたころの医学の様子が分かる本です。今から50年近く前ですが,今とほぼ同じような知識と治療だったり,当時と今とで違っていたりと,その点は面白かったです。

とにかく,丹田呼吸法が良い,という本です。いろいろな病気や症状に,良い方向に効きます(効くはずだと書いています)。ここで「丹田呼吸」とは要するに腹圧をかけた呼吸,を指します。吸気のときにかける場合(吸気性強腹圧呼吸)と呼気のときにかける場合(呼気性強腹圧呼吸)とあります。

本書で何度も出てくるように(副題にもあるように),この丹田呼吸法は藤田霊斎によって創始された方法であり(調和道丹田呼吸法),医師である著者がこれの効用と実践方法を解説する,という体裁です。この他にも,呼吸法関連の本を多数書いています。なお現在も,調和道協会というのがありますね。著者はこの協会の会長でもありました。

呼気のときに腹圧をかけるのは,空手でもそうします。少なくとも,私の教わった小林真一先生と西田稔先生の空手ではそうします。これには特に名前は付いていなかったので,私も当初は丹田呼吸と呼んでいましたが,この呼吸法は古来「密息」と呼ばれるものだと思われます。ですので,私の著書や小論の古いものは「丹田呼吸」と書いていますが,新しいものは「密息」と書いています。

いずれにせよ,この呼吸法が昔から良いと考えらている(そして推奨・実践されている)ことが分かる本でした。



0 件のコメント:

コメントを投稿