2021年3月7日

武器人間

(原題:Frankenstein's Army)(オランダ・アメリカ,2013)

第二次世界大戦末期の独ソ戦,攻め入るドイツに対してソ連の偵察部隊が潜行する。映像は,同行したモスクワ映画大学出身の兵士ディミトリ(ディマ)が撮影したPOV形式のモキュメンタリー映画。偵察を進める中で,奇妙な教会を発見する。そこはナチスが使っていた何かの実験場のようで,奥には機械(武器)と合体した改造人間がつながれていた。

次から次へと,武器(巨大ナイフとか巨大鎌とかハンマーとか巨大ペンチとかかぎ爪とかドリルとかプロペラとか!・・・プロペラは武器ではないけど!)を移植された改造人間が襲ってくる。彼らに人間的な意思は残っていないようだ。

虐殺・戦闘・殺傷・改造場面がちょっとグロい(内臓をぶちまけたり,脳みそを取り出したり・・・おえっ)。グロいのはあんまり好きではないので,目を背けたくなります。

改造人間のフォルムはどれも気持ち悪さと異様さが秀逸。こういう怪物がいたら怖いな~と想像力を逞しくした,画才のある小学生か中学生が描いたようなナチス趣味の悪魔的改造人間。ナチスは実際いろんな兵器を次々に開発していて,その中には奇妙で独特な発想のフォルムや機能の兵器もたくさんあったわけで,そこからこういう悪魔的フォルムの改造人間に発想が行くわけですね。この,改造人間のテイストは,僕らの世代としてはショッカー怪人であって,そういえば,ショッカーは「ナチスドイツの残党」という設定でした(ショッカー怪人は昆虫と人間を合体させた改造人間ですが)。ちなみに,地球連邦軍に比してジオン軍が次々に新しい(奇妙なフォルムの)モビルスーツやモビルアーマーなどを作るのは,ナチスがモデルですね(ジオン軍の軍服もナチスっぽいし)。

物語に奥深さはほとんどないけれど,マッドサイエンティストによる残酷実験で改造された奇妙な武器人間たちが襲ってくる,お化け屋敷的映画です。でもこの武器人間,デザイン的に好きな人たちは結構いるだろうなぁ。・・・と思って,「武器人間 フィギュア」で検索したら,やっぱりたくさんヒットしました。

★★


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